『オレ様こそ本当に夢を追いかけている男なのだ!』
身長:133cm
体重:31kg
概要
伐折羅王の腹心として登場する、鳥の姿をした鬼。口癖は「ケーケッケッ!」。虎の威を借る狐であり、ダイダ王子の教育係兼お目付け役でもある。残虐非道で強欲かつ狡猾な性格、それに見合った情け容赦ない悪行の数々から、シリーズはおろかRPG史上最凶最悪のラスボスと評されている。
えんま様の同僚だが、清廉潔白な彼とは違い人間はおろか自分以外の全ての生き物を自分が成り上がるための道具あるいはゴミとしか思っておらず、他の鬼の手柄を横取りして今の地位を築いた。全編に渡って幾度も桃太郎たちの前に現れ、卑怯な手段を用いて苦しめてくる。物語中盤、自らの魂から右魂鬼・左魂鬼と言う分身を生み出した。しかし、伐折羅王が桃太郎との戦いを通してカルラに騙されていたことに気が付いた為、ついに伐折羅王の前で本性を現した。
鬼達をけしかけて伐折羅王を殺そうとするが、伐折羅王の信頼を失ったカルラに従う鬼はおらず、あまつさえ自らの魂から作り出した分身の右魂鬼と左魂鬼にまで見捨てられてしまった。進退窮まったカルラは伐折羅王が「切腹を許す」と温情を示した隙をついて刺殺を目論むが、アジャセ王子が身を挺して父である伐折羅王を守った為失敗。しかし、月の民の血を引くアジャセの血を飲み今までとは比較にならないほど強大な力を持った怪物と化してしまった。
手始めに逆らった分身の右魂鬼と左魂鬼を踏みつぶして殺し、月の民の血を飲み干してさらなる力を得るべく月に向かう。鳳凰に乗って後を追ってきた桃太郎達と最後の決戦に突入した。戦闘では強力な4連続攻撃で桃太郎たちを苦しめてくるが、月の血と自らの肉体との相性が悪かったのか、はたまた今まで殺してきた者たちの怨念によるものか、ダメージを追うごとに体が石化していき、ダイダ王子を始め今まで殺してきた人間や鬼達の亡霊に怯え狂乱の様相を呈するようになる(これと関連するかは不明だが、殆どが石化すると攻撃をあまりしなくなり、回復したり守りを固めたり桃太郎達の攻撃を下げる術を使う事が多くなる)。
桃太郎一行に敗れた後は、己の敗北が受け入れられないまま断末魔の叫び声を上げ、完全に石化して墜落し、その野望は完全に潰え去った。富と権力を独り占めにする為に、数えきれないほど多くの人間と鬼を殺した挙句、今まで築いてきた功績の全てを失い、自分の分身にまで見捨てられ、新たに得た力も使いこなせず、今まで殺してきた者達の亡霊に怯え、野望半ばで独り虚しく滅んで行くという、卑怯千万な悪鬼は文字通り因果応報の末路を辿るのであった。あらゆる鬼を懲らしめて改心させてきた桃太郎でさえも、その比類なき悪意を改心させることは叶わなかった。
主な悪行
- えんま様をはじめ多くの同僚や部下たちを陥れる
- 伐折羅王を傀儡にしてダイダ王子を利用し、月の侵攻等を企てる
- 花咲かの村の桜の木を焼き払う
- 花咲かの村で桃太郎と戦い敗北した部下であるばっかんきの殺害
- 足柄山で桃太郎と戦い敗北した部下である竜燈鬼の殺害
- 桃太郎一行を老人化
- 夜叉姫と仲間たちを磔にして火あぶりにして殺しかけた
- 新しい村に猛毒の雷雨を降らせて住民を皆殺しにし、村の周囲を毒沼化
- 人魚の大量虐殺
- 桃太郎に敗れ改心したダイダ王子を不意打ちで殺害
- かぐや姫に致命傷を負わせ、月を巻き込む世界規模の天地崩壊を引き起こした
- 自身はあくまで被害者を装い、上記のあらゆる悪行を全て桃太郎になすりつける
善行(?)
- オープニングで表向きはえんま様を擁護(ただし、間接的に奈落へ落とすよう仕向けた)
- 氷の塔のイベントで、なぜか一万両を桃太郎一行に渡した(桃太郎の買収が目的と思われる)
名台詞
- 新しい村での台詞
ケーッケッケッ!
