概要
「天空の城ラピュタ」に登場する空中海賊。飛行船「タイガーモス号」を拠点に活動している。
当初は秘宝『飛行石』を狙ってパズー、シータを追い回すが、のちに両者を船に引き入れ共闘する事になった。
海賊としてそれなりに名の知れた存在であるが、反面『金持ちしか襲わない』『人殺しはしない』などの仁義あるモットーも掲げており、実際、劇中で使用する武装は威嚇や目潰し用の催涙弾や手榴弾に限定されている。
元々は先代船長であるドーラの父が立ち上げた一団で、現在使われているフラップター(飛行バイク)などのメカは、発明家であった亡きドーラの夫が遺した物らしい。
また、タイガーモス号以外にも世界各地の様々な場所に隠れ家を所有しており、そうした潤沢なネットワークや、頭のドーラの抜きん出たカリスマ性と統率力のおかげで(劇中のラピュタまで)捕まった事は一度もない。
だが、良くも悪くも海賊としての優秀性は頭であるドーラ一人に依存する形となっており、ドーラが不在の場合、実働要員である息子の三兄弟はダッフィー(親方)以下、鉱山の街の住民と殴り合いに夢中になってパズーとシータが逃げた事に気づかなかったりと、お世辞にも優秀とは言い難く、ドーラからは事あるごとに「バカ息子共」「バカ共」と叱咤されている。
人員構成
- ドーラ(マ=ドーラ)
「このバッカ共! さっさと仕事をしないか!!」
CV:初井言榮
頭領にして船長。ついでに(一応)紅一点。女を50年やっている。あだ名は「おばさん」「ママ」「船長」など。子供達の名前の元ネタはいずれもフランスの王から。
賊のトップを努めるのにふさわしい、超豪快な行動力と、腕っぷし、強かさをあわせ持った初老婆で、荒くれ者のモトロや長男シャルルですら彼女には敬服している。
軍の無線暗号を即座に盗聴・解析したり、そろばんを使いこなすなど智謀も相当なもの。
「信じられるか? あの子がママみたいになるんだぞ…」
CV:神山卓三
ドーラの長男、30歳。
物語冒頭でダッフィー(親方)と胸筋の強さを張り合う。
怪力自慢で腕っぷしだけで見ればドーラに次ぐ、ドーラ一家の一応の二番手格。脳筋だがまっすぐな好人物で、台所仕事中のシータの元へ小さなお花を手に物怖じしたり恥ずかしがることもなく堂々と乗り込んでくるほど。武骨な風貌ながらプディング好きと言う意外な一面も。
ラストシーンではちゃっかり頂戴してきたラピュタの財宝の一部をシータに見せてウィンクするという美味しい役どころであった。
「ママッ!落ちるゥッ!!」
CV:安原義人
ドーラの次男、25歳。
ちょび髭の優男で、序盤の飛行船や鉱山鉄道でのカーチェイスの場面で転落しそうになって悲鳴を上げているのは彼である。ドーラ一家の息子、部下達の中で最初にシータに惚れている。ミンス・ミートパイを作ってもらいたがっていた。
ちなみに書籍「The art of Laputa」での監督曰く「ドーラがスペイン人の優男との間に設けた子供であり、シャルル、アンリとは異父兄弟……などという馬鹿なことを考えながら作ったキャラクター」ということで、生い立ちに裏設定(没設定?)があるのだとか…
見かけによらずうぶな性格らしく、台所仕事中のシータに会いに来た際にはその可憐さにしばし惚け、思わず「いい・・・!」の一言を聞かれた際には照れ隠しのように慌ててごまかしている。
「兄ちゃん、やっちゃえ!」
CV:亀山助清
ドーラの三男、20歳。
三兄弟の中でも特にマザコンで甘えん坊。3兄弟の中で唯一髭がなく、そばかすがある。「なんでも食う!」と言っているのは彼である。タイガーモス号の操縦を受け持つ。
ちなみに劇中で一度も名前を呼ばれていない。兄二人は呼ばれていたのに。
タイガーモス号専属技師のおじいちゃん。怒らせるとドーラより怖いらしい。
助手としてつくことになったパズーを気に入り、ラストシーンでの再会では唯一パズーの名を叫んだ。
ドーラの夫ではなく、先代の頃から唯一残り続けている古株の船員(小説版では、ドーラの父が死んだ時に四散した部下の中で唯一、ドーラの元に残り一家を守り立ててきた人物という記述がある)で、乗組員達からは「じっちゃん」と呼ばれている。
ドーラからは「クソジジイ」呼ばわりされる事もあるが、上記の経歴から、船内では唯一対等に口がきける厚い信頼を寄せる旧友でもあり、正装で私室に呼ばれチェスを楽しむ事もある。
機関士としてタイガーモス号にはとりわけ愛着が強く、タイガーモス号が崩落するラピュタの大量の瓦礫と運命を共にした際は、「かわいいボロ船」の喪失を悲しんでいた(ドーラからは「もっといい船作ればいいんだ」と励まされた)。
子分のモブ達。順にポルトガル、エジプト、中国、日本、セネガル出身。
ドーラの子ではないが、彼女らとは家族に等しい絆を持っている。
5人とも出身国以外の経歴等は不明だが、小説版では「素質を見込み世界中から集めた5人」という記述がある。