塔の上のラプンツェル
とうのうえのらぷんつぇる
概要
グリム童話の「ラプンツェル」を原作とした、ディズニーの長編3Dアニメーション映画。原題は「Tangled」(結び目などがもつれた、からんだという意味)。
主人公のラプンツェルとフリンが「輝く未来」を歌う時にランタンが飛ぶシーンは幻想的で有名。
音楽は、アラン・メンケンが担当。「輝く未来」はアカデミー賞、ゴールデングローブ賞などにノミネートされ高い評価を受けた。
当初のタイトルはそのまま『ラプンツェル』であったが、前作の『プリンセスと魔法のキス』が高い評価を得たにも関わらず、収入がディズニー側にとって低かったこと、またプリンセスと強調しすぎたことで男子層から支持を得られなかったことにあると考えた同社が、男女双方へ映画を売り出すために、男性キャラクターのフリン・ライダーを強調し、タイトルを『ラプンツェル』(Rapunzel)から『タングルド』(Tangled)に変更した。
2015年にディズニーとスクウェア・エニックスのコラボレーションゲーム作品「キングダムハーツ3」に満を持して登場することが分かった。
2017年には続編のテレビシリーズとして、『ラプンツェル・ザ・シリーズ』をディズニーチャンネル他で放送。
更に2018年ではシュガー・ラッシュ:オンラインにてウェブサイトのプログラムキャラクターとしてラプンツェルが他のディズニープリンセスと共にゲスト登場する。
物語
18年間、誰も知らない森の奥に建つ塔の中で育ったラプンツェルは、毎年やってくる誕生日に窓から見える無数の灯りを不思議に思っていました。18歳の誕生日が迫ったある日、彼女はマザー・ゴーテルに外へ出たいとお願いしますが、「外は危ない」と説き伏せられてしまいます。母の背を見送りながら落胆するラプンツェルですが、そこへ予期せぬ侵入者が現れます。お城で盗みをはたらき、追っ手を逃れて塔によじ登ってきた泥棒・フリン。彼を縛り上げることに成功したラプンツェルは自信をつけ、盗品を隠して取引を持ちかけます。
――自分を「灯り」のある所まで連れて行き、それが済んだら塔まで送り届けること。
軟禁同然だったラプンツェルは外へ出るなり大はしゃぎ。指名手配の身であるフリンと共に森を抜けて城下町へと向かいます。一方、ふとしたことからラプンツェルの脱走を知ったゴーテルは、彼女を塔へと引き戻すために策をめぐらせ…
キャラクター
ラプンツェル
声:マンディ・ムーア(吹替え:中川翔子/歌:小此木麻里)。
長く美しい金髪を自在に操る、心優しい少女。
髪の長さは70フィート(凡そ18メートル)にも及ぶ。髪には特別な力が秘められており、「外には髪を狙う悪者がいる」とゴーテルに教えられてきたため、ずっと塔暮らしの身の上。不自由な生活とは裏腹に好奇心旺盛で、パスカルとの塔での暮らしを楽しみながらも外に憧れ、「灯り」の正体を確かめたいという夢を抱いている。
読書、料理、音楽など多趣味な中、部屋の壁に絵を描くのが一番の趣味であるが、大作揃いのために余白のスペースはなくなる一方。
18歳の誕生日の前日、フリンと出会ったことをきっかけに、夢を実現させるべく塔の外へと踏み出す。
フリン・ライダー
声:ザッカリー・リーヴァイ(吹替え:畠中洋)
数々のトラブルを切り抜けてきた、自信家でナルシストの美青年。
スタビントン兄弟と組んで王女の冠を盗んだ罪で衛兵に追われる中、身を隠そうと侵入した塔でラプンツェルと出会う。戦利品を隠されてしまい、彼女を灯りが現れる場所まで連れて行くことになる。指名手配中であるため、見つけた似顔絵は片っ端から引き剥がしていく。
世間知らずのラプンツェルには振り回されるばかりだが、彼女のひたむきさに触れるうちに自分を見つめ直し、誰にも話したことのない孤独な過去をラプンツェルに打ち明けていく。
マザー・ゴーテル
声:ドナ・マーフィ(吹替え:剣幸)
ラプンツェルの育ての親で、塔に出入りするただ一人の人間。
ラプンツェルの長髪を昇降機がわりにして塔に出入りする。
隠し事があるかのように、ラプンツェルを塔の中に閉じ込めてきた。外の世界がどんなに恐ろしいことに満ちているか、自分が娘をどんなに大事に思っているか、そしてラプンツェルがどんなに無力かを言い含めている。圧倒的な声量でコミカルな曲から不安をかき立てる曲まで歌いこなす芸達者。
(当然だが、リンク先ネタバレ注意!)
パスカル
ラプンツェルと暮らす小さなカメレオン。
ラプンツェルにとっては唯一の遊び相手であり、何でも話せる大切な友達。
好奇心旺盛で、塔の外でも遊びたい。ラプンツェル以外の人間への警戒心は強く、ゴーテルから隠れたりフリンに不信感を抱いたりする。
マキシマス
城の警護隊長を乗せて走る、危険知らずで仕事熱心な白馬。剣術の心得あり。
犬のように優れた嗅覚を持つが、それでもラプンツェルの塔へ続く道は見つけられなかった。
乗り手がいなくなってもフリン追跡に執念を燃やすが、彼を追った先でラプンツェルと出会い、彼女の優しさに懐いてしまう。ラプンツェルの夢のため、フリンとも一日かぎりの協力関係を結ぶ。愛称は「マックス」。
酒場の荒くれ者たち
街外れの酒場「かわいいアヒルちゃん」を根城にしている。
フックの片手を持つフックハンド(声:ブラッド・ギャレット/吹替え:岡田誠)
大きな鼻のビッグノーズ(声:ジェフリー・タンバー/吹替え:石原慎一)
大男ウラジミールなど、強面の荒くれ者ぞろいだが、それぞれピアニストや恋を夢見る純粋な心を隠し持っている。
ラプンツェルの夢に力添えし、フリンを捕えにきた衛兵から匿って秘密の通路を教える。
スタビントン兄弟
声:ロン・パールマン(吹替え:飯島肇)
フリンと一緒にティアラを盗み出した共犯者。
追っ手から逃げる途中でフリンに裏切られ、復讐のために彼を狙う。
途中でゴーテルに言葉巧みに誘われて協力することに。
警護隊長
声:M・C・ゲイニー(吹替え:佐山陽規)
衛兵の隊長。愛馬マキシマスと共にフリンを追跡する。
マキシマスの優秀さを高く買っている様子。