ハクション大魔王(キャラクター)
はくしょんだいまおう
呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!
概要でごじゃる
タツノコプロのアニメである『ハクション大魔王』シリーズの主人公。声優は大平透(無印や『よばれてとびでて!アクビちゃん』等多数)、荒川良々(『おはようハクション大魔王』)、山寺宏一(『ハクション大魔王2020』)。ちなみに、大平透氏が肺炎で亡くなられるまでは、アクビちゃんと違って全ての作品で声の担当をしていた。
魔法の壺の前でくしゃみをすると壺から召喚され、くしゃみをした人物を「ご主人様」と呼んで従う。ただし心から忠誠を誓うわけでなく「そういう決まりだから」従うだけ。「ご主人様」の命令には逆らえないものの不満や愚痴は垂れ流す。
作中ではほとんどの場合はカンちゃんが魔王を呼び出す。だが魔王は魔法が使えるもののその力は万能にはほど遠い。なのでカンちゃんのワガママな願いを叶えるために人間でもできそうな創意工夫を駆使する。その必死な姿は大魔王どころか「子供に振り回されるベビーシッターのおじさん」そのもの。しかも結構ドジなのでそう簡単に思った通りの結果にはならず、最終的にカンちゃんにしっぺ返しがくるというのがよくあるオチ。
魔法を行使する際は、「アラビンドビン、ハゲチャビン」と呪文を唱えつつ手を回して魔法をかけたが、27話Aパートではマジックハンドを使って強力な魔法をかける事が出来るようになった。
たまにカンちゃん以外が魔王を呼び出すエピソードもあり、その場合はカンちゃんのことは「カンちゃん」と呼ぶ。カンちゃん以外の第三者に召喚された時に命じられたことがカンちゃんにとって不利益になる場合、魔王はとても苦悩する。そしてカンちゃんが魔王を取り返すために奮闘したりする。このことは、魔王とカンちゃんは主従の関係を超えた友情で結ばれていることをわかりやすく描いている。
ちなみに、13話Aパートによると一斉に複数人がくしゃみした場合にはその人達が主人になるらしく、壺に変える際も同じようにくしゃみする必要がある。
年齢は300歳。魔法界では、立派な魔法使いになった日には成人式としてマジックハンドが送られるが、大魔王は従来より100年遅かった。
がま口財布の中には色々入っており、空飛ぶ絨毯や木でできた浴槽、透明になれる隠れ蓑等が入っている。
お話のオチでは、大魔王が視聴者に語りかけることが多かった他、特徴的な台詞として「あのねわしゃ、かなわんよ」や「なんとかして下さーい!!」等と言った言葉も特徴的だった。
実は物語の中でややマイナーチェンジしていたりする。初登場時はターバンの色が黄色と青のストライプ(腹巻きと一緒のカラーリング)だったが、すぐに緑色のターバンに変わっている。『よばれてとびでて!』では腹巻きの柄が黄色と緑のストライプに変わっていた。
家族でごじゃる
第1子のアクビ、第2子のプゥータ(『2020』より)が存在している。父親は魔法界の大々魔王であると同時に上司のような存在でもあり、大魔王はいわば中間管理職のような扱いがされているのが分かる。母親はとてもパワフルなお婆さんであり、母の日の特例で地上の世界に出た時は人間たちをこき使っていた。
反面、大魔王の妻は死別しており、無印46回Aパートでアクビちゃんが母親の顔を知らないという台詞が存在し、カンちゃん達家族はアクビちゃんの為に大魔王の再婚相手を探し回った。『よばれてとびでて!』で大魔王の妻の容姿が明確にされ、物心が付かない頃のアクビちゃんをとても可愛がっていた。ただし、『2020』7話では大魔王の妻については魔法界における秘密事項となっており、カンちゃんと違ってカン太郎に対しては黙っていた。
また、人間じゃない彼らの特異的な存在から、主な主人であるカンちゃんは当初家族に彼らのことを隠していた(一方で大魔王達はバレることに抵抗が無い模様であり、むしろ彼らから皆に知らしめようとする事も多い)が、後半では大魔王一家も与田山家の一員として過ごしていくようになった。
壺の掟でごじゃる
こうして地上の世界に馴染み、最終的には町の人達に認知され名誉市民に選ばれるようになった大魔王たちだが、壺の掟により月食の後には100年の間壺の中に封印されなければならないという。
