サンダーフォース
さんだーふぉーす
シリーズ概要
横スクロールSTGとしての知名度が高い当シリーズだが、元々は1983年にPC-8801等の
パソコン向けにリリースされたトップビューの全方位スクロールシューティングだった。
続編のIIで横スクロール面が導入され、IIIでは全方位スクロールを撤廃、以降は純粋な横スクロールシューティングになっている。
I~IVは銀河連邦とオーン帝国との熾烈な争いを。 Vでは地球圏に舞台を移し、太陽系に漂着した銀河連邦の遺産がもたらす戦いを描く。
その壮大なストーリーや世界観、シリーズごとに強化された演出や音楽、自機のショットを使い分ける操作性が話題となった。
尚、最新作であるVIと二次創作作品である『BROKEN THUNDER』は、その世界観を見事にブロークンしてしまった作品として、ある意味有名である。
これまでバーチャルコンソール(アーカイブス)化が一部を除きされておらず(注)、現品は中古市場にもある事はあるが、現品の入手自体は基本的に全て困難である。
今のところは現行のゲーム機で入手が容易となっているのはセガ3D復刻アーカイブス3収録のサンダーフォースⅢ、サンダーフォースⅤのPSアーカイブス版である。
注:セガの奥成氏によれば今から約10年程前、Wiiのバーチャルコンソールの頃に水面下で版元と交渉したが実現できなかったという。
作品概要
サンダーフォース
1983年にX1版が発売され、以降にPC-88等のPC機種に移植された。
本作では貧弱な8ビット機でスクロールを行っていることや、X1版のゲーム開始時に合成音声で「サンダーフォース!」と発するなど、性能の限界に挑戦した仕様になっている。
ステージを自分で作れるコンストラクション版もある。
唯一シリーズでは家庭用ゲーム機に移植やリメイクが今のところされていない(理由はよくわかっていないが、後のシリーズとはゲーム性が違うから・複数の機種でのリリースがあったからとの説がある)。
自機はFIRE LEOであるが以降のFIRE LEOシリーズとはデザインが異なる。
サンダーフォースII
1988年、X68000用ソフトとして発売。後にメガドライブに移植された。
前作を踏襲した全方位スクロールステージに加えて横スクロールステージが導入され、交互して進行する。
追尾弾「ハンター」や自機を中心に回転しつつ防御と攻撃を行う支援装備「クロー」などが登場し、後のサンダーフォースシリーズの基礎になる。
サンダーフォースIII
1990年、メガドライブ用ソフトとして発売。
今作で長年の仇敵オーン皇帝と決着をつける事になる。
スクロール方式(キーを入れた方向に常に移動し続け、止まれない)やプレイ時間の長さ故に不評だった全方向スクロールステージが撤廃され、純然たる横スクロールSTGに移行。
また、本作から前半のステージの選択や機体スピードの任意変更が可能になった。
メガドライブの看板的存在の横スクロールシューティングとしてその名を轟かせた名作であり、本作のヒットを受けて後にアーケードゲームとして新規ステージが追加された「サンダーフォースAC」が発売され、更に「サンダースピリッツ」と名を変えてスーパーファミコンにアレンジ移植されている。
ACはセガが関わっており、サンダースピリッツの発売元は東芝EMIであるが、開発自体はテクノソフトが行っている。
海外版は基本国内版と同じだが自機の攻撃力が国内版より上げられており難易度が下げてある。後述のゴールドパック収録のⅢは海外版とゲームバランスが似ているがGP版は日本国内版を再調整したものであるとされる。
Ⅲ・AC・スピリッツではエンディングの帰還シーンのグラフィックがそれぞれ異なる。また、スピリッツではオーン皇帝がⅢ・ACとグラフィックが全く異なりオリジナル版と比べてよりバイオコンピュータチックな姿をしている。
セガがテクノソフトタイトルの権利を取得した為、「セガ3D復刻アーカイブス3」においてオリジナル版を限りなく忠実に移植かつ3D立体視・ゴールドパック版にあった難易度「KIDS」・国内版よりも難易度を抑えてある海外版モードを加えた「3DサンダーフォースⅢ」が収録される。
3D復刻アーカイブス3でIIIと後述のIVを同時に収録するかもしくはどちらか片方を収録するかの選択で結局はIIIに落ち着いたらしい。おそらく復刻アーカイブス3の開発スケジュールの都合とIVは移植に関しては特に3D化の作業に時間がかかる為とされており見送ったと思われる。
