あやちさ
あやちさ
概要
スマートフォン向けアプリゲーム『BanG_Dream!ガールズバンドパーティ』に登場する丸山彩×白鷺千聖の百合カップリング。
このふたりは共にガールズバンドパーティ(以下ガルパ)内に登場するアイドルバンド『Pastel*Palettes(以下パスパレ)』のメンバーである。
パスパレ内では、丸山彩がボーカル、白鷺千聖はベースを担当している。
二人は同じ事務所に所属しており、また花咲川女子学園の同級生でもある。学園内の二人の詳しい描写は今のところ無いが、パスパレの活動以外でも交流はあると考えられる。
幼い頃から子役として活動しており芸能界の大先輩でリアリストな千聖、はたまた幼い頃からずっとアイドルを夢見てアイドル研究生を続けなんとか夢のアイドルデビューにこぎ着けた彩。
お披露目ライブが(本人たちの責任ではないとはいえ)失敗したこともあり自分だけを信じて行動していた千聖であったが、目の前の事にがむしゃらに全力でぶつかっていく彩にだんだんと心惹かれ、最終的には千聖も彩を認めた事で一緒にバンドとしての一歩を踏み出していく様はなかなかに重いストーリーを見せられていたユーザーにとって涙無しには見れなかったのではないだろうか。
当初一見正反対に見えた二人が紆余曲折を経てお互いを想い合う存在になっていく、それがあやちさなのである。
まだ二人の間で分かっていない事は多々あるもののストーリーやそれ以外の会話など公式からの供給は多く、甘々から悲恋であったりと幅広い妄想が可能なため一部ユーザーにおける一定の層は深みにハマってしまうカップリングだと言えよう。
また、彩の方が千聖よりも背が高い(というより千聖はパスパレ内で一番背が低い)
ゲーム内における描写
※以下の内容にはネタバレが含まれています※
アプリ内のバンドストーリーにあるパスパレストーリーは、『あやちさ運命の出会い編』と言っても過言でないほど濃密に出会い~これからを描いている。
ストーリー選択で見ることのできるあらすじにて、『彩』もしくは『千聖』の入っているあらすじは17/20にも及び、さらに『彩』『千聖』の両方のワードが入ったあらすじも6/20あり、この二人の関係性がいかにストーリーを通じて重要なのかが分かるだろう。
第1話にて
まずパスパレ内において最初に顔を合わせ会話するのはこの二人である。
この時彩は千聖に対して『普段はほとんど事務所にこないのに、今日はどうしたんだろう?』と内心で語っていることから、パスパレ結成以前は同じ事務所に居ながら二人の交流は殆ど無かったものと考えられる。
自己紹介において彩は不慣れながらも自分の夢を吐露し元気よく挨拶するのに対して、千聖は手慣れた様子で芸歴アピールをしつつ当たり障りのない挨拶をする。
またお披露目ライブは楽器を弾いているフリをして欲しいというスタッフの意見を聞いた際にも、彩はイヴに賛同する形でお客さんを騙したくない、本当の演奏をしたいと反論するのに対し、千聖は楽器の練習をするよりも自分自身を魅力的に見せることに時間を割いた方が良いとスタッフの意見に賛同する。
この事から分かるように、この時点で彩と千聖は大きく考え方に差があると言えるだろう。
そして彩がボーカル担当だと告げられた際、千聖は俯きながら黙り込むという描写が入る。これは自分がボーカルを取れなかった事への悔しさなのか、それとも彩に任せて大丈夫なのかという心配からなのか…。
どちらにしても、この時から千聖の中で彩の存在は良い悪いを別として少しずつ大きくなり始めたのである。
第4話にて
「彩ちゃん落ち着いて。今日からあなたは研究生だった彩ちゃんではなく、Pastel*Palettesの彩ちゃんになるのよ。生まれ変わるの」
白鷺千聖にとっての丸山彩というアイドル、ひいてはあやちさというカップリングを形成付ける台詞が飛び出したのはこの第4話である。
