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カブトエビの編集履歴

2018-04-24 16:31:52 バージョン

カブトエビ

かぶとえび

カブトエビ(兜蝦、兜海老)とは鰓脚綱・背甲目に属する甲殻類の総称である。エビと名付けられたがエビの仲間ではない。

概要

オタマジャクシのようなシルエットをもつ淡水性甲殻類、故に英語は「tapole chrimp」(オタマジャクシエビ)と呼ばれる。先祖は石炭紀までに遡る生きた化石として知られる。鰓脚綱・背甲目に属し、軟甲綱・十脚目に属するエビの仲間ではない。


形態

体長はおよそ2-10㎝、微小なプランクトンをメインにした鰓脚綱としてはかなりの大型。


頭部の広い甲羅は前半身を覆い、前方には3つの眼が備えている。胴体は多数の節に分かれ、前方から途中までにはヒレ状の脚が並んで、後端には2本の尾鞭が伸ばしている。


真の触角は退化し、触角のようはヒゲ状の部分は特化した脚である。


生態

日本では田んぼなどに発生する。雑食性、植物からミジンコなどのプランクトンも捕食する。


何年の乾燥にも乗り越え、水が戻るたびに孵化するという頑強な耐久卵を産むことがよく知られる。成長は速くて寿命は2ヶ月ほど短く、いずれも生息地の長い乾期と短い注水期に適応した能力である。


日本には5種のカブトエビが生息する。同種同士でも形態は多様であり、正確の同定は非常に難しいといわれる。


生きた化石

カブトエビの先祖はおよそ3億年前の石炭紀に出現し、長い歴史を持つ分類群である。それどころか、一部の現生種(ヨーロッパカブトエビとアメリカカブトエビ)は2億年前の三畳紀までにも遡る化石記録をもち、正真正銘の「生きた化石」であり、「最古参の現生生物」とも言われる。


利用

耐久卵の性質を利用し、カブトエビ属の学名「トリオップス」(Triops)と名付けて飼育セットとして発売されることが有名である。水田の雑草を食べることから「田の草取り虫」とも呼ばれる。


混同

よく似た名前かつ「生きた化石」同士の故、カブトエビはよくカブトガニという分類学的に関わりのない節足動物と混同する場合が多い。


クモサソリに近い」として紹介された通り、カブトガニはクモ綱と同じく鋏角類に所属し、カニどころか甲殻類ですらない。一方、カブトエビは甲殻類であるが、ミジンコアルテミアと共に鰓脚綱に所属し、軟甲綱のエビとは近縁ではない。


関連条目

節足動物 甲殻類

ミジンコアルテミア:鰓脚綱繋がり、近縁

カブトガニ:混同されがちの「生きた化石」同士

田んぼ 水辺 生きた化石

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