概要
戦争が行われている期間中に「戦争が終わるまでの数年間もてば良い」という思想の下、極端に短いライフサイクルを想定して設計・製造された輸送機械や構造物のこと。「戦時型(形)とも呼ばれる。(wikipediaより引用)
簡単に言うと、戦争期間だけ使えりゃいいから、ガンガン作れるように設計された物。
具体的な方法
1.木・竹・陶器・布・コンクリートなど別の素材を使う(銅・鉄・アルミニウム・ゴムといった戦略物資の使用量を減らす)。
2.曲面加工や削り出しなどの複雑な加工工程を減らす(工期短縮)。
※削り出し加工は時間がかかる。
3.プレス加工の多用(同上)。
4.一定の基準の制定(同上)。
5.無くてもいい部品は作らない(使用量削減と工期短縮)。
戦時設計で有名なもの(一部)
成功例
・ドイツ国鉄BR52型蒸気機関車
ドイツ技術陣の本気。耐用年数3年のはずが70年以上走っている化物機関車。
炭水車の底部を船底のような形にすることで台枠を無くし、除煙板を無くし、ボイラー上の砂箱などの形状を変えることで資材削減と工期短縮を図った。
戦後はヨーロッパ各国に流出した車両が復興を支え、コピーまでされる始末。結果、何両作られたか把握できない状態に。
・MG42
言わずと知れたヒトラーの電動ノコギリ。MG34は優秀だが高価(357ライヒスマルク)で生産性が低かった(一丁当たり約150人)ので、プレス加工を多用した構造に変更した。そしたらMG34のおよそ半分の人員(75人)や低いコスト(250ライヒスマルク)で作れるようになった。あまりに優秀だったもんだから戦後に7.62mmNATO弾仕様に変更したMG3を作り出してしまった。
・M3サブマシンガン
通称グリースガン。当時制式採用のトンプソン・サブマシンガンの生産性が低かった&重かった&古かった為、新規に製造された。プレス加工と溶接のみで生産でき、設計も優秀。アメリカの同盟国に大量に供与され、フィリピンでは今も現役。本国でも2005年のイラクやアフガンで使われていたらしい。
失敗例
・国鉄EF13型電気機関車
通称木とセメントで造った機関車。暖房・送風機・保安装備など色々端折ったら運用側から嫌われてしまった。ホントにセメントで作ってある。隙間風も酷く、冬場の運用は辛かったらしい。他の車両と一緒に展示された時、設計担当が時の首相東条英機に「寿命はどれくらいか」と聞かれ、とっさに「大東亜戦争に勝ち抜くまで保ちます」と応じてその場を取り繕ったという話がある。
通称リベレーター。1丁あたりの組立時間は7秒足らずで、「装填から発射までよりも短い時間で製造された唯一の拳銃」とも呼ばれる。ヨーロッパ各国の対独抵抗運動への支援を目的に設計された単発銃。弾丸を加速させるには短い銃身・スムースボア(滑腔銃身)の為、狙った所に飛んでいかない・撃ち続けると溶接部分から裂ける・薬莢は自動排出されないなど、欠点の盛り合わせ。まぁ近距離で1、2発撃ち込めりゃいいやと割り切るならこれで十分なのだが・・・。