嘘つきはスパイの始まり
概要
2017年7月から9月までAT-X、TOKYOMX、サンテレビ、KBS京都、BS11にて放送された。
略称は「プリプリ」。プリンセス・プリンセスと同じ略称であるが、承諾はしているとのこと。
架空の19世紀を舞台にしたスチームパンク×スパイ×女子高生の戦うヒロインアニメで、Studio3Hzとアクタスによる共同制作作品。
監督は橘正紀、音楽は梶浦由記、キャラデザは黒星紅白と秋谷有紀恵、設定協力には速水螺旋人が関わっている。
スマホ向けのパズルゲーム「プリンセス・プリンシパル GAME OF MISSION」も8月10日に配信された。
2018年4月29日、千葉で行われたイベントにおいて完全新作劇場版の制作を発表。
2019年7月からはTOKYOMXとBS11にて再放送が行われた。
2020年12月30日にはJCOMの『アニおび』枠を使用しての変則一挙放送(年末年始12夜連続一挙放送)が行われ、2021年1月10日までに1話単位で放送される事になった。1話単位以外ではTOKYOMXも2021年1月3日に一挙放送を行われた。また、全話無料配信も映画が公開される2月に行われた。
劇場版「プリンセス・プリンシパル Crown Handler」第1章は2021年2月11日に公開された。2023年4月7日時点で第3章まで公開されている。
※劇場版に関する詳細は劇場版の記事を参照のこと。
劇場版第3章公開記念としてPixivに公式アカウントが設立された。
物語
19世紀末。ロンドンを首都とするアルビオン王国は重力制御を可能にする物質・ケイバーライトを生み出し、この技術で空中艦隊を作り、列強の中で軍事的優位に立ち、世界の約1/3の植民地を有する覇権国家となった。
しかし、革命が起こってアルビオン共和国が樹立。停戦協定の合意によって王国と共和国は東西分裂し、ロンドンも東西に分断され、街には巨大な壁が築かれた。それ以降、ロンドンは各国の諜報員が暗躍する影の戦争の最前線となった。
革命から10年後。そんな王国側の街の学校、クイーンズ・メイフェア校に通う5人の少女達。しかしそれは仮の姿。その正体は共和国のスパイだった。彼女達は各々の特技・技術・能力を活かして、様々な任務を遂行していく。
登場人物
チーム白鳩
アンジェ(CV.今村彩夏→古賀葵) 主人公。基本無表情で嘘をよく言う。
コントロール
L(エル)(CV.菅生隆之) コントロールのリーダー。
7(セブン)(CV.沢城みゆき) コントロールの情報処理担当分析官。
大佐(CV.山崎たくみ) 軍部から出向している監視役調整官。
ドリーショップ(CV.本田裕之) Lの部下で技術担当。
ジェネラル(CV.星野充昭) Lの後任。
アルビオン王国関係者
ノルマンディー公(CV.土師孝也) アルビオン王国公爵で内務卿。
女王(CV.塙英子) アルビオン王国国王。
その他関係者
堀河公(CV.後藤哲夫) 日本の外交特使。
ゲストキャラクター
エリック・アンダーソン(CV.中澤まさとも) ケイバーライト研究者。
モーガン(CV.仲野裕) アルビオン共和国外務員。
フランキー(CV.もりいくすお) 借金取り。
マリラ(CV.古川由利奈) 洗濯工場の従業員。
ジュリ(CV.木野日菜) スリを生業とする孤児の少女。
リリ・ギャヴィストン(CV.鬼頭明里) 王国主席判事の娘。プリンセスのクラスメート。
委員長(CV.大橋彩香) スパイ養成学校「ファーム」出身のアンジェとドロシーの同期生。
ゼルダ(CV.園崎未恵) プリンセスの護衛にしてコントロールのエージェント。
イングウェイ(CV.小野大輔) アルビオン王国植民地軍少佐。
(劇場版での登場人物については当該ページを参照)
用語
アルビオン王国
アルビオン島を中心に世界の約1/3の植民地を有する覇権国家。ケイバーライトを生み出し、この技術で空中艦隊を作り、列強の中で軍事的優位に立った。
