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ゴリアテ(天空の城ラピュタ)

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ひこうせんかんごりあて

スタジオジブリのアニメ映画『天空の城ラピュタ』に登場する飛行船。多数の火砲を備えた、まさしく飛行戦艦と呼ぶに相応しい兵器である。

概要

ジブリ作品『天空の城ラピュタ』に登場する大型飛行船。政府軍がラピュタ探索の為に派遣した飛行戦艦である。モウロ将軍も「素晴らしい船だ!」と喝采を叫ぶほど。作中、過去に浮遊・飛行に特化した文明が存在したことの名残なのか、作中の一般的な文明水準に釣り合わない高い飛行性能を持つ高性能・高機能の艦船。

飛行船の一種であるためか、形状は楕円型に近い硬式飛行船・・・・・・を、通り越した完全なる装甲飛行船といった出で立ちである(だからこそ飛行戦艦とも言えるのだが)。プロペラが止まっていても空中に浮き続けられる様子から、いかなる手法で浮力を得ているのか謎の多い船。垂直方向のプロペラはあくまで補助的な物であるようだ(実際、垂直方向プロペラは機体に比してかなり小さい。現実のヘリコプターを見ればわかるように、小さすぎるプロペラでは浮力維持は期待できない)

艦の全体に主砲(小説版では125mm榴弾砲と記載)が配置されているのみならず、速射砲、対空砲等の多数の重火砲を備える。艦底部の主砲塔は、ロボット兵の装甲を穿ち致命的な損傷を与えうる強力な火力を持っていることが確認されている。

また直接的な描写は無いが、艦底部に複数のロケット艇が格納されている。空中戦艦という枠に収まらない、移動可能な空中要塞とも言うべき威容である。

全面に装甲が施され現実の飛行船とは段違いな強度を誇り、暴風圏でも安定して飛行可能な上、300m級の巨体に比して速力は100㎞を優に超え、16,000㎞もの長大な航続力があるという破格の性能を持つ。

スペック

  • 全長:312m
  • 全高:82m
  • 全幅:84m
  • 巡航速度:58ノット(約107km/h)
  • 最高速:98ノット(約181km/h)
  • 航続距離:16,000㎞ (無風巡航時)
  • 乗員数:360人
  • 武装
    • 詳細不明(125㎜榴弾砲、速射砲、対空砲、多数)

経歴

ラピュタ探索の為に派遣され、出発準備が整うまでの間にティディス要塞の頂上に一時的に係留される。しかし、その直後に要塞内部に収容されていたラピュタのロボット兵が再起動して活動を再開、シータを護る為に徹底して要塞を攻撃、破壊。軍は大混乱に陥ってしまう。大規模な火災も発生する中、ゴリアテは係留状態から離脱、艦底部にある長砲身型の主砲で直下のロボット兵を狙撃。ロボットが静止状態にあったためか初弾でロボット兵の胸部に直撃させ、これを破壊することに成功した。

その後、ラピュタ探索の為に出発。ドーラ一家の追尾を免れるために無線を封鎖した。本来なら、ゴリアテの方が巡航速度があるため、タイガーモス号を振り切れるはずなのだが、ドーラはタイガーモス号がゴリアテの進行方向から見て「風上」にいる事に着目。風に乗って加速することでゴリアテに追いすがる手段をとる。そして、進行方向が見事に重なっていた為、タイガーモス号はゴリアテの直上に辿りつく。雲の海から浮上し、タイガーモス号を補足するなり砲撃を始めるものの、雲海に逃れられてしまう。

ラピュタの潜む竜の巣を目前にして、タイガーモス号の背後を補足することに成功。気流の影響で身動きが真面に取れないタイガーモス号を狙い撃ち、これを撃破した。ゴリアテ自身も気流で航行不能に陥る危険性もあったが、ラピュタ探索を指揮するムスカの命令で飛行石の光が指し示す雲の中へ突入を敢行するのだった。

ゴリアテが突入するにつれ竜の巣は晴れていき、ゴリアテは無事にラピュタに到着し、接舷して停泊していたが、ムスカの離反により通信施設がすべて破壊されると言うアクシデントが発生してしまう。さらにはモウロ将軍もムスカに誘い込まれた部屋から空中へ落とされてしまい、逃げようとする兵士達を起動したロボット兵が追撃してくる。

艦内に残存していた指揮官の判断によってか、兵の回収も完全にやりきれないまま(乗艦に間に合わなかった兵達がゴリアテに見捨てられる形で乗り降り用の梯子ごと落下していくシーンもある。追撃するロボット兵が迫っていたとはいえ、まるで抵抗や兵救出の素振りを見せず、慌ててラピュタから離岸していくだけという状況から艦内がパニック状態だった事が窺える)ラピュタから離れ砲撃を開始するものの頑丈な下部(ラピュタ中枢)への砲撃は全く効果が得られず。さらには無数のロボット兵が飛来・来襲し迎撃を行うがまさに多勢に無勢、飛行するロボットに追随するには火砲の性能が不足していたのか、ロボットたちの攻撃を防ぎきれずに奮戦虚しく爆発炎上、真っ二つにへし折れて墜落してしまった

搭乗していた多数の兵士達がゴリアテから海へ落ちていく悲惨な有様は、ムスカにある種の満足感を与えたようで「人がゴミのようだ」と狂気じみた歓声をあげている。

ラピュタの機能を操作していたムスカ曰く「さっさと逃げれば良いものを」と言っていたが、まさにその通りだった。

もっともムスカがあらかじめ通信機を全て破壊して本国との連絡を絶っていることからも、ラピュタの復活を知る存在であるゴリアテを本国に逃がすつもりがあったかは甚だ疑問である。例え逃げたところで飛行するロボット兵に追撃されれば、忽ち、追いつかれて撃墜されてしまったことだろう。

余談

  • ゴリアテの艦橋部分を真正面から見ると、迷彩柄と艦橋の窓の配置の関係から、なんとトトロに見える
  • 小説版では、これほどの大戦艦が失われたことで政府上層部はパニックになり、外部への隠蔽のために、「事故で長期ドック入り」と公表して時間を稼ぎ、その間に代わりの同型艦を建造したという。恐らくはモウロ将軍やムスカ達特務機関員、数百人の将兵達についても詳細は伏せたまま「事故死」扱いになっているのだろう。

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