「新桃太郎伝説」に登場する鬼族の支配者。かつて、盟友であるえんま王と共にバラバラに争い合っていた鬼の世界を統一した。
わざわざ自分の一族以外のものとの間に子を作ったのは、地獄界、人間界、月世界の三界を我が物にするという野望の象徴とするためであった。ゆえに純血の鬼である第一王子のダイダを偏愛し、月の民との混血であるアジャセの事は疎んじていた。
(もっとも見下している人間の血を引く夜叉姫については、ダイダ王子が彼女に対し「甘やかされて育った」と言っていたことから、それなりに愛情を注いでいたようである)
腹心の部下で、ダイダ王子の教育係でもあるカルラの進言によりえんまを幽閉し、月と人間世界への進攻を決断。カルラにその指揮を一任した。
しかし、同族意識の強さゆえに疑うことを知らず自ら玉座から動こうともしなかったため、カルラにいいように利用されていることに全くと言っていいほど気づいておらず、カルラの手でたくさんの部下を利用された末に殺された挙句、最愛の息子すら奪われたにも拘らずカルラの讒言を頭から信じ込み、「ダイダ王子は桃太郎に殺された」という嘘すらも鵜呑みにして桃太郎に憎悪を募らせていく。
攻め込んで来た桃太郎に対しと憎悪をむき出しにし、えんま王や夜叉姫達の説得にも耳を傾けず問答無用で戦いを挑むもののパーティメンバーからは一族の王らしかぬその態度を批難される。
金太郎「おめえがしっかりしていれば誰も死なずにすんだんじゃねっか?」
浦島「あなたはずっとそこに座っていたから見えないのです」
銀次「息子が死んだのを人のせいにするんじゃねえ!」
しかし、戦いの末にようやく桃太郎達の真心と慈しみの心を理解し、カルラが今まで自分を騙してきたことに気が付く。
本性がばれて居直ったカルラにダイダ王子同様殺されそうになったが、疎んじていたはずのアジャセ王子に庇われ命を救われる。
皮肉な事に、この時こそ父と子が分かり合えた瞬間だった。
エンディングでは、鬼道でアジャセ王子の命を救い、石化したカルラが落下した岬を
友情の岬と名付け、人と鬼が手を取り合って新しい国づくりに励むことを約束した。