ロビーはみずからの頭を落としてしまった。この泣き虫の男の子は斧を手に取り上げ、彼の得意とすることを繰り返すほかない。
概要
泣き虫とは、スマホゲーム「IdentityV(第五人格)」に登場するキャラクターである。
本名「ロビー・ホワイト(Robbie White)」。「ロビー」の方が呼びやすいため、愛称のようにこちらで呼ばれることも多い。
容姿
袋のようなものを被り、一見カカシのような見た目をしている少年。
頭部分には口のように開閉する裂け目と、それを縫い付けるように紐が通されている。
首にはハングマンズノット(首吊り結び)の紐を括り付けており、首の後ろと手首からは木の枝が伸びている。
カメラをめり込ませることで頭の中身を覗くことができるが、素顔どころか何もない空洞になっている。
その他、紺と白のストライプシャツに紺のオーバーオールを着用。
片足だけ濃紺と白のストライプの靴下を履いていて、肌の色は血の気の感じられない蒼白。
服装の傷みも相まって子供のゾンビのよう。
武器として元は薪割り用に使っていたと思われる、血塗れの片刃斧を使用する。
板の破壊もこの斧の一振りで行う(破壊速度は他のハンターと同じ)。
背丈は他のハンターと比べてかなり小さく、直立状態で比較すると頭の袋を含めてもサバイバーより背が低い。
衣装(スキン)
- 初期衣装
「初期衣装。すべてが自然に見える。」
特徴などは上記に同じ。
- 毒牙 (SR)
「拘束のない権力はすべてを腐らせる。」
全体的に紺色のカラーリングとなり、頭部に縫い目が増え、蛇と五芒星の紋章が追加される。
マントにも金具が増え、魔術師のような装いとなっている。
服も白無地のシャツにサスペンダーパンツに変わっており、靴下は赤と黒のチェック柄に。
- 錬金 (UR・限定)
「国王は国に富をもたらす王子を願い、それを手にした。」
赤ちゃん人形の頭部を被り、王子様のような衣装に身を包んでいる。
武器は王笏のような意匠の両刃斧。
性能
同ゲーム初の子供のハンターであり、低い背丈のため視点が低い(サバイバーと同等)。
条件付きのスキルが多く、それらの管理が肝要となる。
通常攻撃を当てた後の硬直モーションは斧に乗って周囲を見回すというものだが、視点が高くなったりはしない。
外在特質(パッシブ能力)
- 腐敗の領域
マップ上に安息末の苗が出現するようになる。安息松の苗周辺は「腐敗の領域」状態となり、2体の怨霊が円を描くように浮遊するようになる。
泣き虫は、「腐敗の領域」の中であれば怨霊を高速で引き寄せる事が可能。引き寄せた怨霊がサバイバーに当たると、怨霊はサバイバーに攻撃1回分のダメージを与えて消滅する。
サバイバーに命中しなかった怨霊は泣き虫に吸収され、短時間移動速度が上昇する。
いずれの場合も消滅した怨霊は、20秒後に再び出現する。
- 無限の命
数本の安息松の苗を生やした状態で試合が開始される。安息松が時間経過で成熟する、もしくはサバイバーが安息松を破壊した場合、泣き虫は対象の安息松から枝を拾うことができる。
拾った枝を使うことで、新たな安息松を生やすことができる。
安息松の苗は最大6本まで同時に存在可能。
サバイバーが安息松を破壊した時、または新しく安息松を植えて古いものが消滅する時に、破壊された安息松の位置が通知される。
形態変化/固有スキル(アクティブ能力)
- 再生
開幕から使用可能、ただし1本以上の安息松の枝が必要。
安息松の枝を使用し、新たな安息松を植えることができる。
ただし、一部マップの特殊な建築物(特に建物の2階など)や地下に植えることはできない。
枝は3本まで所持することができ、最大まで所持した状態で始まる。
安息松が植えられると、泣き虫本体が向いている方角に2つの怨霊を発生させる。
フィールド上に6本の安息松が存在している状態で新たな安息松を植えると、最も古い安息松が消滅する。
- 怨霊消滅
開幕から使用可能。腐敗の領域内にいるとき、怨霊を引き寄せることができる。この時、怨霊は壁などの障害物を貫通する。
引き寄せた怨霊がサバイバーに当たると、怨霊は対象サバイバーに攻撃1回分のダメージを与えて消滅する。
サバイバーに命中しなかった怨霊は泣き虫に吸収され、短時間移動速度が上昇する。
いずれの場合も消滅した怨霊は20秒後に再び出現する。
スキル自体のクールタイムは15秒。
- 安息の道
存在感ゲージが1000溜まることで解放。
1直線上に、安息の道エリアを生成できる。持続時間は硬直も加味しておおよそ11秒。
安息の道エリア内では、泣き虫の移動速度/行動速度が大幅に上昇するようになる。
壁や障害物なども貫通して生成できるが、通行できる場所でなければ効果は得られない。
再使用までに25秒とやや長めのクールタイムがある。
見た目は木の根でできた道だが、見た目より効果範囲は狭くほぼ中心にしか判定が無い。
また上下方向にも判定が薄く、ちょっとした段差程度でも効力を得られなくなる。
段差がなければ2階や地下でも使用可能。
- 斬怨
存在感ゲージが2500(最大)まで溜まることで解放。