1万人のお客さんという、これまで経験したことのない舞台で緊張している彩に対して放ったこの台詞は非常に心強いものとなり、彩は自分に対してしっかりと自信を持つことが出来た。
その後彼女達にはどうしようもない事態に陥りライブは失敗してしまうが、そのトラブルまでのMCは完璧にやり切っており、彩にとっても千聖の存在は非情に心強いものに感じている事が分かる。
第5~9話にて
前述の失敗により千聖は自分の信条、つまり『見込みの無いものに時間を費やすより、同じ時間をかけて確実なものを手に入れる』という考えに則り、皆で集まって練習をしている時間を割き無能なスタッフに変わり自分の足でパスパレの仕事を取ろうとするようになる。
4話以降の言動で、千聖がパスパレを抜けて個人で活動を始めようとしているのではないか?と思った人も多かったかもしれないが、千聖はこのパスパレというバンドに自分なりの将来性を見出していた。
現実主義者の千聖が大失敗を犯したアイドルバンドにここまで肩入れするのは、もしかすると誰かさんの存在というのも少しは関係しているのかも……?。
第10話にて
千聖が珍しくレッスン室に入ってきた際、彩は「千聖ちゃん!」と非常に嬉しそうにするシーンがある。お前は久しぶりに飼い主に会えた子犬か。
千聖はこのエピソードにおいて「努力は結構。夢を見るのも結構。だけど努力が必ず夢を叶えてくれるわけじゃないのよ」と厳しい台詞を彩に放つ。
久しぶりに千聖に会えてウキウキしていた矢先にこの仕打ち。また自分の今までの考えを否定されたことで彩は大きく動揺しショックを受ける。
おそらく千聖は自分が一人で苦労して取って来た仕事を『私達が努力して練習してきたおかげ』と内情を知らない彩に言われたことでこのような厳しい発言をするに至ったのだと思われるが、あんなにはしゃぐ仔犬のような彩ちゃんになんて厳しい……。
第11,12話にて
千聖の言葉により大きなダメージを負った彩だったが、メンバーの励ましにより再起し今度は自分に何が出来るかを考え始めるようになる。
そして『パスパレのメンバーでライブイベントのチケットを手売りしたい』という旨をスタッフに提案するのだが、この練習しているだけより行動して多くの人に認知してもらうという考え方と行動は今まで千聖が一人で行っていたものと酷似している。
彩は千聖が何をしているかを知らずとも、無意識のうちに同じ行動をしてしまっていたのだ。
なんだお前ら、相性バッチリか。
第13話にて
このストーリーを見てあやちさ沼にハマってしまった人も多いだろう。まさに最大のあやちさ回である。
雨が降りしきる中、メンバーの静止も振り切りひたすら街頭でのチケット販売を続ける彩。
雨は次第に大粒に変わっていき、大きくなった雨音は道行く人達への呼び掛けの声を消していく。
そんな中、事務所に戻った3人の元へ千聖が遅れてやってくる。ずぶ濡れの3人に驚く千聖だったがすぐに彩がこの場に居ない事に気付き、まだ彼女が一人で土砂降りの中チケット販売を続けているという事実を聞く。
そして千聖は「こういう時はスッタフさんにお任せしたほうがいいわ。この話は私からスタッフさんに伝えておくから」と残してどこか焦ったように早々と事務所を後にした。
(どうして…どうしてそこまで、あなたは…)
そんな中、彩はまだ一人でずっとチケット販売を続けていた。雨音でもう誰にも声が届いていないかもしれないのに、土砂降りの中わざわざチケットを買う人なんて居ないかもしれないのに。
それでもここで辞めれば、自分がずっと描いていた想い、夢…それらを本当に失ってしまうかもしれない。それが怖くて、恐ろしい。だから、彩は一人で呼び続けていた。
「どうか……私達の歌を……」
「聞いてください!」
自分でない声がして振り返れば、そこには千聖がいた。雨音で聞こえにくかったはずの声は透き通って聞こえ、まるで雨を弾きながら響いているようだった。
千聖は彩を真っ直ぐ見つめて言う。
「雨で声がよく聞こえないわ。もっと大きい声を出さないと、誰にも届かないわよ」
