概要
セルビア語で「悪魔」という意味、B.S.A.A.によって名付けられた。マルハワ学園で初出したも、正体不明のB.O.W.として処分された。その存在が正式に確認されたのは半年前の東欧紛争地域。C-ウイルスを何らかの方法で体内に直接投与した人間がなる(空気感染した場合はただのゾンビになる)。
「ジュアヴォ」は外見は基本的に人間と変わらない姿をしているが、目が無数にあって複眼となっており、導入される際は仮面などで顔を隠してカムフラージュしている。自我は失われるが知能そのものは完全に保たれ、言語を理解し、複雑な連帯行動や高度な武器も操ることが可能であり、遠目からでは普通の人間との識別が困難である。
そしてこのB.O.W.の最大の特徴は、傷を負っても再生していく点にある。それが頭だろうと、である。また、再生が追い付かないほどの大きな傷を負うと、再生の過程で別の形状に変異することがある。複数個所の損傷だとほぼ全身が変異することもある。
バリエーション
マルハワ学園の女生徒で、確認された中では世界初のジュアヴォ。謎のフードの女から受け取ったC-ウイルスのサンプルを自身に投与して変異したもので、後のタイプに比べると感染者であるビンディの自我が保たれており、身体能力の強化がより著しいなどの相違点がある。マルハワ学園のバイオハザード事件は、当時まだ未確認のウイルスが原因だったことに加え、黒幕の足取りも一切掴めなかったことから、事態を考慮したBSAAの判断によって事件の詳細は公表されていないため、一般にはその存在を知られていない。
- 傭兵ジュアヴォ
イドニア共和国の反政府ゲリラに雇われた傭兵がジュアヴォ化したもの。ゲリラを密かに支援していたネオアンブレラが「栄養剤」と偽って支給したC-ウイルスを誤って投与したことで変異した。顔面の偽装には覆面を使用している。マルハワ学園のパターンとは異なり、多数の人間がジュアヴォ化してその正体が浮き彫りとなったため、この段階で正式に新型B.O.W.として「ジュアヴォ」のコードネームが与えられて認可・公表された。
- 住民ジュアヴォ
中国沿岸部の大都市「蘭祥」内の「偉葉」地区にあるスラム街の男性住民がジュアヴォ化したもの。ネオアンブレラが「新薬の臨床実験」と偽って集めた住民らにC-ウイルスを投与して変異させた。偽装には京劇の仮面を用いており、ジュアヴォの中で戦う機会が最も多い。
- 警備員ジュアヴォ
大都市「蘭祥」に位置するネオアンブレラの研究所を警備しているジュアヴォ。住民ジュアヴォ同様ベースは中国人だが、スーツ姿に京劇の面というアンバランスな出で立ちが目を引く。
- 精鋭ジュアヴォ
ネオアンブレラの戦闘員として強化されたジュアヴォ。バトルスーツにガスマスク、ヘルメットという如何にも特殊部隊の兵士然とした物々しい外見をしている。宿主である人間の肉体そのものにも調整が加えられており、能力・戦闘技量共に一般のジュアヴォを凌駕している。クリス&ピアーズをして「今までの雑魚とは違う」「ネオアンブレラの精鋭」と言わしめた。
異常再生による変異
肉体の特定部位の損傷が上述した再生能力で処理しきれないものだった場合に引き起こされる変異。変異のバリエーションは腕・脚・胴体・頭部など多岐に渡り、そのほどんとが虫のような外見に変化するという特徴がある。異なる部位で複数の変異を引き起こすこともあり、組み合わせ次第では一気に厄介な強敵と化すこともあるため、油断できない。
バリエーション
- ルウカ・スルプ
腕がカマキリの腕のように変異している。伸ばした腕で相手を殴り付けたり、振り回して周囲を薙ぎ払ったりする他、変異した腕自体が通常の射撃攻撃を無効化するほどの強度を有しており、盾代わりにもなる。両腕共に変異することもある。
- ルウカ・カヴァタネ
腕がムカデの尾のようになった伸縮自在にしなる触手に変異しており、先端部には鋏状の器官がある。腕を伸ばして相手を捉え、目の前まで引き寄せて叩き付けたりしてくる。ただし、変異した腕の先端部が新たな弱点となってしまっている。
- ルウカ・ペデム
腕が盾状の器官に変異しているが、その実態は多数の関節を持つ長い虫の脚を折り畳んだもの。スルプの腕同様通常の射撃を無効化する強度を有しており、ジュアヴォ本体の足以外を覆い隠してしまうほどの広さがある。盾を構えて遮蔽物代わりにしながら銃撃したり、銃を持たない時や目の前の敵に対しては突進や叩き付けなども行ってくる。
