「かぜのさかな」は さかなにあらず
かぜをよぶが とりにもあらず
概要
物語の舞台であるコホリント島の神様。
島の中央、タマランチ山の頂上にある聖なるタマゴの中で眠っており、彼を目覚めさせなければ主人公は島から出ることができない。ただ、一方で「かぜのさかな」の目覚めは世界の終わりを意味するとも言うが・・・?
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ネタバレ
ときはみちた!
ともにめざめよう!!
その正体とは巨大な空飛ぶクジラ。ちなみに島のところどころで出会うフクロウの正体はかぜのさかなの心の一部であり、目覚めの使者として主人公を導いてきたのはそのためである。
結果的に世界が滅びるというのは事実であり、コホリント島とは、空、海、山、人、魔物、皆全てが作り物の世界、かぜのさかなが見ている夢の世界なのだ。
彼が目覚めるとき、夢の島コホリントは泡となって消えてしまう。
しかし、コホリントが泡となるとき、「かぜのさかな」は語る。
わたしが、めざめると、
コホリントじまはきえるだろう
しかし、このしまの おもいでは
げんじつとして、こころにのこる。
そして・・・ キミはいつか
このしまを おもいだすだろう。
この おもいでこそ、ほんとうの
ユメのせかいでは、ないだろうか
夢はいつか覚める。それは自然の定めなのである。
しかし、いつか見た夢は、人々の心に残る。
そして人々はやがて、かつて見た夢を思い出す。
それこそが、心に映る本当の夢の世界なのだろう。
・・・と、綺麗にまとめられているが、要するにかぜのさかなが悪夢から目覚める為に主人公を利用していたというのがオチであり、ある意味本作での最大の黒幕といっていい存在である(島の消滅を恐れる魔物たちにとっては主人公にさっさと島から出て行ってもらった方が都合がよく、主人公を島に閉じ込めていたのはあくまでかぜのさかな側の都合である)。
そのせいで主人公(及びプレイヤー)は「島を出る(=ゲームクリア)」という自身の目的を果たす為に魔物のみならずそれまで交流してきた島の住民全てを消滅させる(犠牲にする)体験をさせられる羽目になる。そのフォローとして出てきたのが上記の台詞なのだが、それで納得できるかどうかはプレイした人によるだろう。
ただし、リンクが目覚めた時に彼はオープニングで難破し大破した船の残骸にかろうじてしがみついた状態だった。既に辺りは嵐が過ぎた晴天でそれまでの出来事はただの夢かと思い空を見上げると、あのかぜのさかなが大空を雄大に泳いでいた。この状況からするとかぜのさかなの夢に気絶していたリンクの意識が偶然入りこんだ特殊な形の夢オチだったともいえる。
なお、ゼルダの伝説シリーズには、名前こそ違うものの、かぜのさかなと同じような空を飛ぶクジラをモチーフにしたキャラクターが登場している。また、ムジュラの仮面ではゾーラの音楽バンド「ダル・ブルー」の伝説の曲として「風の魚」というタイトルが登場するが、関連は謎。
ちなみに、同じ任天堂より発売されているゲームキューブ版のパネルでポン(製作はインテリジェントシステムズ)では真のラスボスとして同じような姿をした「くじらのジルバ」が登場している。
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