「…うんっ!」
「Pastel*Palettes、よろしくお願いします!」
「お願いします!」
「「どうか、私達の歌を聞いてください!」」
二人が通じ合い、想いが重なったところで13話のストーリーは終了する。この話を見た後、あまりの衝撃に14話の解放を急いだ人も多いのではないだろうか。
まさに、本当の意味であやちさの想いが通じ合い、始まってゆくといった最高のストーリーであった。
第14話にて
運命の雨が止み、チケット販売を終えた彩と千聖。彩はここで千聖に疑問をぶつける。
いつも他の仕事で忙しそうで、さらにこの間は『努力が夢を叶えるわけじゃない』と言ったたばかりである千聖が、なぜこんなただ目の前しか見えていない自分の場所に来てくれたのかと。それに対し千聖は「あなたのことが分からないから来たのよ。同じことをすれば、あなたが分かると思って」と返答する。
そして千聖から見た彩という人間はどのように映ったのか問うと「夢に向かって、どこまでも愚直に突き進んでいく。愚直なのは、『自分にはそれしかない』と思っているから。それを心のどこかで自覚した上で、夢を叶えようともがき続けている……本当に、不器用な人ね」
と言い、それを彩らしさと評した。
事務所に戻った彩と千聖は先程の雨の中で行ったチケット販売が功を奏したことを知り、二人の考えは間違ってなかった事が証明されたのだった。
あやちさの尊さが世間的に認知され始めた瞬間でもある。
その後日菜と千聖の会話にて、千聖がどうのような心境の変化があったのか尋ねられると彩ちゃんが心配だったと素直に答えている。
第15話にて
千聖が必死に動き回りパスパレの信頼回復に努めていたこと、そしてあの雨の日のチケット販売等が重なりパスパレの評判はどんどんと上がっていく。
そんな中、いつもの無能スタッフはそれら全てを千聖の手柄だと言い見え見えのごまをする。
しかしそれに対し千聖は「Pastel*Palettesのメンバーは私だけじゃありませんから」と蔑むような眼で冷たく言い放ち、その場を後にした。その時千聖の脳裏に浮かんだのは、メンバーが言っていた彩の頑張りがファンの皆に届いたという言葉であった。
そして千聖がとうとうレッスンルームに顔を出し皆と練習していくと決めた際、彩との会話で
「私も千聖ちゃんがどんなことを考えてるのか、まだ、全部はわからないよ。でもそれは、これから知って行けばいいことだと思うから。……千聖ちゃんが、私という人間を知ってくれたように」
「彩ちゃん……」
というものがある。なんだこの空気 君たち付き合ってるの?
第16話にて
千聖は麻弥から『努力が嫌いなのではないか』と聞かれるが、千聖にとって努力は当たり前のもの、それだけを信じていたらそれが裏切られた時何も信じられなくなると答える。
しかしあのチケット販売での出来事やその後付いてきた結果、そして彩のひたむきな姿を見て「彩ちゃんを見ているうちに、信じて見たくなったのかもしれない。『努力』をね」
と千聖の心境が『あんなに何もできなくて、本番にも弱くて、すぐ泣くようなあの子』によって当初とは大きく変えられているという事が分かる。
メンバー全員でのレッスンが本格的に始まり、変わったことは彩と千聖の口論であった。
彩も千聖も少しづつお互いに意識を変えられたとはいえ、元々考え方に違いがあった二人なのだから意見も合わなくて当然なのだが、この口論は日菜の口ぶりからしてほぼ毎回のように行っていると考えられる。しかし少し話し合った後、彩がすぐに折れていることからおそらく口喧嘩での勝率は千聖の方が高いようだ。
彩は千聖と話すようになって、自分と千聖の目指すものは一緒だったのではないかと感じるようになる。それに対し、千聖も「……ようやく気付いたのか、と思って」と返し、また彩がその事に気付いてくれたことが嬉しいとも話す。
ようやく彩に対し素直になる千聖であった。
また、メンバーは慣れた様子でこの口論を流している事から痴話喧嘩に近い認識を持たれているようだ。