なお、Ⅲの3D化もオリジナル版のグラフィックの構成が職人技であった為3D化作業に3Dガンスターヒーローズの3D化作業を手掛けたスタッフが行っている。
なお、オムニバスソフトへの収録とはいえ携帯ゲーム機への移植はPSアーカイブス版「Ⅴ」以来二度目になる。また、任天堂のゲーム機では「スピリッツ」以来のテクノソフトタイトル移植になる。
ⅡとⅢのみ開発スタッフが共通している。
サンダーフォースIV
1992年、メガドライブ用ソフトとして発売。北米では「Lightening Force」
メガドライブの限界に挑んだ多彩なスクロール、演出、サウンド等、メガドライブ屈指の秀作であり、ファンからサンダーフォースシリーズ最高傑作の名も高い。
が、難易度も最高峰なのが悔やまれる。
オーンのサブシステム「ヴィオス」と新たな敵勢力「ファウスト」に立ち向かう事になる。
今作のスタッフは前作と異なっており、Ⅲを超える事を目標として開発に時間をかけたとのこと。
今作の自機の残骸が後に地球圏に流れ着く事がⅤで判明する。
後半の「サンダーソード」の存在を前提とした難易度、ミスで失わない装備が非力な割に「フリーウェイ」等特定装備が非常に強力等のゲームバランスの問題がある。
2018年にはSEGA AGESシリーズとしてSWITCH版が発売予定。後述のゴールドパック収録版に追加されたSTYXが使えるモードが再現される模様。
サンダーフォースゴールドパック1・2
セガサターンにIIMD・III・AC・IVをCD二枚に分けて移植した復刻版。
「1」にはIIMD・IIIが、「2」にはAC・IVが収録されている。セガサターンに移植したものはオリジナル版と異なる部分がある。
サンダーフォースV
1997年、セガサターン用ソフトとして発売。
1998年、プレイステーション用として移植。
シューティング史上に名を残す名作であり、各誌専門雑誌で永年1位に君臨した。
3Dシューティングながら2Dの操作性なのが特徴。
元々はメガドライブの周辺機器メガCD用ソフトとして開発されていたが、諸事情の関係でセガサターン用ソフトとして開発変更した。
今作では世界観が宇宙の果ての銀河連邦から地球に変更された。
また、装備アイテムのひとつであるCRAWを消費することで武装を大幅に強化できるオーバーウエポン、敵を速攻で破壊する事で高得点を得られるハイテンポボーナス、敵や障害物に自機を掠らせるスクラッチボーナスといったスコアに関わる要素も新たに加わった。
移植版であるPERFECT SYSTEMは隠し機体やボスの撃破タイムを競うタイムアタックモード、CGなどが閲覧できるデジタルビューアモードなどが追加されている
サンダーフォースファンからは事実上の完結作と認識されている(後述二作の為)。
ゲーム内容に関してはハイテンポボーナスのための速攻撃破が推奨されるが、敵を追加出現させる早回しがないために敵出現間隔に大きな間が生まれてしまう、前作以上に武器のバランスが悪く万能大火力かつほとんど動かずに敵を撃破できるバランスブレイカー気味なフリーレンジの存在、といった点から爽快感があると見るか大味と見るか評価が分かれるところである。
唯一シリーズでは単独のアーカイブスとしてPS版が配信されており2016年4月に一旦配信終了したが、セガに版権が移った為に他のPSテクノソフトタイトル同様2016年11月22日に配信が再開した。
Ⅳとは多くのスタッフが異なっている。
シリーズで初めて自機がFIRE LEOシリーズではないが、漂着した残骸から得た技術によるレプリカとなるRVR-01ガントレットならびにRVR-02ブリガンダインを操作する。
そして、その残骸を修復した機体は意外な形で登場し主人公と敵対する事となる。
サンダーフォースVI
2008年、PS2用ソフトとして発売。
10年ぶりの完全新作にしてSEGAのSTG復権プロジェクトの第一作として鳴り物入りで発売された。
しかし当プロジェクトがこの一作を限りに続報も途絶え事実上の打ち切りとなっている時点で、ユーザーから評価はお察しである。
