概要
『プリンセス・プリンシパル』の登場人物。フルネームはアンジェ・ル・カレ(スパイ小説家ジョン・ル・カレから)
アルビオン王国の植民地インコグニア(現実のオーストラリア相当)から名門クイーンズ・メイフェア校に転入してきた特待生。インコグニア訛りが抜けない控えめな眼鏡少女。
……という身分をカバー(偽装経歴)として王国へ潜入している、アルビオン共和国のスパイである。
体格も顔立ちも王国のプリンセスに瓜二つで、かつらをかぶるとまず見分けがつかない。この容姿を活かしてプリンセスと入れ替わる「チェンジリング作戦」の為、共和国よりメイフェア校へ送り込まれ、先に学生として潜入していたドロシーの下にチームに加わる。
プリンセスとの協力関係が成立したことで計画は変更、そのまま王国内部に潜伏し、プリンセスとのコネクションを維持しながら任務をこなしていくことになる。
様々なカバーを被って活動するが、本人の性格は不愛想かつ変わり者。
黒蜥蜴星人を自称し、言動は嘘だらけ。チームメンバーすら煙に巻く奇妙な言動は、果たしてどこまでが演技なのやら分からない。
しかしながら、内面には優しさを持ち合わせているのも確かで、任務を妨げない範囲で他者の世話を焼くことも多い。
「通りすがりの宇宙人。黒蜥蜴星から来たの」
能力
Cボールの携行を許された数少ない人物で、重力操作機能を活用して三次元的に飛び回ることができる。
これ以外の能力も総じて高く、演技、ピッキング、格闘、射撃、スパイとして要求されるあらゆる技術を高水準で習得しているのはもちろん、絵画や音楽にも精通しており、できないことを数えた方が早いレベル。
しかしながら、他者(特に男性)の懐柔や長銃の扱いはドロシー、近接戦闘はちせ、声の演技の幅ではベアトリスに負けており、推理力や戦略でプリンセスが先んじる場面もある。
所持品
Cボール
大型機械での活用が主であるケイバーライト鉱石を、手のひらサイズで操作可能にしたもの。
ボールの周辺の重力の増減、偏向が可能であり、アンジェ自身を飛ばすだけでなく、他の物体を放り投げることも可能。
小型化のために冷却機構が省略されており、使いすぎると過熱、破損する。連続して使用する場合は冷却用の水筒(氷入り)も必要。
ウェブリー=フォスベリー・オートマチック・リボルバー
反動利用式オートマチックリボルバーである。
反動を利用して弾倉回転とコッキングを自動で行うため、シングルアクションリボルバー並みの軽い引き金で、ダブルアクションリボルバーのように連射できる。
しかしながら、構造上雨や泥に弱く、またリボルバーの癖に初弾は両手を使ってコッキングしてやらなければならない。
ワイヤーガン
遠距離にワイヤーを射出するもの。
フィクションでよくある巻き上げ機能はついておらず、遠方にワイヤーを固定するのみ。伝って移動するのは自力である。
アンジェはCボールを使って空中移動できてしまうため、他のメンバーを連れていったり、Cボールだけでは難しい高速走行中の乗り物への接近に使われる事が多い。
関連タグ
ディケイド:こちらは「通りすがりの仮面ライダー」
以下、重大なネタバレ。
その正体は、ずっと以前にアンジェと入れ替わった”本物の”プリンセス・シャーロット。
普段は無表情・無愛想だが、本来は明るく表情も豊かで、感情も露にもする。ただしそれは秘密を知る”アンジェ”の前だけ。
本編より10年前の子供の頃、勉強ばかりの窮屈な王宮暮らしに嫌気が差していたが、偶然自分とそっくりな貧民街の少女、アンジェと出会い、すぐに仲良くなり毎日遊ぶようになった。ある日、窮屈な宮殿を抜け出し外を見てみたいと言い出し、アンジェと入れ替わったが、貧困に苦しむ町の人々を目の当たりにし、外界の現実と真実を知った。
さらに、まさにその日に革命が起こってしまい、再会できたアンジェに自分が女王になって世界を変えると志を示したが、革命軍の砲撃に巻き込まれて二人は瓦礫で阻まれ、入れ替わったままそれぞれ王国側・共和国側に離れ離れされてしまった(尚、この際両親が処刑されている)。
不測の事態とはいえ、アンジェに”プリンセス”を押し付けてしまう形になったことをずっと悔やんでいたようである。その後、スパイ育成のために孤児を集めていたコントロールの下に入り、養成所「ファーム」でスパイの訓練を受け、トップ成績でスパイとなっていった。
チェンジリング作戦をコントロールに提案したのは彼女であるが、実際は入れ替わって共和国に利する気などさらさらなく、再会した後は二人で蒸発してカサブランカに逃走する腹積もりであった。
しかしながら、「自分を女王にしてほしい。そうすれば、壁を失くして堂々と一緒にいられる」というプリンセスの願いを聞いて、彼女の意志に従って行動することになる。
この事情についてはチームメンバーにすら明かしておらず、二人の入れ替わりを知るものは二人以外にいない。
ただし、ちせは2人の関係に特別な何かがあることを感じ取っている節がある。