概要
ホラーのようなコメディ、あるいはコメディのようなホラー。
「笑い」と「恐怖」は一見すると正反対のようだが、「緊張感を保って興味をひきつける」「意外性のある展開をして驚かせる」といった点で似通っており、相性がいいことで知られている。
「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である」とはチャップリンの言葉。同じ「登場人物が不幸に陥る」という展開でも、視点によって悲劇にも喜劇にもなりうる。
ホラーコメディという言葉に明確な定義はなく、以下のような複数のパターンが考えられる。
- モンスター、妖怪、幽霊、死後の世界といったホラー的要素が登場するが、それらが恐怖の対象ではなく、時には愛すべき存在として描かれる。この場合、ホラーではなくファンタジーに分類される場合もある。
- 登場人物が不幸な目に遭うのをドタバタコメディのように切り取った作品。スラップスティックとスプラッターはよく似ている。
- ホラー映画でよく見られる傾向であるが、シリーズを重ねるごとに内容がお約束化・キャラクターのアイドル化が進行し、コメディ寄りの内容に路線変更してしまう。
- 有名ホラー作品や、ホラー作品のあるある・クリシェを利用したパロディ。
- ホラー作品の愛好家や制作者を題材としたコメディ。
なお、「作品としての出来がお粗末なので笑うしかないホラー作品」は含まれないと思われるが、原理としては意図的に作られたホラーコメディと同じである。