- ノガ・トゥルチャニエ
脚がクモのような多脚に変異している。移動速度や跳躍力に優れ、戦場によっては壁や天井に張り付いて行動することもある。また、体高が低いために主人公らではしゃがみ状態でなければ入れない場所にもそのまま進行可能。銃撃の他、近距離では跳躍からの圧し掛かり攻撃を行う。
- ノガ・レトゥ
下半身が蛾のように変異しており、上半身が逆さ吊りになった状態で飛行する。飛行速度は遅めだが揺れるような独特の軌道で飛ぶため、遠距離からでは狙いが定めにくい。高空からの銃撃の他、近距離では突進攻撃を仕掛けてくることもある。
- ノガ・スカカネ
脚がバッタのような巨大な脚部に変異している。トゥルチャニエを遥かに凌ぐ跳躍力を備えており、遠く離れた段差や高所にも一跳びで到達し、かなりの広範囲を動き回る。その分通常の移動速度は遅めで、距離を取っての銃撃が主な攻撃方法。ただし、近距離でも強靭な脚力を活かした高威力のキックを繰り出してくる。
- ノガ・オクロプ
下半身が鎧のような硬質な器官に覆われており、その部分に通常の射撃攻撃は通用しない。脚力にも優れ、近距離では飛び蹴りを見舞ってくる。他の行動は通常のジュアヴォと変わらない。
- テロ・マグラ
胸から蛾のような翅が生え、一定時間周囲に毒霧を散布し続ける。毒霧に煽られると咳込んで攻撃不能になる上、一定時間咳込む状態が続くとそのまま大ダメージを受けてしまう。その場から動かないので近付かなければ脅威はないが、混戦の中で出現されると非常に厄介。他の変異体とは異なり、攻撃を負えると通常のジュアヴォに戻ってしまう。
- テロ・クルルジュスト
ノガ・オクロプの胴体版。胴体が鎧のような硬質な器官に覆われ、やはり通常の射撃が通用しなくなる。それ以外の行動は通常のジュアヴォと変わらない。ノガ・オクロブの変異と組み合わさると、腕と頭部以外銃撃が一切通用しないという何とも厄介なジュアヴォが出来上がってしまう。
- テロ・エクスプロジヤ
上半身が丸まった芋虫のような状態に変異する。通常の攻撃手段は一切持たないが、主人公に近付くか体力がゼロになるとその場で強力な自爆攻撃を行う危険な存在。
- グラヴァ・スメッチ
肩から頭部に掛けてがクワガタのような巨大な大アゴに変異する。主人公に接近するとお辞儀をするような姿勢で大アゴを前方に向けて開き、そのまま突進して捕えようとしてくる。この挟み込み攻撃は高威力だが、発動が遅く突進距離も短いため、単体では大した脅威はない。ただし、耐久力に優れ怯み耐性が高いため、混戦や壁際に追い詰められた状態では一転して油断のできない相手となる。弱点は大アゴ内部のコアで、攻撃動作中が最も狙いやすくなる。
- グラヴァ・スルウズ
肩から頭部に掛けてが虫か獣かよく分からないグロテスクなモノに変異する。口から前方扇状の範囲に粘着性の糸を吹き掛け、主人公の動きを絡め取ろうとする。糸に巻かれるとQTEで解くまでその場から動けなくなるが、攻撃は可能。この変異体の戦闘力そのものは低く、後はせいぜい目の前に居る相手に溶解液を吹き掛けることがある程度。弱点は後頭部のコア。
- グラヴァ・ドゥイム
頭部が二匹の蜂が混ざり合ったかのような状態に変異する。移動はほとんどせず、周囲に煙幕をひたすら散布し続ける。煙幕に煽られている間は咳込んで攻撃不能になってしまう。
- グラヴァ・ベグウナツ
頭部が三匹の蠅の頭が混ざり合ったかのような状態に変異する。この三つの蠅頭はそれぞれが独立した脳を有しているらしく、それらが各々の判断で行動しようとするため、肉体の行動に異常が生じてある種の暴走状態に陥っている。手に持った武器が銃だろうが刃物だろうがお構いなく、主人公に接近してひたすらその武器で殴り続けるだけという行動を繰り返す。
サナギ化による変異
上述した方法でも回復不可能なほどのダメージを負うと、ウイルスの再生能力がオーバーヒートを起こして発火してしまう。しかし、変異が進むと発火かけても「サナギ」となってジュアヴォは消滅せずに残り、元の体はドロドロに溶けて別の生物として再構成され、新たなる脅威を生むB.O.W.へと変異する。後に強化型Cウイルスが開発され、使用された人物はどれも凶悪な変異を引き起こした。