Eカーボン製の重装甲と大型火器で身を包んだ機体。
100tを超える超重量のため、機動性では他国の機体に大きく劣るが、十数年に渡って蓄積された実績による高い信頼性を持ち、数多くのバリエーションを生み出している。
セカンドシーズンにおいてもまだ現役であった。
さらには、太陽路のパワーに耐えうる堅牢なフレーム、スペースを流用してジンクスに次ぐ主力機アヘッドが廃発された。
また、それぞれにセンサーやアンテナの増設された指揮官タイプも存在する。
漢字表記は「鉄人」で、中国語の名称である。
機体デザインは寺岡賢司氏。
ティエレンの開発主任、ケンズィー・テラオカノフ氏として設定されている。
バリエーション
ティエレン地上型
最も一般的なタイプ。
一般的なカラーはグリーンだが、デザートカラーに塗装された機体なども登場している。
他国の機体と違い、コックピット内には一切のモニターがなく、パイロットはヘッドマウントディスプレイが取り付けられた専用のパイロットスーツを着用して外部の情報を得ており、また直立状態で操縦を行う。
そのことと外見から、小説版では他陣営から「生きた棺桶」と呼ばれている。
武装は各種実弾武装(機銃や滑腔砲)に加え、接近戦用のカーボンブレイドを標準装備する。
なお、既に退役しているが、かつては「MSJ-05 ティエレン」という、より旧式の機体も存在した。
『2nd』では、擬似太陽炉搭載機の配備が不十分な地球連邦正規軍に配備されているほか、反連邦組織カタロンでも運用されている。
ティエレン長距離射撃型
地上型に頭部を完全に覆い隠す大型滑腔砲を搭載した長距離支援機。メインセンサーは胸部に設置されている。
膝部シールドは両脚に装備。砲撃時における安定性を確保するため、尻部にアンカーを設置している。
当然ながら地上型以上に動きは鈍重で、アンカー展開時はほとんど身動きが取れなくなる。
ティエレン宇宙型 / ティエレン宇宙指揮官型
無重力戦闘を目的とした宇宙戦タイプ。
カラーはブルー。
全身各所に推進、姿勢制御用スラスターを備え、空間機動力を強化。
脚部の膝から脛にかけては円筒状大型推進剤タンクと一体化しており、独特の形状になっている。
また、この推進剤タンクの中身はただの水であり、タンク自体の堅牢さと水の持つ緩衝能力からシールドを兼ねている。
標準装備の滑腔砲は銃身の効率的な冷却のため専用の放熱板が追加されている。
この放熱板は接近戦用のカーボンブレイドとしても使用可能である。
指揮官機は両肩にスラスターとセンサー内蔵のシールドが装備され、頭部の通信機能も強化され、本編ではセルゲイ・スミルノフ専用機として登場した。
コックピット内は真空にされているため、パイロットにはヘルメットに繋ぐチューブによって外部情報と共に空気が送られている。
『2nd』では、反連邦組織カタロンの所属機として、『劇場版』では、連邦カラーに塗装され地球圏防衛のための戦力として登場した。
みんなで探そう。
ティエレン高機動型
腰部に水平展開式の可変翼、脚部内に推進用ジェットエンジンを搭載した高機動タイプ。
一応飛行が可能となっているが機動力は低く、空戦ではなく戦地への迅速な移動を目的とした物。
ゆえに飛行型ではなく高機動型と呼ばれる。
本編ではセルゲイ機として登場。
磨き上げられたテクニックでガンダムエクシアの頭を鷲掴みにした。
ティエレン高機動B型 / ティエレン高機動B指揮官型
高機動型のバリエーション。
飛行能力をオミットし脚部内の推進用ジェットエンジンの推力を増強した上で防塵処理を施した砂漠戦用機。
機動力において陳腐化が著しい地上型の後継機として砂漠以外でも運用されている。
指揮官機は上半身が宇宙指揮官型と同形状である他は通常型と同じである。
本編でも宇宙指揮官型と同じくセルゲイ専用機として登場する。
『2nd』では、連邦正規軍の主力陸戦型MSとして拠点防衛などに運用されている。
また、反連邦組織カタロンもこの機体を所有している。
ティエレン超兵型(ティエレンタオツー)
『1st』に登場。
ソーマ・ピーリスが搭乗する機体で、宇宙・地上両面での行動を想定した汎用機として製造された次世代ティエレンのテスト機を、超兵仕様にカスタマイズしている。
カラーはなんとパステル調のピンク。
両肩のシールドや脚部を始め、全身各所に配置されたスラスターによって、通常のティエレンを遥かに上回る機動性を発揮する。
各部センサーや情報処理能力も強化され、頭頂部にはT字型のモノアイレールが追加されている。
またコックピットも他のティエレンシリーズとは異なり、ヘッドマウントディスプレイを用いない、全周囲型の一般的なタイプとなっている。
その性能に比例してパイロットに掛かる負担も非常に重く、訓練された超兵以外に乗りこなすことは不可能とされる。
なお、初登場時は性能試験の性質上、ヘッドマウントディスプレイ式で運用された。
タオツーは中国語表記で「桃子」。
ティエレン全領域対応型(セルゲイ専用ティエレンタオツー)
『2nd』に登場。
タオツーの基となった次世代ティエレンの完成型で一般兵仕様機。
外見は全く同一の機体で、愛称も同じく「タオツー」と呼ばれる。
カラーリングは宇宙型と同じくブルー。
当初は人革連の次世代機候補の筆頭であったが、地球連邦軍設立に伴い擬似太陽炉搭載機の正式配備が決定されたため少数生産に止まった。
推進系は大気圏内での単独飛行が可能なほどに出力が強化され、GNコンデンサーを搭載した非太陽炉搭載機用のGNビームライフルを携行する。
ビームライフルの銃身下部からはビームサーベルを発生させることも可能。
GN粒子非対応型の本機のOSではビームライフルのコントロールまでは出来なかったため、もっぱら光学センサーによるパイロットの制御に一任されている。
そのためビームライフル使用の際には、高度なパイロット技能を要するという。
クーデター派によるアフリカタワー占拠事件では、説得のため低軌道ステーションに向かったセルゲイ・スミルノフが青い本機を使用した。
これは『2nd』時点で本機はほとんど存在していないため、指導者であるパング・ハーキュリーに搭乗者はセルゲイだと示すために使用したとされている。