概要
その規模は実に50メガトン、あの悪名高きビキニ水爆の三倍以上にも及ぶ。
核兵器、というかそもそも人類が手にした兵器の中では最強(最凶?最狂?)の破壊力を有する。というよりこいつよりも高威力の兵器など存在してはいけない。
なお、当初は100メガトンにする予定だったとか。
ちなみにツァーリ・ボンバとは「爆弾の皇帝」という意味である。
さらにこの名称、実は西側諸国で付けられたコードネームだったりする(ちなみに旧ソ連側での開発コードは『イワン』、完成品は『AN602』という名称)。…が、現在ではロシアでも「ツァーリ・ボンバ」で通るらしい。モスクワ・クレムリンに展示されている有名な「ツァーリ・プーシュカ(大砲の皇帝)」「ツァーリ・コロコル(鐘の皇帝)」を思わせるからだろうか。
なんでこんなものを作ったんだ?
結論から言ってしまえば「テキトーに落としても目標を確実に吹っ飛ばせるようにするため」というのが核兵器の高威力化の目的の一つである。
多少目標から外れても、威力を上げれば爆風の範囲を大きくできる→直撃しなくても目標を吹っ飛ばせるという単純明快な理屈である。
ツァーリ・ボンバはこの発想の行き着く先といってもいい。
また、その他にも「ソ連の国力を見せつけるため」という側面もあると言われている。
ツァーリ・ボンバ最強伝説
- 本来は100メガトンにする予定だったが放射性物質の飛散を抑制するため鉛を入れるなどして50メガトンに抑えた。(核分裂で起爆→核融合で爆発→さらにそのエネルギーで核分裂を起こすという3段構えの仕様だったため、フルパワーで爆発させると大量の放射性物質をまき散らす)
- それでも爆発の威力が大きすぎて衝撃波が地球を3周以上もした。
- 爆発時の火球は投下した高度(10,500メートル)にまで達した。
- 爆発時のエネルギーはジュールで210ペタジュール・ワットに直すと5.3ヨタワットに達した。これは計算上富士山を跡形も無く破壊できる火力である。