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解説編集

CV:横沢啓子(現:よこざわけい子


本作のヒロインであり、もう一人の主人公。設定年齢は12〜13歳。

パズーと同じく孤児で家族は既におらず、北方にあるゴンドアの谷で、家族の残した畑やヤクを飼って、一人暮らしをしていた。

三つ編みにしたおさげが特徴的な一見普通の村娘だが、その出生に大きな秘密がある。


実は嘗て天空に浮かぶラピュタ王国を支配していた王族の末裔で、本名は「リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」。

彼女の家系で代々受け継がれてきた名前である。

ラピュタ語でウルは“王”、トエルは“真の”を意味し、つまり彼女が正統な王位継承者である事を示している。


人物編集

性格は清楚な外見通りにおしとやかで、人が傷つくことを嫌う心優しい少女。他人からも「かわいい子」と評されており、特にドーラ一家の若い男性乗組員達からはかなりモテモテだった。パズーも初対面で「ひょっとして天使じゃないか」と思っていたことを打ち明けている。

ラピュタを見つけることを夢見るパズーとは対照的に、当初はラピュタを目指すことに消極的だったが、一連の冒険を経てラピュタの真実を知りたいと思うようになる。

一方、宮崎ヒロインらしくただ助けを待つだけのヒロインではなく、自分の目の前の状況を自力でなんとかしようという行動力とタフさも持ち合わせており、思い切った大胆な行動に出て周囲を驚かせることもある。

そのため、海賊の元締めたるドーラをして「あたしの若い頃にそっくりだよ」と言わしめている(それに対してルイは「え、ママみたいになるの?」とツッコんでいる。一応若い頃のドーラは外見もシータに似た美人だった)。


また、山育ちゆえに視力が良く頭の回転も速い。適応力も非常に高く、初めての事態や新しい環境に直面しても大抵のことにはすぐ慣れてみせた。

特にドーラ一家の飛行船に乗り込んだ際には、

  • 日の出の位置、季節、風景から正確な方角を割り出し記憶する
  • 腐海と化していたタイガーモス号厨房をその日のうちに復旧させ、得意料理のシチューを作る
  • 見張りグライダーの構造を即座に理解しドーラの説明に食い気味にリアクションする

などなどその高いスキルを如何なく発揮した。



劇中での活躍編集

飛行石を所持していることから、ラピュタ到達を目論む軍の特務機関に捕らえられ、飛行船に乗せられるが、ドーラ一家に襲撃され、その混乱に乗じてムスカがモールス信号を送っている隙に背後からムスカの頭を瓶で殴り、飛行石を首にかざし飛行船から脱走しようとして落下する。落下している最中に飛行石が発動し、緩やかに下降して行った。

その後、鉱山で働く機械工見習いの少年・パズーに偶然助けられ、パズーの家に入れてもらう。

翌朝、目が覚めてお互い自己紹介し、パズーとすぐに打ち解け、パズーのラピュタへの夢や憧れを知る。

突如、飛行石を巡ってドーラ一家が現れ、パズーと共に家を出て逃走する。列車に乗って逃げる最中に軍隊まで現れ、装甲列車の砲撃によってパズーと共に高架線路から落下し、再び飛行石が発動してゆっくり地下に降りて行った。

地下の洞窟でパズーが事前に作ったパンを食べて一休みした後、出口を探している最中にポムじいさんに出会い、そこで飛行石の秘密を知ることになる。

ポムじいさんと別れて洞窟を出た後、パズーに自らの本名と自身がラピュタ人の末裔であることを明かす。

突如、ムスカ率いる軍隊が現れ、必死に抵抗するも再度捕らえられ、ティディス要塞に連行されてしまう。

翌日、ムスカに要塞の地下室にある壊れたロボット兵を見せられ、ラピュタが平和にとっていかに危険な存在であるかの説明を受け、ラピュタに対して恐れを抱くようになる(また、ここで自身の出生、および真名の秘密を知ることとなる)。その後、パズーをこれ以上ラピュタの件で巻き添えにしたくないと思う一心で(ムスカに唆される形で不本意ながら)パズーに別れを告げる。

その夜、パズーと強制的に別れさせられたショックでなかなか眠れないシータがかつて祖母に教えられた呪文を呟いたことで飛行石が覚醒し、壊れたはずのロボット兵が起動して周囲にビームを放ったことで要塞が大炎上する。シータも当初はロボット兵の行動の意図をいまいち理解しておらず、恐怖のあまりロボット兵から逃げようとしたが、次第に自分を守るための行動だと悟る。その後、要塞の大砲からの砲撃でロボット兵が被弾した弾みで飛行石を落としてしまい、その飛行石はムスカの手に渡ってしまった。最終的にそのロボット兵はゴリアテの砲撃によって大破したが、シータはドーラ一家と一時的に手を組んだパズーによってなんとか救出される(救出されてしばらくの間、自身を守ってくれたロボット兵が無惨にも破壊されたショックで涙を流していた)。

