ゲーム女神転生シリーズを題材にしたテーブルトークRPG(TRPG)である。
女神転生を原作にしたゲームだと言うだけでなく、現代伝奇アクションのジャンルをTRPGで開拓したことに高い評価を持つ。
真・女神転生RPG基本システム
1993年にアスキーから発売。ゲームデザインはコンシューマゲーム版の『DDS 女神転生II』、『偽典・女神転生』の製作も手がけた鈴木一也が担当。タイトルに『真・女神転生』とついてはいるもののコンシューマゲーム版の『真・女神転生』との直接的なつながりは薄い。女神転生シリーズの特徴である仲魔、悪魔合体、属性などの要素はあるものの、格闘技や呪術などTRPG版独自の要素がふんだんに盛り込まれている。
この作品の流れが以後の『真・女神転生』のTRPGシリーズにも影響を与え、多くの『真・女神転生』のTRPGシリーズは原作のコンシューマ版とは関係なく現代伝奇アクションものとしても遊べるように意識されてデザインされるようになった。
真・女神転生II TRPG誕生篇
1995年にアスペクトから発売。ゲームデザインは朱鷺田祐介、監修・鈴木一也。 『真・女神転生II TRPG』というタイトルではあるが、『真・女神転生II』ではなく初代の『真・女神転生』を原作とする(「TRPG版の真・女神転生RPGの2番目」の意味で『真・女神転生II TRPG』ということのようである)。
PCのレベルとは別に、「悪魔たちの勢力」がどれだけ世界に対して影響力を持つようになっていくかをあらわす数値「ゲートパワー」というものが設定されていて、ゲームを繰り返すたびにゲートパワーが自動的にあがるようになっていた。ゲートパワーが20を超えると、コンシューマ版であった「大破壊」のイベントが起こり、その時点でこのゲームは『エンディング』となる。明確なエンディングが自動的に訪れるというのはテーブルトークRPGとしては稀有な作りである。
真・女神転生TRPG覚醒篇
1998年にアスペクトから発売。2000年以降の増刷分はエンターブレインから発売。ゲームデザインは朱鷺田祐介、監修・鈴木一也。 もともとは真・女神転生II TRPG誕生篇のサプリメントとして予定されていたものが、独立したシステムとして作り直されたものである。
システムは前作の『誕生篇』の後継となっており、さらなる整理がなされている。前作のゲートパワーのシステムは引き継ぐものの、前作のような「エンディング」は設定されておらず、これ一冊で高レベルまで楽しめるようになっている。
真・女神転生III―NOCTURNE TRPG〜東京受胎〜
2004年にジャイブから発売。ゲームデザインは朱鷺田祐介。 6年の沈黙を破って発売された真・女神転生RPGシリーズで、コンシューマ版の『真・女神転生III-NOCTURNE』を忠実に再現することをコンセプトとしている。今までのシリーズにあったようなTRPG版の独自要素は薄い。
世界観も『真・女神転生III-NOCTURNE』と同じく「ボルテクス界」が舞台になる。ゲームシステムも「マガタマ」などコンシューマ版と同じ要素がそろっている。
真・女神転生TRPG 魔都東京200X
2005年にジャイブから発売。ゲームデザインは朱鷺田祐介。 『真・女神転生III―NOCTURNE TRPG』のシステムを使って、『真・女神転生』『真・女神転生II』の世界観で遊ぶというコンセプトで作られたゲーム。
『誕生篇』や『覚醒篇』ではほとんど扱われなかった大破壊後の時代もサプリメントによりサポートされている。
一方で、「退魔生徒会」をはじめとしたオリジナル設定も多数ある。これらオリジナル設定についてはデザイナーの朱鷺田祐介がデザインした別のゲームである『上海退魔行』と類似したものが多い。