曖昧さ回避
この項目では2について解説する。
人物
種族:トールマン(人間)
パーティーリーダーであるライオスの妹で、パーティのメンバーでもある。
職業は魔術師で、特に治癒術や除霊術に優れる。
魔法学校時代は、故郷の田舎とは異なる生活になかなか馴染めず、友人もなく、授業をさぼりがちな劣等生と見做されていた。
しかし精霊の繁殖実験において、ほぼ状態を維持していたマルシルが「上出来」とほめられたのに対し、ファリンは大繁殖させてしまい、マルシルにショックを与える。
実はファリンの成功の原因は「精霊がいっぱいいる場所」を見つけて参考にしたことにあり、それはバッタを見つけるとはしゃいでとっ捕まえ、キイチゴを見つけると大喜びで即食べる、旺盛な好奇心の産物であった。
やはり兄妹なだけあって、魔物マニアに通じる性癖があるようである。
しかし物事の一面のみにとらわれず、生態系の循環を俯瞰的に見ることができるファリンの視線は、ダンジョンの魔力を利用することだけしか考えず、魔物とみれば他への被害を考えずに焼き払おうとしたマルシルに、ダンジョニウムの何たるかを悟らせた。
兄同様に朴訥な性格で、更に輪をかけて優しく、死霊に対してさえ直接攻撃を良しとせず、慈愛を以て接する理念を持っている。チルチャック曰く「霊の扱いがうまかった」。
幼いころから兄のライオスと野を駆け遊んでいたため、魔物やダンジョンへの抵抗感が薄く、魔物を一方的に排除する事を良しとしていない。
自然の法則や精霊の性質、扱い方を、理屈ではなく肌で感じ取っている。
生命全般に対して親しみを持っており、シュローが彼女に恋したのも、普通の女性なら毛嫌いするだろうイモムシを、うっとりと愛でている彼女の横顔を見たことがきっかけだった。
作中での活躍(ネタバレ注意)
物語冒頭、パーティとレッドドラゴンとの戦いにおいて、全滅の危機に陥った皆を生還させるために自ら囮となる。地上への帰還魔法には成功するものの、自らはレッドドラゴンに喰われてしまった。
しかし、レッドドラゴンは長い休眠期の間は食べたものの消化が進まないといわれており、かつこのダンジョンは一種の呪いの支配下にあり、魂が体から離れにくくなっているため、遺体があれば蘇生可能という希望があった。完全に消化される前に彼女の遺体をドラゴンから取り出し、蘇生術をほどすためにライオス一行はダンジョンへと戻っていく。
優れたプリースト系の魔法技能を持つ彼女がいなくなったため、必然的にマルシルの負担が増し、特に死霊に襲われたときには危うくパーティが全滅しかけている。
その才能は天性のもので、幼少時にすでにその片鱗を見せ、ライオスを窮地から救っている。
魔法学校での同窓生でもあり、親友であるマルシルをして「本当にすごかった」と言わしめる技量の持ち主。ただし天才肌にはありがちな感覚派で、魔法の組み立て方を理論立てて説明するのが苦手。兄のライオスは彼女から回復魔法を習おうとしたことがあったが、その教え方は
「そしたらなんか良い感じのトコで ダッとやってドーン!!」
というものだったので、よくわからなかったとぼやかれている。
ライオスたちが苦労の末にレッドドラゴンを倒した時には、すでに彼女は骨だけとなっていたものの、ドラゴンの血肉を使い辛うじて蘇生に成功、感動の再会を果たした。その直後、センシが誤って爆発事故を引き起こしかけたのを見て、詠唱もなしに強力な防御魔法を発動するなど、異常な魔力の高まりに自身でも驚く。
ドラゴンの肉を使った料理には大喜びで舌鼓を打ち、その他の魔物食の話にも目を輝かせて聞き入っていた。ケン助の正体を見せられた時も、その第一声は「かわいい」であり、「有肺類……!?」と興味津々の反応を見せた。エクソシストとしての霊感も健在で、廃屋にいた少女の霊にあいさつし、宿泊の許可をもらっている。
しかし、蘇生に使われたレッドドラゴンには狂乱の魔術師による支配の術が施されており、その影響から彼女自身が魔術師の支配下に置かれ、精神をレッドドラゴンのものに上書きされたうえ、魔物の姿にされてしまった。