宮崎駿監督の映画天空の城ラピュタにおけるキーアイテムである。
概要
元々飛行石は劇中の地中の石などに大量に含まれている物質であるが、掘り起こされて空気に触れることで反応を起こし、ただの石となってしまう。しかし、ラピュタ人のみが知っている製法を用いることで空気に触れても反応を起こさない飛行石の結晶を作り出すことができたとされる(結晶化したものは透明な深い青色)。
結晶化された飛行石は特殊な力を秘めており、それを手にしたラピュタ人はラピュタ王国を作り、全世界を支配したとされる。
本作のヒロインシータはその王族の末裔であり、正統王位継承者である。王国が滅んだ後、彼女の先祖は地上に降り立ち、ペンダントとしてしつらえた飛行石の結晶を一族の末裔の証とした。普段はシータの家にある暖炉の穴に隠し、先祖代々守ってきた。
先述の通りこの石には様々な力が有り、シータが飛行船から落下した際には落下速度を著しく低下させ、その命を救った。ラピュタ人の血縁者が所持している時にしか効力を発揮しない様子。
また、特殊な呪文を唱えることで様々な力を発揮する。
主な呪文
- リテ・ラトバリタ・ウルス・ アリアロス・バル・ネトリール
意味:「我を助けよ、光よ蘇れ」
ラピュタの封印を解く言葉。飛行石自体も活性化し、ラピュタ城を指し示す「聖なる光」を発して、地上に降りた王家の者を再び城へと導く。
幼少期にシータはこの呪文を「困ったときのおまじない」として祖母から教わっていた。
意味:「閉じよ」
滅びの言葉。ラピュタ城中枢に浮かぶ巨大飛行石により、下部の半球体にある石版のメインコンピュータ回路を破壊させ、城全体を崩壊に導く。
上記の「困ったときのおまじない」と違い、「幸福になるには悪い意味の言葉も覚えていなければいけない」という戒めとして祖母から伝えられていた(それを教わったシータはその晩ずっと眠れなかったらしい)。発動の際には凄まじい衝撃と青白い閃光が発生し、手に持っていたシータとパズーはその衝撃で弾き飛ばされ、光を直視してしまったムスカに至っては失明同然の状態に陥っている。また、発動した衝撃で飛行石は砕け散ったようだ。
- レヂアチオ・ルント・リッナ
意味:「ものみな鎮まれ」
劇中では登場していない呪文。準備稿の中にのみ登場したらしい。劇中でシータが「物探しや病気を治す呪文を教わった」と語っているためこちらは病気を治す呪文かもしれない。
- シス・テアル・ロト・リーフェリン
意味:「失せしもの汝、姿を現わせ」
こちらも準備稿の中にのみ登場したらしい。ラピュタを包む嵐を鎮め、雲を晴らす言葉らしいのでこちらは物探しの呪文かもしれない。