禅海(1691年 - 1774年)
実在の人物で、現在の新潟県出身。
出家して曹洞宗の僧侶になり、全国行脚で現在の大分県中津市にある耶馬溪のお寺へ詣でた際、近くの川沿いの岩山に渡された桟橋を通ろうとする人馬が転落する事故が相次いでいることを知ると、安全に行き来できるよう岩山にトンネルを掘ることを決心した。
江戸時代であり、岩を砕く機械があるわけでない以上、ノミと槌で掘りぬくしかない時代であった。
最初は自らの手で堀り始め、事業が進むと勧進に回って集めた資金で石工を雇うようになり、納得いくまでやり通した結果、30年かけて150m近い長さの岩山を掘りぬき、自らの目で開通を見届けた。