Kriemhild Gretchenとは魔法少女まどか☆マギカに登場した魔女のこと。
公式HPにおける名称は『救済の魔女』だが、その魔女名は便宜上にクリームヒルト・グレートヒェンとする。
概要
最強の魔法少女となった鹿目まどかが最大の敵であるワルプルギスの夜を倒し、反動で変化した最悪の魔女。
10話において、暁美ほむらがかつて巡ったある時間軸におけるまどかの末路という形で登場。キュゥべえ曰く「地球の生物を10日程度で滅ぼせる存在」との事。
現代においては核兵器を使えば数時間で地球を破滅させることができるが、すべての生命をいちいち"救済"していることを考えれば、驚異的な速度であることにかわりはない。
魔女になった時間軸での願い事は不明だが、ドラマCDでは黒猫のエイミーを助けることを願って魔法少女になっている。「救済の魔女」という肩書きから、他の時間軸でも何らかの救済を願いとしていると思われる。
最終話である第12話では、まどかの願いが生み出したソウルジェムから途方もなく巨大な魔女が登場。キュゥべえの言によれば「宇宙を創りだすほどの願いが産んだ宇宙を滅ぼしうるほどの呪い」を持ち、その呪いで地球を覆い尽くそうとする。
しかし、まどかの「全ての魔女を消し去る」という願いにより、女神まどかの矢を受けて消滅した。
この魔女は魔女図鑑に掲載されていないが、Oktavia_von_Seckendorffの例によれば時間軸が違っても魔女の名前は変わらないと考えられるため、彼女の名前もKriemhild Gretchenであるとされていた。
公式ガイドブックによりKriemhild Gretchenとは別物であり、すべての魔法少女の絶望から生まれた誰でもない「絶望の魔女」であることが明かされた。
外観
第10話では靄の中にそびえ立つ巨大な山として描かれている。
魔女図鑑の更新により劇団イヌカレーによるデザインが明らかになったが、それによれば山のような部分は無数の繊維状になっており、頂上部分は天を仰ぐ腕のようになっている。
なお、NT誌のインタビューによると、このデザインはワルプルギスの夜と対になるようにデザインされている、との事。
魔女化中に一瞬だけギョロ目の顔を見せたが、この顔が完全成長した際に残っているのかは不明。
第12話版の外観は半分だけ顔の描かれた黒い太陽と言うべきもので、地球を覆い尽くすほどの巨体をもつ。
名前
地上波放送時には何も書かれていなかったため、魔女名は不明だった。
魔女名が判明したのはニコニコ動画配信版からである。
KriemhildとGretchenの2つの名から成る。いずれもファーストネーム。
公式で表記される時はKriemhildとGretchenの間に必ず・(中黒)が打たれている。
Kriemhild
ドイツ語の女性名。
同名の有名な人物に、ドイツの叙事詩「ニーベルンゲンの歌」の主要な登場人物クリームヒルトが挙げられる。
慈愛と復讐の極端な二面性が描かれた人物で、これに関連した考察が為されることもある。物語の前半と後半で著しく人格が変わるので、もともと異なる二人の人物を合成したキャラクターではないかとも言われる。特に後半は、前半で暗殺された夫ジークフリートの復讐のためには手段を選ばない烈女と化し、そのためにおびただしい人が死に、ついには自身も殺されるという救われない結末になっている。
Gretchen
ドイツ語の女性名。
Margareteなどの変形のひとつだが、そのまま名前として使うのも一般的。
同名の有名な人物に、J.W.フォン・ゲーテ作の戯曲「ファウスト」の主要な登場人物グレートヒェンが挙げられる。
敬虔な優しい美少女で、ファウストと恋に落ちるもそれ以降次第に運命を狂わされ、家族を失い、ファウストとのあいだに産まれた子をも殺し、婚前交渉及び嬰児殺しの罪で処刑されてしまう。悪魔メフィストフェレスとの契約によって回収されるはずだったファウストの魂を救い出すのに一役買う「ファウスト」のキーパーソンのひとりで、これに関連した考察が為されることもある。
使い魔
アニメ版で唯一、手下を持たない魔女である。
本質的に手下を必要としないのか、誕生したばかりでまだ作っていないのかは不明。
魔女の使い魔は「(願いとは別に)その魔女が本当に欲しかったもの」を表すという説がある。それに倣えば、人々を救うことそのものが願いであり、そうやって自分のとりえを作ることが私欲であったまどかにとって、手下は必要ないのだともいえる。
魔女の結界
現実世界に顕現している魔女なので、結界は描写されていない。設定によれば地球と同じサイズの球状結界を真上に作り出し、そこに生命を吸い上げているとのこと。
魔女の口づけ
公式サイトの魔女図鑑において魔女の口づけが掲載されていない魔女の一人である(他にはPatriciaとワルプルギスの夜がいる)。
魔女の口づけは一般人を自身の結界におびき寄せるためのものなので、それを必要としない彼女には必要のないものであるともいえる。
彼女のグリーフシードの模様は光の矢であり、二次創作で紋章の類が必要な場合はそれが使われることがある。
その他
魔女名が判明する前はまどか山などと呼ばれており、今でも愛称として使われている。
魔女化した時間軸では願い事の内容が不明であるため、魔女となったまどかが何を考えているかを想像したイラストも投稿されている。
規格外の大きさと事実上無敵というチート性能を持つため、強すぎるキャラの宿命としてギャグ率も多めである。
他にも、キャラがかぶっているElsamariaと一緒に描かれたり、逆にライバル視されたりといったネタもある。
擬人化絵は、上半身がまどかで下半身が魔女体である場合と、いわゆる黒まどかの姿である場合がある。
女神まどかとKriemhild_Gretchenの行動は、全てを救済し、新しい世界を創り上げるという点において一致している表裏一体の関係である。したがって、両者が対照的に描かれているイラストも多い。