第17話にて
麻弥に対し「フヘヘ」という笑い方を改めた方が良いと話す千聖。これは以前彩が言っていたことと同じ指摘であった。あやちさは通じ合っている……。
そんなメンバーもあやちさも距離が縮まり、さあこれからという中、無能スタッフから『楽器演奏は任せるがボーカルは録音したものを流す』と告げられる。
それに対し千聖は、『またスタッフ側のミスで音声が止まったら一体どうするのか』『彩を動揺させない為の策が彼女を一番動揺させている』と明らかに攻撃的な態度と言葉を返す。これに関しても、当初スタッフの意見に素直に従っていた千聖とはかけ離れていることが分かる。
彩ちゃんの頑張りを皆に知って欲しいんですね、分かります。
無能スタッフはもっともらしい理由を付けて押し切ろうとするが、要は彩のボーカルを信用していないという事である。これには彩を認めて一緒に進んでいこうと決めていた千聖が怒るのも無理はない。
そして千聖は『彩ちゃんは一人する時間が必要。今はそっとしておいた方がいい』と何故か突然彩の事を誰よりも知っているような口ぶりで皆に注意を促した。
第18,19話にて
レッスンルームにて一人『ステージで歌えない』と告げられたことに対して悩む彩。
そんな折、先程彩を一人にさせようと言っていた当の本人が突然部屋に入ってくる。
何故この場所が分かったのかという彩の問いに、「あなたなら、絶対ここにいると思ったの。……努力と練習が好きなあなたなら」と返す千聖。本当に彩ちゃんのことよく知ってますね。
彩の努力と夢の話、そして挫折しかけている今の素直な気持ちを聞いた千聖は、自分と彩の考え方の違いを告げる。しかしそれは『白鷺千聖』の考え方であり、自分の知っている『丸山彩』はそんな考え方はしない、と。
第4話にて『研究生だった彩ではなく、Pastel*Palettesの彩になる』と告げた言葉は、『どんなことがあっても自分らしくいて欲しい』という言葉に変わってまた彩の心を突き動かすのだ。
その後千聖の言葉で再び自信を取り戻した彩は無能スタッフに「やっぱり歌わせて欲しい」という想いをぶつける。メンバー全員、そして当然千聖もそれを承諾し、見事彩はステージでマイクを握ることを叶えたのであった。
窮地に陥った丸山彩に発破を掛け奮起させる時、そこにはいつも千聖がいる。
第20話にて
本番前の舞台裏、ここまできてまた緊張し出す彩に対して「彩ちゃんらしい」と評する千聖。
しかし千聖はこの『らしさ』を彼女の強みと見ている。こんな事で信頼が揺らぐという事は無い。
そしてライブ本番。1曲目が終った後のMCで自分の想いを観客に伝え、暖かい声援とイジりを受けたじろぐ彩だったが、そこにすかさず千聖が割って入る。観客の前でも息の合った二人の掛け合いを見せつけ、彩を助けると同時にあやちさアピールも欠かさない千聖。
さすが元子役だけあって頭の回転が速い。
その後ライブは大成功を収め、楽屋で彩は千聖に向き合い話し始める。
「千聖ちゃんの……みんなのおかげで……私は最後まで私でいることができたよ。……本当に、ありがとう」
最初に名指しで『千聖ちゃん』と言ってしまっている辺り、彩にとってフォローしてくれた千聖の存在は隠しきれない程大きなものになっているという事が見て取れる。
「私は何もしてないわよ。私は、最後まであなたを……『丸山彩』を信じてよかったと思ってる」
「……ありがとう」
白鷺千聖という女が、完全にデレた瞬間である。二人の間で重要なキーワードである『自分らしく』を最後まで貫いた故の大成功であり、それをお互い信じ続けていたことに対しての「ありがとう」……このシーンが非常に胸に刺さった人も多かったのではないだろうか。
こちらこそ、こんな最高のシナリオをありがとうございました。
そしてメンバー全員はしっかりと抱き合いながら、この様々な想いの詰まったパスパレのライブに、幕を下ろしたのであった――。
あやちさ、推せるな!!!