しかし、革命によりアルビオン共和国が樹立され、停戦協定で共和国は分離独立。現在はロンドン以南とノルマンディーなどの大陸領を本土とし、首都ロンドンに巨大な壁を築いて東西に分断。共和国とは緊張状態が続いている。
革命時には植民地兵を多数投入して共和派と戦った。革命後も依然として多くの植民地を従えているらしく、アンジェが潜入にあたって使用している偽経歴の内容から、少なくともインコグニア(現実のオーストラリア相当)などが王国側に属しているものと推測できる。
現在の国王は女王で、復古主義の台頭により王権強化と階級制度の固定化が進んでいる。
ヴィクトリア朝大英帝国をモデルとしており、「アルビオン」はグレートブリテン島の古名、またはイギリスの雅称のこと。
アルビオン共和国
アイアンサイド党と呼ばれる議会共和派が主体となって革命を起こして樹立された共和制国家。王国と同様にケイバーライト技術を有し、ロンドン以北のアルビオン島を本土としている。アルビオン島外に支配地域があるのかどうかは作中では不明。
現政権は穏健派だが、軍部を含む革命推進派も台頭している。
モチーフは17世紀に議会派による清教徒革命で樹立された、英国史上唯一の共和政国家であるイングランド共和国と推測される。後に護国卿として共和国を率いるオリヴァー・クロムウェルが革命時に率いた私兵の騎兵隊は「鉄騎隊(アイアンサイド)」と通称されていた。
ケイバーライト
科学者ケイバー博士が開発した物質で、熱エネルギーによって物体の無重力化を可能にし、王国はこの技術で蒸気機関を使った浮遊移動機械を生み出し、飛行戦艦も作った。
しかし、この物質には有害性があり、「ケイバーライト障害」と呼ばれ、とくに視野異常を起こす。原因は不明だが、粉末やガスが視神経に悪影響を与えると考えられている。
元ネタはウェルズのSF小説『月世界最初の人間』にて登場する同名の物質。
クイーンズ・メイフェア校
王国で女王が推進する教育開放政策によってロンドンに設立された男女共学寄宿学校。多くの階級に開かれた学校を目指しており、階級や身分に関係なく外国人も入学できる。しかし、女王の意に反して実際には上流階級優位の風潮が強い。
コントロール
共和国の諜報機関のコードネーム。東ロンドンに潜入する諜報員や工作員を統轄し、王国への情報戦を仕掛けている。共和国軍事情報部とは対立関係にあり、緩和のために調整官が出向している。
Cボール
共和国で開発された高濃度ケイバーライトを利用した個人携帯用小型重力制御装置。体温などの微妙な温度変化で重力制御が可能だが、連続使用すると制御不能になるため小まめに冷却が必要。工作員しか使わない最高機密であるため、ほとんどの人が知らない。
内務省保安隊公安部
王国の治安維持や防諜を行う機関で、王国の実力者である内務卿ノルマンディー公の手足となって動いている。
ロンドン革命
本編より10年前に起こった革命。ケイバーライトの力で世界の覇権国家になったアルビオン王国だったが、貧富の格差や移民などの国内問題を内包したままで、政府に対する国民の不満は大きく燻っていた。そして、議会共和派のアイアンサイド党主導により革命が発生。国民だけでなく王国軍も革命軍に加わり、この革命でプリンセスの両親は殺害された。
前述の清教徒革命とともに、史実英国で1830~50年代に行われた政治闘争である「チャーティスト運動」もモチーフになっていると思われる。
ロンドンの壁
革命後に分断されたロンドンに築かれた巨大な高層要塞線。王国側によって作られ、建設後は東側が王国、西側が共和国となった。王国側の内部には兵舎や格納庫などの軍事施設がある。
モデルはベルリンの壁。OPデモの表現を信じるならモデルとは異なり、グレートブリテン島の王国と共和国の国境沿いすべてを分断している。また、王国側には壁を守る軍基地がある。
なお、「ロンドンの壁」と呼ばれる建造物自体は実在する(ローマ帝国によって建設された当時の領域を守っていた市壁)が、登場する地図から作中の「ロンドンの壁」はそれよりも大きく外側に位置することが読み取れる。