スキル「怨霊消滅」の強化版で、「怨霊消滅」を上書きする形で使用可能となる。
引き寄せた怨霊が命中せず吸収される時、自動で正面方向に怨霊を投げ飛ばすようになる。
吸収した時の加速効果も据え置きであり、なおかつ投げ飛ばした怨霊も障害物を貫通する性質を保持する。
クールタイムは強化前から変わらず15秒。
長所
怨霊による障害物を無視した中距離攻撃や、それらを外したとしても得られる短時間の加速による波状攻撃や、安息の道による高速接近など、総じて高いチェイス性能が魅力。特に障害物を無視できる怨霊攻撃は引き寄せ・射出(※存在感2500以上)の両方に判定があることや弾速の速さもあって、サバイバー側からの対処が非常に難しいため、わざと板や窓に誘導してぶつけるといった芸当も可能。
怨霊攻撃での硬直はかなり短めのため、怨霊を当てた後に間髪入れず連続攻撃することもでき、上手くハマった場合大幅にチェイス時間を短縮することができる。
またサバイバーと同等程度の背丈しかないことから、低めの壁などでも姿が隠れる場合があり、サバイバーからの感知が遅れることがあるので、ちょっとした不意打ちにも期待できる。
細かいところでは板割りのモーションが速く、内在人格で「破壊欲」も取得すればかなりの早さで板を割ることができるため、強ポジの板も素早く処理できる。
その他、溜め攻撃の判定がそこそこ長い傾向にあるようで、窓枠に対して真っ直ぐ向かい合っていれば弾かれず向こう側まで判定が届くこともある。
短所
怨霊は特に安息松の配置に左右されるため、安息松が破壊されるなどして生えていないエリアができてしまった場合、怨霊による攻撃ができなくなってしまう点や、新たに生やすためには枝を回収する必要があるため、回収に時間を割く必要があることなど、効率的に管理する能力が求められ、
そして安息の道の的確な配置や怨霊を当てるためのエイミング能力も求められるなど、良くも悪くもプレイヤースキルに強く依存している。
通常攻撃の判定範囲はリッパーより広いとされるが、あちらと違って加速が限定的な分、能力の補助なしでの追撃にはやや難があるだろう。
また長所にも挙げた背丈の低さは同時に視点が低いということでもあり、他のハンターと比べて索敵に若干難を抱えるという弱点にもなっている。
一応サバイバーから木を破壊されることで通知が発生するため位置を知ることはできるが、自分に有利なエリアを失っているということでもあるため、深追いには注意したい。
なお、視点の低さから移動速度が速く感じられるが、黄衣の王や黒無常と同速(最遅組)であり、能力の補助無しでは追いつくまでに時間がかかってしまう。
マップ次第ではあるが、安息の道と安息松の仕様上、2階のある建築物が非常に苦手であることも念頭に入れておこう。
背景推理
(※背景推理未実装)
背景ストーリー
「ロビー・ホワイト」は一夜にして、広々とした大きな家、快適なベッド、美味しい食べ物、優しい両親を無くした。代わりに彼を待っていたのは、ホワイトサンド・ストリート精神病院の冷たい監視者の下での終わりのない労働だった。だが、姉のドロレスの助けを借り、段々と斧の重さにも慣れていき、そのうち薪割りは彼の趣味になった。
間もなくして、教会が孤児院を引き継ぐことになり、子供達はもう辛い労働をする必要は無くなった。ところが、ロビーにとっては少し不満だった。姉はもう街に出て物乞いをする必要はなくなったし、シスター達はみんなに暖かいスープを提供してくれる。結果的には、彼と彼の姉の生活は良くなりつつあった。それに比べたらロビーの小さな趣味なんて――
これが「泣き虫」ロビー・ホワイトの、最期の思い出。
気づけば彼はネズの木の下で目を覚ましていた。しかし、そこには彼の姉も孤児院も存在していなかった。
誰がこの哀れで不運な男の子を責める事ができるだろうか?いや、できるはずもない。
なぜなら、彼は自分の首すらも失ってしまったのだから――
余談
「薪割りが趣味だった」「薪割りの必要がなくなって不満だった」という描写から、
現在の彼は半ば趣味感覚でハンター業を楽しんでいる可能性がある。恐ろしい子……!
サバイバーを風船に縛っている状態からもがき脱出されると、自分も風船で浮かび上がってしまい、手を離して倒れ込んでしまう。身体が軽いためあまり暴れられると風船を制御しきれなくなるのだろうか。かわいい。
協力狩り(ダブルハンター、2対8)モードでも使用可能なのだが、
背丈が低いため、電話機を使用する際は斧に乗って高さを稼ぐ。器用。
関連イラスト
関連タグ
処刑マジニ(バイオハザードシリーズ):斧を使う、頭に袋を被る、敵対者(追いかける側)、(広義での)ゾンビ、霊(「マジニ」は"悪霊"の意味)繋がりなど共通点が多い。
ロビー君(サイレントヒルシリーズ):同じ「ロビー」という名の別人だが、ホラーゲームキャラ繋がりであることやオーバーオールなどの偶然の一致が見られる。
ねずの木の話(柏槇の話、Von dem Machandelboom):グリム童話のひとつ。登場人物の一人の男の子(兄)が義理の母親によって首を切られて死んでいるが、復讐を果たした後蘇っている。