声:本田貴子
概要
「緋色の絶望」(あるいは単なる「絶望」)と呼ばれオーガストと並んで最強と称されるスプリガン12最強の女魔導士。
ただし、彼女自身はこの異名は「可愛くない」とぼやいている。
容姿は長い緋色の髪を持ち四つ編みにしている妙齢の美女で、どことなくエルザに似ている。
12では新参であるゴッドセレナと同じくイシュガル出身。
仲間内には鷹揚に振舞うが、故郷の話は禁句。敵に対してはえげつないほど残忍で、たまたま遭遇したヒスイ姫を王の前でネズミに変えている。
正体
エルザの母親にして、滅竜魔法を生み出した張本人。
元は人間と竜の争いが続いていた400年前に存在していた国「ドラグノフ王国」の女王。姓は友であった賢竜ベルセリオンから継いだものであり、死した彼の無念を晴らすべく高位付加術を応用して滅竜魔導士になり、竜との戦いに勝利した。
しかし、肉体が徐々に竜そのものに変化していくという副作用が発生し、当時子供を身ごもっていたにも関わらず他国の将軍だった夫や配下たちには化物扱いを受け幽閉される。
それから3年後、魔力で成長を遅らせ体内で守り続けていた子供ごと夫に全否定され処刑宣告を受け、完全に竜化して夫を踏み殺し国を焼き払った。
それからは人間に戻る方法を模索して世界を彷徨い、約20年前にゼレフと出会い姿かたちだけは人間の姿を取り戻した。しかし、ゼレフでも外見しか戻せなかったため、完全な人間の身体を得ることを望むようになる。
そしてその対象として自らの子を選び出産するが、人格の付加に失敗したためそのまま捨てた。
その子供こそがエルザである。
能力
高位付加術士(ハイエンチャンター)である彼女は全てのものに対し魔法付加を与え変化させることが可能(ゼレフからは魔力を付ける外すの天才と言われているほど)。
これによって、 雪山である霊峰ゾニアの一面を花畑にした。文章にしたらほほえましく聞こえるが、周辺の環境や気候を自在に変えてしまっている。
攻撃にも転用でき、大気への付加で地面すらえぐる突風を出しており、アクノロギアすらとりあえず褒めたほど。
他にも相手の姿を変えたり、空に巨大な目を投影して周囲の様子を探る、味方の兵士に魔法効果を付加する、相手の付加術を分離する、剣に人格を付加し擬人化させることまで可能。
また、ドラゴンの力を人間に付加することにより、竜と同等の力を得る魔法、滅竜魔法を編み出した。
- ユニバース・ワン
大地全体に魔法効果を付加し、大地を圧縮して形を変える「世界再構築魔法」。本人曰く、「400年前にも、その以前にも存在しなかった新時代の魔法」。
発動させると特定の対象を特定の場所に配置し、それ以外のものは、ランダムに再配置される(これは人だけでなく、自然も対象のようだ)。
作中ではフィオーレ王国全土を光に包み、スプリガンを「妖精の尻尾」の近く、アクノロギアを遥か彼方に配置した。
その反作用で王国中の人間の位置が滅茶苦茶に再配置されている(アイリーン自身も例外ではない)。
それだけならまだいいが、王国の縮尺を20分の1以上に縮めた。これにより、アルバレス勢との遭遇率が高まっている。
またこの魔法により王国は自然環境(一例として天狼島が陸続きになった)も建造物(一例としてガルディア大聖堂とメルクリアスが隣り合わせに)もめちゃくちゃに入り混じった配置となった。
このように一瞬にしてアルバレス帝国側が一気に有利になる状況を作り上げてしまったわけだが、アルバレス側としての誤算として(まあ、誰一人として気にも留めないが)、仕留めたはずのガジルがこの世に戻ってくる結果になった。
- 極限付加術(マスターエンチャント)
付加術の力を増幅させる賢竜になることで使用できる高位付加術(ハイエンチャント)の上位技。
大地や空、海などあらゆるものを超越し、天体への付加術を可能にし、宇宙空間から超巨大な隕石を引き寄せる神の星座崩し(デウス・セーマ)を放った。