概要
第3話に名前が登場。その後、第4話で写真を通して彼の顔が登場。作中では故人である。
偉大なる貴族、バンジークス家の血を引く、バロック・バンジークスの兄で、司法界の《純血種》である。
かつては首席検事として、司法の中心で正義のために命を尽くす決意をしており、倫敦の《正義の象徴》とされていた。
弟からは高潔にして潔癖で几帳面であり、見ていて危ういほどに正義感の強い人物だったと語られている。
10年前、亜双義玄真とともに高貴な身分の人々を狙った連続殺人事件、《プロフェッサー》事件の捜査に全身全霊をささげていたが、その過程でその事件の5人目の犠牲者となって殺されてしまう。享年33。しかし、彼が決死の覚悟で残したとされる証拠によって犯人は逮捕され、事件は一時の終結を見る。
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ネタバレ
以下、大逆転裁判2の核心に関わるネタバレを含むため、クリア後の閲覧推奨
「‥‥理解してくれとは言わない。
ただ‥‥兄を許してほしい。」
《プロフェッサー》事件において、4人の命を奪った真犯人。《貴族》という身分に隠されていた殺人鬼《プロフェッサー》の正体である。
クリムトは大英帝国の栄誉の裏にあった深い闇と必死に戦っていたが、悲しいほどの"純粋"さ故に自分自身を追い込んでいった結果、本当の悪を追うには、それを超越した"悪"にならねばならないという結論に達し、自らもまた、その“闇”に飲まれてしまったという。
そして、彼は飼っていた巨大な猟犬《バルムンク号》を差し向けて、貴族社会の腐敗の中心にいたとされる者を殺害していった。
第2話に登場した盗品の宝飾の首輪は、本来クリムトが持っていたものであり、“狩り”の際にその犬がつけていた可能性があるらしい。宝飾品にあしらわれた《B》の“紋章”は、クリムトの奥方‥‥《バスカビル》の一族の“紋章”だという。
しかし、その後は犯行を見抜いたある人物から《脅迫》を受ける身となり、以降はその人物が命ずる者を殺害する《猟犬》に成り果ててしまう。脅迫者が命じた人物のうち、事件の3人目の犠牲者はクリムトのかつての恩人であり、恩人が目の前で息絶えていく様を見て、彼のココロはこわれていくことになった。
弟曰く、《プロフェッサー》が重ねていた時期の兄の様子はふつうではなかったらしく、一時兄が殺人鬼ではないかと疑ったこともあったが、恩人を殺す動機がないことを理由にその可能性を切り捨てることになった。
さらに、4人目の犠牲者を出したところで、亜双義玄真に自身の罪を見抜かれ、玄真との合意の上で《決闘》によって決着をつけることとなる。その結果クリムトは敗れて死亡、“その命を奪う”という究極の方法で、《プロフェッサー》の犯行を永久に止める結果となった。
これらの真実は脅迫者の手によって、すべての殺人の罪を亜双義玄真に着せることで隠蔽されていたが、決闘の直前、クリムトは自身の罪の告白とともに、脅迫者の告発を綴った《遺書》を玄真に託しており、“亜双義文書(アソーギ・ファイル)”という高度な“機密”として扱われ、脅迫者の手が及ばないところに巧妙に隠され、10年もの月日を経て発見され、最後の“真実”に至るただひとつの《カギ》として、その内容が大法廷で語られることとなる。
《遺書》には、弟のことについても記してあり、自身の所業によって、弟の検事の道が閉ざされることがないように心から祈っていると記されている。
また、その《遺書》には詳しく記されなかったが、玄真には《遺書》の他にも“もうひとつの願い”というものを託している。玄真との面会でその話について聞いた御琴羽悠仁によると、
日に日に衰弱していく自身の身重の妻と、生まれてくる子を必ず救い出す
と約束していたらしく、玄真の頼みで、御琴羽がその役目を極秘で引き受けることとなる。夫人の命を救い出すことは叶わなかったが、誕生したムスメについては当該記事を参照。