F-4EJ改とは
日本ではF-4の爆撃装備を排除し、より純粋な迎撃戦闘機として運用してきたのだが、F-15Jの採用とともにその座を明け渡すことになった。
F-4EJ改はそうして手すきになった機体の中でも「痛み」の少ないものを選び、1982年より
・耐用年数延長(機体の補強し直し)
・戦闘能力向上(電子機器入れ替え)
を目的とした改造を施した。それがF-4EJ改である。
三沢や百里など、全国の航空隊に96機が配備された。
なお、2008年より退役が始まっている。
しかし、本来は同年より後継機の導入が始まる予定だったのだが、選定がもつれにもつれた挙句ようやくF-35に決定。2018年より実戦配備が始まった。
運用期間を延長され続けてきたが2019年3月、ついに第302飛行隊がF-35に機種更新。残る第301飛行隊も更新作業を進めており、間もなく(F-4EJ時代含めて)航空自衛隊のファントムは約半世紀の任務を終え(今度こそ)退役となる。
具体的な変更点
詳細に関してはwikiによると、
・セントラルコンピュータとしてJ/AYK-1搭載による、兵装システムの統合とASM-1/ASM-2空対艦ミサイル運用能力の獲得。無誘導爆弾による対地攻撃能力の付与
・APQ-120レーダーをAPG-66J(F-16A/Bで使用のAPG-66改造型)に換装し、目標探知距離を80nmまで延伸した上、ルックダウン・シュートダウン能力(下方低空の目標を探知・攻撃する能力)を改善
・F-15J用の誘導指令装置を追加し、APG-66J搭載のみでは失うAIM-7空対空ミサイルの運用能力を維持
・レーダー警戒装置(RWR)をJ/APR-6に更新
・AN/ASR-63 アナログ式慣性航法装置をデジタル式のJ/ASN-4に更新。誤差を1/3に改善
・IFF質問装置AN/APX-76Aを搭載
・AN/ASC-26 光学照準機をカイザー社製ヘッド・アップ・ディスプレイ (HUD) に変更
・レーダーディスプレイはJ/AVQ-3
・AN/ALQ-131 電子戦装置搭載能力の追加
・HOTAS概念の導入
平たく言うと、電子機器をあらかた新しいものに入れ替え、コクピットを改修して能力を発揮しやすくなった。爆撃能力も復活しており、ASM-1・2による対艦攻撃能力も付け加えられている。
余談
退役したF-1支援戦闘機の代替機のF-2戦闘機の調達遅延に伴い機種更新が間に合わなくなってしまい、第8飛行隊にピンチヒッターとして配備されたこともある。
この際塗装が洋上迷彩に変更され、青いF-4EJ改が登場した。