余談
「プリンシパル(principal)」は「主要な・第一の/主役・本人」という意味合いであり、バレエ団のトップダンサーの呼称として用いられる。なお、「プリンセス(princess)」と語源(ラテン語“primus”)を同じくする単語でもある。
『トム・ソーヤーの冒険』などで有名なマーク・トウェインには、16世紀英国を舞台とした『王子と乞食(The Prince and The Pauper)』という作品があり、本作のモチーフの一つ(特にアンジェとプリンセスの関係性において)となっている可能性が高い。
主題歌
- オープニングテーマ「The Other Side of the Wall」
作詞:Konnie Aoki、作曲・編曲:高橋諒、Created by Void_Chords feat.MARU
- エンディングテーマ「a Page of My Story」
作詞:Konnie Aoki、作曲・編曲:高橋諒、歌:アンジェ(今村彩夏)・プリンセス(関根明良)・ドロシー(大地葉)・ベアトリス(影山灯)・ちせ(古木のぞみ)
各話リスト
物語は時系列順ではなく、シャッフルされており、本来の時系列はサブタイの数字でわかる。
また、サブタイはすべてタイトルと同様韻を踏んだ英単語で構成されている。
なお、#06から#09まではテレビ初回放送時とBlu-ray&DVD版で話数が異なる。テレビ再放送時やイベント等での一挙放送時はBlu-ray&DVD版に沿った話数で放送されている。
話数(※) | サブタイ |
---|---|
#01 | case13 Wired Liar |
#02 | case1 Dancy Conspiracy |
#03 | case2 Vice Voice |
#04 | case9 Roaming Pigeons |
#05 | case7 Bullet Blade's Ballad |
#06/#07 | case18 Rouge Morgue |
#07/#06 | case16 Loudly Laundry |
#08/#09 | case20 Ripper Dipper |
#09/#08 | case11 Pell-mell Duel |
#10 | case22 Comfort Comrade |
#11 | case23 Humble Double |
#12 | case24 Fall of the Wall |
※#06-#09の話数はテレビ初回放送時/Blu-ray&DVD版
関連イラスト
関連タグ
関連・類似作品
- ガールズ&パンツァー:アクタス制作のオリジナルアニメ繋がり。劇場版が6部編成という点でも共通。ついでにスマホゲームにてコラボが2回ずつ実施された。
- ナイツ&マジック:AT-X以外のネット局にて本作の前座枠として放送されたアニメ作品。こちらは一部製作スタッフが同じだったりする。
- ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン:Studio3Hz制作繋がりに加えてキャラデザ原案担当が同じという共通点がある。なお第9話ではアクタスが作画協力を行った実績がある。
- RELEASE THE SPYCE:同じく「スパイ×女子高生」を主眼としたオリジナルアニメ。こちらは現代風で忍者風。
- SPY×FAMILY:スパイがテーマ、主人公がスパイの作品繋がり。OPでピアノのイントロが流れ、車に乗って登場する…など意外と共通点がある。実際に某動画サイトでは差し替えOPなどが作られていたりする。
- スパイ教室:19世紀末のロンドンがモデルとなった美少女スパイアクションアニメ繋がり。
- プリキュアシリーズ:スパイ要素のある作品があるのに加え、一部の声優やスタッフが参加している作品もある。→ひろがるスパイ!プリキュア
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