概要
本編の中盤突入前後に登場した、ロベルト十団メンバーの一人で、小柄な少年。
本来、ロベルト十団のうさんくさい詐欺とも物騒な破壊工作ともとれる報酬に乗るような我欲も、うかつさもない、黒影の男が、スポーツに関する出来事によってうまれた心の隙間に付け込まれる形で加担してしまった遠因の一人でもある。
我の強いロベルト十団のなかでも、特に悪意と慢心が強いキャラ。真人間のフリや、はみだし者なりの協調性を見せることや損得勘定をする気もないようで、才の減少や第三者による横やりといったトラブルが発生するリスクをあまり考慮せず、悪態をつきつづける始末。
また、得た能力の影響か、自身の趣味故か、相手をロボットやおもちゃのように例える一面も。その様はグラノを彷彿とさせる。
一応、強さは一部の十団メンバーからそこそこ評価されていたが、好かれていたわけでも嫌われてるわけでもなかったようである。
言動と顛末
ロベルト十団の一員・黒影の男と植木耕助の戦闘が長期化し、その過程で負の感情の薄れるとともに、劣勢でも自分の意思と覚護を貫こうとする植木の姿に、敢闘精神が触発された頃になって登場。
始めは、ロベルト十団のルールにそぐわない行動とも、長期戦で体力を擦り減った相手への詰めの一手ともとれる行動をとった黒影に、ルール違反として、十団の敵対者である植木より先に、黒影に不意打ちをしかけ、気絶させる。
そこまでであれば、ロベルトへの忠誠心と冷淡さ故の行動ともとれたのだが、そのあとに、呼吸するかのように黒影と植木を(横で植木達の様子を心配しつつ観察などをしていたBJたちまで、無駄に怒らせる声量で)嘲笑。
その後、植木を悪態を言いつづけつつ能力で倒そうと攻撃を仕掛ける。
始めは空中移動と樹木などを素早くつかみとるロボット生産・操作で、植木を短時間翻弄し、ロボットによる金属弾攻撃を浴びせる。だが、金属弾の直線的すぎる攻撃と、相手の披露も能力の特性も碌に考慮せずに喋りつづける悪癖が災いして、金属弾の発射口をふさがれたうえ、側面からの攻撃を直に受け気絶。結果的に、ロベルト十団でも攻防のバランスのいい戦闘要員を自滅行為に巻き込んだうえで、短期間とはいえ、ロベルトの印象の悪化までさせるという、植木だけでなくロベルトにとっても面倒な状態にしたのだった。
ちなみにこのキャラ自身は脱落後の様子について深く語られていないが、黒影はロベルト十団との諍いを起こすことも、植木を逆恨みすることなく、自分なりに前を向いてスポーツなどに励むようになったとのこと。
能力
影をロボットに変え、操作する能力を持つ。ロボットは空中移動用エンジンと金属弾を連発可能な発射口などを備えた、人型状。金属弾の他、能力によるつるや樹木などを素早くつかみとる・側面から手刀攻撃を仕掛けるといった器用な手も持っている。
ただ、本人の慢心の強さや練度の低さゆえか、能力の限定条件などのためか、黒影のように自身の姿を模した生産物を出す様子はなく、金属弾も鬼紋の鬼紋ラッシュとは違って単調で、一発一発の威力も微妙。
空中移動のほうは侮れないものの、本人の立ち回りの悪さと隙のでかさのためか、器用貧乏な印象がぬぐえない能力。中堅以上とも以下とも判断しがたいまま抱え落ちするあたり、宝の持ち腐れともとれる。
カルパッチョから見てもぱっとしない能力だったのか、ただ限定条件などの都合で使う機会がなかったのか、カルパッチョが使用することもなかった。
余談
裏表が少なく感情移入しにくい人柄や、退場の早さゆえか、ロベルト十団のなかでも関連作が少なめのキャラだが、一応わずかに作品が投稿されており、なかには鬼紋とともに描かれているイラストはある。もっとも、本編では鬼紋がカムイと接触した様子や、遠巻きから能力を観察していた描写などはないため、ただ登場時期がある程度重なっていたことと、金属を連発する要素が似通っていたために作成されたものと思われる。