この作品を語るにあたって、とりわけ取りざたされるのはシューティングとしての不出来さよりプロデューサーを務めた岡野哲なる人物による、異常とも言えるゲームの私物化に関するもので、判り易い例では同氏による漫画「横綱大社長」からのキャラクターを無理矢理ラスボスにしたり、ゲーム中言語を氏の趣味であるマイナーなアジア系言語にした事などが挙げられる。もっともⅣとⅤの結末を岡野哲による誤解と独自解釈と改変が余計に拍車を掛けているのだが・・・。
これを含めれば四半世紀に及ぶ長寿シリーズだけに、イメージを崩されたユーザーからの反発は大きいものだった。ちなみにスタッフにはサンダーフォース開発関係者であるテクノソフト出身者は一人もいない。しいて言うならば版元のみしか繋がりはない。
他、作曲陣の豪華さを売りとしながら、ライセンスフリーの楽曲集からBGMを丸パクリしていたり、一部機体のデザインをデザイナーに無断で使用していた疑いも出ていたりと、製作現場のきな臭さを強く感じさせる点もよからぬ話題のタネとなっている。
ゲームの詳細はこちらとあちらを、岡野哲の人物像についてはこちらのサイトに詳しい。
舞台は前作の地球を起点とし、救援を得るため銀河連邦本星へ向かう流れとなっている。
ブロークンサンダー
2007年、二次創作の同人ゲームとして発売。非公式作品。
開発プロジェクト名や宣伝で「THUNDER FORCE VI」の名を多用しているが、サンダーフォースの権利者の許諾を受ける事が出来なかったためこのタイトルとなっている。
そもそもはサンダーフォースⅤの作曲担当者が同人レーベルで発売した、サンダーフォースⅥが開発されたら使用したであろうBGMや、サンダーフォースⅤのBGMを収録したサウンドトラックであったが、この作品のプロデューサーである人物にゲーム化を持ちかけられたために開発が始まった。
が、実際開発が始まるとスタッフの間での情報のやり取りもろくに出来ない中での作業となり(そもそもプロデューサー自体がゲーム開発の素人同然だったらしい)、結局未完成な状態のままで発売され、返品・返金騒動を引き起こした上に、ゲーム化の企画を持ちこんだ当の本人が作曲担当に責任をなすりつけて夜逃げした(この件も含めて現在でもなすりつけられた作曲者には深い遺恨とサンダーフォースファンの期待を裏切った事に加担してしまった形による後悔が残っているとされる)などの理由で上述「6」と同じく総スカンをくらっている。
一方、BGMやメカニックデザイン、ストーリーやムービーシーンなど、個別の要素は上述「6」よりもサンダーフォースらしく、それなりの評価を得ている。
なおニコニコ大百科では、上述『6』が侮蔑の意味を込めて『ブロークンサンダー2』と呼ばれている。
関連作品
ⅡならびにⅢのスタッフ(シーエイプロダクション)がテクノソフトを独立した後にハドソンの関連となってPCエンジンでリリースしたSTG。
システムがサンダーフォースシリーズと似ている為、腹違いの姉妹作品と言えなくもない。
セガガガのラストステージであるSTG「R-720」がサンダーフォースシリーズを意識しており、なおかつ作曲担当がBTと同じである。さらに言えばラスボス曲がアレンジが少し異なるが同じ「Justice ray part.3」でもある。(ちなみにセガガガの方が世に出たのは先である)
参加した二名が元テクノソフト所属の作曲者だった為、このSTGで使われた曲が「実はドリームキャストで開発されていたⅥで使われる予定だった」という誤解(ドリームキャストの頃は既にテクノソフトは業務停止のち解散している)が一部で流れた事がある。
もっとも先述の「Ⅵ」での「デザイナーに無断で使用した機体」はこのR-720で使えた機体である。こちらでは使用許可は得ていたが「Ⅵ」で無断流用された疑惑がある。
ちなみにこれに登場するその機体のデモはデザイナー自身がムービーを手がけたとのこと。
後に携帯電話(ガラケー)アプリに移植されたが、山西氏と九十九氏の楽曲は収録されていない。
現況について
テクノソフトの項目も参照。
2016年9月現在、テクノソフトの商標並びに全タイトルの権利をセガゲームスが取得した事が明かされた。
また、サンダーフォースシリーズ等の楽曲がAmazonやiTunesやGoogle Play Music等で配信が開始された。
3D復刻アーカイブス3の売れ行きによってはIV・Vの復刻への実現の可能性が高くなると述べていた。
そして、2018年4月14日にニンテンドーSWITCHでサンダーフォースⅣが復刻される事となった。