「ムスカ!わしがラピュタ探索の指揮官だぞ!忘れるな!!」
CV:永井一郎
解説
ラピュタ探索の指揮をとる軍人。僻地のティディス要塞に配属されたことに強い不満を持っており、ラピュタ探索を成功させて中央への復帰を狙っている。
小説によると階級は中将で、ティディス要塞を拠点に南部地方の行政管轄の権限を持っている。
人物
短気な性格で、作中では暗号をドーラに解読されたり、要塞で保管していたロボット兵によって要塞が被害を受けた際には通信回路をムスカ達に細工され主導権を奪われたり、おまけにラピュタ到着時にはゴリアテの無線機を破壊され本国との連絡手段を絶たれたりと情報戦には疎いのか終始手玉に取られていた。
ただ、作戦行動時は自ら先頭に立って突き進むタイプで、部下からは「(将軍)閣下に続け!」と言われるなど、彼への信頼はそれなりに厚い。
諜報機関に属し、政府の密命を盾に作戦に介入するムスカを「特務の青二才」と呼び、快く思っていない。シータに対しては小娘呼ばわりしており、特に重要視はしていなかった。モウロがドーラに暗号を解読されていたために先手を打たれた事を幕僚達の前でムスカが公言した事を根にもっていたようで、宿願のラピュタ上陸を果たし、ドーラ一家を捕らえた時はムスカに嫌味を言っていた。
本編での動向
自ら打った暗号をドーラに解読され妨害を受けたり、再起動したロボット兵によってティディス要塞が損壊するなどの被害を受けたが、ムスカの情報によってラピュタを発見し上陸に成功。
だが、本性を現わしたムスカにゴリアテの無線機を全て破壊され連絡手段を絶たれた事で裏切りが発覚し、スパイ狩りと称してムスカを捜索するが、そのムスカによってラピュタ下部に誘導されて、そこでムスカによるラピュタの雷の破壊力を見せ付けられ愕然とする。
そしてムスカに対して「君は英雄だ!大変な功績だ!」と讃えつつ、その力と功績を横取りせんとしたのか、あるいはムスカがラピュタを手に入れたことに大変な危機感を覚えたのか、
即座に彼の射殺を試みるが、立体映像だった為何の効果もない有り様で、その滑稽な様子にムスカから「君のアホ面には心底うんざりさせられる」と完全に見限られ、下部の部屋の仕掛けで周囲にいた部下達とともに海に放り出されて死亡する。
生き延びた部下達は、ムスカによって起動した無数のロボット兵の襲撃でゴリアテ諸共全滅した。
ドーラ一家やムスカ等と対比してか無能寄りの描写をされがちだったが、自らが現場に立った際の咄嗟の判断力(射殺未遂の件に関しても、判断そのものは悪くなかった)や、シータがパズーたちに奪還された際などの緊急事態においての優れた指揮力など、将軍としては決して無能ではなく有能だと覘え、上記の失態に関してもただただ相手が悪すぎただけとも言える。
強いて明確なミスを挙げるとすれば、「ムスカという人物を、あの世界の常識の範囲内で考えてしまったこと(将軍はムスカを他所のスパイと踏んでいたが、実際はスパイどころか世界の支配者になろうとしていた)」と「不本意とはいえ、そのムスカに探索の要となる針路や通信関係を預けてしまったこと」くらいだが、これ等に関しては、たとえ将軍でなくとも気づくのはほぼ不可能だったであろう。
余談
作中では「将軍」あるいは「閣下」と呼ばれ、EDでも将軍としかクレジットされておらず、モウロの名は設定資料上あるいはTV字幕でしか出てこない。
声を担当した永井一郎氏は「欲ボケのある頭の悪い将軍なんです(笑)。軍人というのは少し頭の悪い方が出世するんですよ」と意味深く評した。
放映当時はサザエさんで磯野さん家のお父さんを演じていたためニコ動では、ネタにされることもある。なお、永井氏はラピュタの前に公開された『風の谷のナウシカ』のミト爺役としても出演していた(こちらはモウロ将軍とは異なり終始味方側のキャラクターで、要所要所でナウシカらをサポートした好人物)。