ドイツ国防軍(Wehrmacht)とは1935年から1945年までドイツ第三帝国に存在した軍事組織。
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来歴
1935年、当時政権を握っていたナチス党がヴェルサイユ条約の破棄と再軍備を宣言したことにより、ヴァイマル共和国軍を大幅に増強した形で登場。
創設時より、陸軍、海軍の他に空軍を擁しており、世界でも屈指の兵力を誇っていた。
第二次世界大戦では、優れた兵器と電撃戦に代表される革新的な戦術によってヨーロッパや北アフリカを席巻したが、連合国軍の反攻により徐々に追い詰められ、1945年のドイツ降伏とともに解体され、10年という短い生涯を閉じた。
戦後の評価
戦後は「清廉潔白な国防軍」、つまり国防軍は『ナチス党』のイデオロギーには関わりなく、またヒトラーの私兵的組織であった武装親衛隊とは異なり、純粋に「外国軍から”ドイツ”の国民と国家・領土・主権を守る組織」として戦争を戦っただけでありナチスの犯罪とは無縁である、という神話が形成された。
60年代辺りまでこの神話は広く国民に信じられていたものの、その後の調査が進み様々な戦争犯罪が明らかになるにつれて「清廉潔白の国防軍」という神話は失われたのである。
無論組織としてのあり方を考えると「その中に存在したイレギュラーとも言える戦争犯罪者」だけで組織としての評価を下すのは早計だが、
- 将官の指示によってユダヤ人などの大規模虐殺が指示された
- ヒトラーを暗殺しようとした英雄が実は大変熱心な極右でポーランド植民地化論者だった
等の到底看過できない事実が明るみに出ると「もはや国防軍を擁護できる要素は全くなくなった」とされて、やはり重大な戦争犯罪に加担した忌むべき組織の一つという評価となってしまった。
ドイツ国防軍の入隊時における宣誓の言葉において、ドイツ国家と共にアドルフ・ヒトラーに従う事を誓っていたのは紛れもない事実であり、そして何よりも、現在のドイツ連邦共和国の護りを担う「ドイツ連邦軍」がその設立時に、プロイセン軍以降の伝統からの断絶をはっきりと宣言している点がその左証であろう。