その後はパズーと共にドーラ一家に合流してタイガーモス号に乗船し、先にラピュタへ向かったゴリアテを追う形でラピュタへ向かう。夜間にパズーと2人で見張りしている最中にゴリアテの襲撃を受け、ドーラ一家と離れ離れになってしまうも、なんとかラピュタに到達する。

そこで園丁のロボットと出会い、人間がラピュタを離れた後もずっと守られ続けていたことに感涙する。

しかし、同じくラピュタに到着したムスカに見つかってしまい、パズーを助けようとして再びムスカに捕まってしまう。ラピュタの中枢部に連行された際、ムスカの正体を知らされる。同時にモウロ将軍率いる軍隊を裏切り、平然と海に突き落とすムスカの本性とラピュタの雷や大量のロボット兵で周囲を脅かすラピュタの真の恐ろしさを目の当たりにする。ゴリアテでラピュタに反撃する軍隊が散り散りになっていく様子を面白がっているムスカの一瞬の隙をついて飛行石を奪って逃走し、どうにかパズーに託し海に捨てるよう懇願する。しかし、玉座の間で追いつかれてしまい、ムスカに銃を向けられるが、それでも怯まず「ここはお墓よ、あなたと私の。」「国が滅びたのに、王だけ生きてるなんて滑稽だわ。」と言い放ち、ラピュタが滅びた原因を悟り、ゴンドアの谷の唄を謳い「私達は土から離れては生きられないのよ」と告げる(この際、三つ編みが銃で撃ち落とされショートヘアになってしまった)。ムスカに「ラピュタは滅びぬ、何度でも蘇るさ!」と反論され、耳を撃ち抜かれそうになるが、後を追ってきたパズーと辛くも合流。ムスカが3分の猶予を与えている間にパズーと言葉を交わし、ドーラ一家の無事を知ると安堵し、涙を流した。そして滅びの呪文をパズーに教え、飛行石を用いて共に呪文を唱えた。滅びの呪文の力により、ラピュタは崩壊し、その勢いで吹っ飛ばされる。結果的にムスカの野望は完全に潰え、ムスカは崩壊するラピュタと運命を共にするが、パズーとシータは奇跡的に無事だった。

先にラピュタを脱出したドーラ一家と合流し、ドーラに「かわいそうに、髪の毛を切られるのが一番辛いさ」と同情された(ただし、当の本人はそこまで気にしている様子はなかった)。そして、譲ってもらったグライダーに乗り、ドーラ一家に別れを告げ、パズーと共にどこかへ去って行った。

小説版の後日談では元通りの日常を過ごしており、パズーとの交流も続いている(短くなった髪も再び結べるぐらいの長さに伸びている)。






余談編集

名前編集

監督の宮崎駿氏が学生時代に書いた人形劇のヒロイン・「シータ」が由来。ギリシャ文字の「θ」(シータ)からきている。


また、作品でも言及されていた「ラーマーヤナ」でも、「シーター」というキャラクターが登場し、シーターもシータのモデルとされる。


シータとパズーの劇的な出会いはボーイミーツガールの典型例ともされるが、飛行船の移動速度を考えれば、シータの落下が前後に数秒ずれていただけでもパズーと出会えなかったことになり、またパズーの父がラピュタの近代初の目撃者であった点も含め、この二人の邂逅はまさに運命的なものだったといえる。


服装の変遷編集

劇中では物語の進行に伴い服装が何度も変わっている。恐らくこれはシータの心の成長を暗示しているものと思われる。

①物語開始時点では青のワンピース。劇中での描写を見るにこの服装が普段着と思われる。

②パズーと共にドーラ率いる海賊の追跡から逃げるためにパズーの服を借りて男装する(逃げる最中に転んで帽子が取れてしまい、すぐバレてしまったが)。

③国軍に捕まって要塞に連行された際、寝巻と思しき白いワンピースに着替える(ムスカは他にも流行りの服を勧めていたがどうやらお気に召さなかった模様。このことから派手な服装はあまり好みではないことが窺える)。

④パズーに救出されてドーラ一家と合流し、タイガーモス号に乗ってラピュタに向かう際、ドーラに「そのナリじゃ何もできやしない、これを着な!」と言われ、黄色いブラウスと赤いブルマを渡される。ブルマはブカブカで明らかにサイズオーバーだったが足首まで裾を伸ばして着ることで何とかなった。以降最後までこの服装。



関連イラスト編集

シータもしも空を飛べたら


関連タグ編集

天空の城ラピュタ パズー ドーラ一家 ムスカ

リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ 本名が長いキャラ 王位継承者 バルス

飛行石 ロボット兵

三つ編み おさげ ヘアバンド ジブリヒロイン

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