「みつけた……。やっと……、みつけ……た……」
概要
王国騎士団が火の魔女の協力を取り付けることに成功した後、王都の展望台にて魔女にしかできない筈の歌を歌い、それをアルトに聞かれるという形で邂逅。
そのアルトと出会い冒頭の謎の言葉を告げると意識を失った。
人物
年齢不詳。見た目で計るならば10歳以下と推測される。
前述の通り記憶喪失であり、覚えていたという「マリー」という名前も確証はなく、非常に謎めいた人物。
身振り素振りや好奇心は見た目の年齢のままであり、王都の店『フランツ工房』の一人娘のレナとは瞬く間に仲良くなった。
別名・表記ゆれ
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ストーリー後半のネタバレ
「……マリーは、消えないよ」
プロフィール
その正体は、千年前の月での戦闘において、マザー・クオリアが攻撃され、破片として地球に落下したクオリアが天使の姿に変貌した存在。言うなれば月の魔女に値する。
但し生まれたての状態では、『負の感情の計測』をはじめとした魔女のクオリアの欠片としての性質が機能しておらず、人間体では記憶喪失として表出していた。
マザー・クオリアとは異なり、負の感情とは無縁に等しい環境にいたためか、人間を嫌うことはなく、それどころか普通の少女と変わらぬ性格となった。
王都での生活を続ける内、人間たちの温かさに触れたマリーは非常に純粋な性格となっている。
要所要所で意味深な言葉を発する通り、月の魔女として元来備わる人格が存在しており、第6章でリゼットを北の大地『ソイ=トゥルガー』に瞬間移動させたが、基本人格はそれを認識していなかった。
第8章でゼノに命を狙われた時に月の魔女としての人格が発現。アルトが初めて聞いたものと同じ歌を歌うことでエクリプスを妨害し、天使たちを撤退させた。
しかしこの行動によって月のクオリアの欠片である彼女の存在がマザー・クオリアの側に認知されてしまい、姉なる者によって月から負の感情を送り込まれ始める…
最終章にて姉から不足していた記憶を遠隔で与えられることで二重人格性は消失。これによってマリーは自由に歌えるようになったが、これは彼女を手早く負の感情に屈させるマザー・クオリア側の算段でもあった。
マリーの正体を看破していたヴェロニカ博士は魔女のクオリアの本質によって、負の感情に抵抗し続けることが困難であることを理解していた。が、マリー本人からその事実はアルトたちには秘匿され続けることになる。
三度の天使の侵攻の際、彼女の歌は超大規模の精神世界を形成し、瞬く間に地球全体を覆うと共に、天使の地球への侵攻を防ぐことでアルトたち調律騎士団の対抗策である『星歌』完成への時間稼ぎを果たした。
しかし、時間稼ぎの限界と共に遂に負の感情に耐えることができなくなり、姉に遣わされたゼノに連れられる形でマザー・クオリアの下に誘致されてしまう。
余談
月のクオリアの欠片が天使という生命体に変化したのが彼女であるが、その原理については不明。
度々彼女の容態を検査していたヴェロニカは特に驚きを見せていないことから、マザー・クオリア誕生時、先史時代の技術で説明できるもののようだ。
マザー・クオリアの破片の段階で、既にエルクレストこと星のクオリアの影響を受けていたようであり、月の魔女でありながら最後まで正の性質の力を発揮し続けた。
アルトと初めて出会った際の言葉や天使の活動を阻害する歌などにもその影響が現れており、本質的に『いい子』になろうとしていたと思われる。