まだわからぬのか!人間の力など鬼に遠く及ばないことを!
人間はすぐなまける!
人間はすぐ思い上がる!
人間はすぐ気持ちが変わる!
贅沢がしたいんだろ!
女がほしいんだろ!
人の上に立ちたいんだろ!
それがおまえ達の本当の夢なんだろ!なぜ夢に向かって走らない!
わかっただろ!オレ様こそ本当に夢を追いかけている男なのだ!
ケーッケッケッ!
- ラストバトルでの台詞
ケーケッケッ!
桃太郎!
月の血はオレ様に大いなる力を与えてくれたぞ!
こんなことなら 始めからかぐや姫の生き血でも飲んでいればよかった!
見よ!こんなに美しい体を!
見よ!こんなに強い力を!
見よ!こんなに賢い知力を!
オレ様はすべてを手に入れたのだっ!
これから月に行き月の血を浴びるほど飲むのだ!
どうだ!桃太郎!お前もオレ様と一緒に月へ行かぬか?
ケーケッケッ!
誰が月の血をお前に分けてやるものか!
この空も!あの海も!あの大地も!森も!林も!家も!蔵も!金も!
あらゆる富は集まるべくしてオレ様のもとに集まったのだーーーーーッ!
- 断末魔
うそだ!うそだ!このオレ様が!
人間ごときに負けるわけがない!うそだ!うそだ!うそだ!
グギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャ!!
体が石になる!
オレ様の…野望は…終わ…る…の…か?
没設定
実は開発段階では、その後石となったカルラにひびが入り、「悪の不滅」を仄めかすエンディングにしようとしたが、没になったようである。
過去
作中ではカルラの身の上話を聞くことが出来る。鬼の世界で最も尊ばれる戦いが苦手で力も無く、常に誰かを立ててのしあがるしかなかったという。製作者が「悪いけど哀れな奴」と評したように、振る舞いこそ悪辣非道なものの、封建社会と徹底した実力主義を重んじるシビアな鬼社会の中で、そのような堕した在り方に溺れざるを得なかったという、やむに止まれぬ事情も端々に窺わせていた(もっとも半端な同情を吹き飛ばすほど振る舞いの非道さの方が際立っていたが)。
総評
カルラが一連の騒動における最大の元凶であることには疑いの余地はない。だが、上述のように戦う力ある強者が尊ばれて嘘を吐かず疑うことをよしとしない鬼社会の歪な慣わし、カルラに言われるがまま悪行に加担する鬼たち、そして鬼族の行く末ばかりを憂うあまりにカルラの讒言を鵜吞みにして、アジャセ王子や忠臣達の諫言を悉く退けてしまった伐折羅王の統治者としての致命的な落ち度という諸々の社会構造の欠陥が、カルラを巨悪の権化へと変貌させてしまったのかもしれない(特に伐折羅王の頑迷さはプレイヤーだけでなく作中の敵味方双方からも指摘されており、例えばカルラからは「抜け殻」「操り人形」「そこまで頭がよくなかったか」と貶められ、金太郎からは「おめえがしっかりしてりゃ誰も死なずにすんだんじゃねっか?」と突っ込まれている)。
いずれにせよ、許されざる外道ではあれど、物語においては絶対に欠かせないもう一人の主人公であり、新桃太郎伝説が傑作と名高いのも彼の存在があってこそと言えるだろう。
余談
カルラは昔、鬼の世を広めることを皆に示すべきだと言って、さらってきた月の姫と人間の娘を伐折羅王に差し出した。そして鬼の子を産んだ彼女たちは亡くなった。
また小説版では、桃太郎が月まで乗ってきた牛車を餓鬼に食わせている。そして本当に伐折羅王を殺してしまった。あげく、王の命令だと偽って、鬼たちに無駄な戦いをさせたあげく、たくさんの死者を出している。
関連タグ
ケフカ・パラッツォ:悪行の数々や独特の笑い方、元々は腹心ポジションだったのがラスボスとなった等の面で共通している。また、この設定はカルラを基にしたのではないかという噂もあり、更に言うと両者の登場作品の発売日が結構近いのでこの噂を裏付けている。