カンちゃん達はひたすらくしゃみやあくびを我慢して別れないようにしようとするが、壺の能力によって強制的にくしゃみやあくびをさせられ、最終的には壺ごと月の彼方へ飛んでいってしまう。
それから30年後の世界となる『よばれてとびでて!』では、修行のためにアクビちゃんだけ特別に地上に出れるようになり(ただしアクビちゃんと新たな主人との別れは描かれていない)、自身は修行を行うアクビちゃんに色々と気を掛けてくれている。
更に、無印から50年後の世界となる『2020』では、封印の期間より早く与田山家へ宇宙から舞い戻り、アクビちゃんの更なる修行も兼ねてカンちゃんの孫へ対面する。
魔法の壷の特徴でごじゃる
作品ごとにデザインが異なる場合があるが、共通している設定もかなり多い。
共通
全体的にマゼンタの色をしており、その壺の近くでくしゃみやあくび等(動物の生理現象)をすると、それに対応したジンが現れ、呼び出した人の願いを叶えさせることが出来る。ただし、必ずしも進んで叶えさせようとは限らず、呼び出した人に非がある場合は愚痴を言ったり、アクビちゃんやプゥータのように勝手にいたずらをやらかしてしまう事もある。外に出られる人の基準は不明だが、劇中で外に出たことのある人は大魔王&アクビちゃん&母親&プゥータといった王族や、しゃっくりによって召喚されるシャックリ先生のみとなっている。
また、49話Aパートによると人間界の人間に魔法を教えることは可能らしいが、実際に取得するにはかなり難しいとのこと。
壺の中は魔法界が広がっており、大魔王達が壺の中に戻る際に彼に捕まると一緒に行くことが出来る。地上の世界と魔法界とでは時間の流れが異なっており、『2020』では姿が地上の世界と魔法界とで異なっている。なお、魔法界では人間界の人がくしゃみをすると大々魔王の手により罰として石化してしまう。
ちなみに壺自体は強力な魔力が込められており、無印の最終回では二人を壺の中に戻らないよう無理矢理閉じ込めてしまっても、念動力によって自分で錠を開けることが出来る他、催眠音波でアクビちゃんの主人(カンちゃんの父親)をあくびをさせたり、目から強力な光線を放って大魔王の主人(カンちゃん)を強制的にくしゃみさせた。
無印
大魔王をイメージしたデザインがされており、目の色は青で大きな鼻にたらこ唇、そして耳たぶのような取っ手が付けられている。大抵のメディアミックスではそのスタイルが主流となっている。
カンちゃんは自宅の天井部屋でホコリまみれの壺に遭遇した。また、アクビちゃんが召喚される場合は壺が回転する事が多かった。
『よばれてとびでて!アクビちゃん』
大魔王とアクビちゃんの特徴を折衷したようなデザインになっており、無印のデザインに加えて睫毛や耳のリングが加えられ、目の色は緑色に変わっている。
眠田ころんは公園の土管の中で壺を見つけ、それ以来彼女らの交流が描かれている。
大魔王は大々魔王の影響で外に出られないが、大々魔王が寝ている時に一度だけ大魔王が外に出たことがあり、その時の主人は手久野博士だった。
『ハクション大魔王2020』
全体的にデザインが簡略化されており、鼻が小さくなった他たらこ唇や耳たぶが無くなっている。大魔王やアクビちゃんにおける回想シーンでもデザイン変更後のスタイルが用いられている。(つまり無印の壺と同じである事が描かれている)
無印の最終回で宇宙へ飛び出した壺が、大魔王からの小包という形でカン太郎の元へ渡る形で与田山家へ戻っている。壺を常に身につけられるように、アクビちゃんの手によりカン太郎の服に取り組まれる形で融合させた。
好物・苦手な物でごじゃる
ハンバーグが大好物(本当は初期設定ではコロッケ。作中で油で揚げる描写があるなど全然ハンバーグっぽく見えないのはその名残)で、百個のハンバーグを簡単に平らげる事が出来る。ハンバーグへの執念は深く、いかなる手段を使ってまでハンバーグを手に入れようとしたり、ハンバーグを横取りした人には激怒したりする。
『よばれてとびでて!』では、そのハンバーグを使った料理であるハンバーガーも大好物となった。
逆に彼は大の算数アレルギーであり、数を計算するとアレルギーでじんましんが出るほど。カンちゃんから算数の宿題の依頼が出されたときには強烈に拒絶反応を起こしてしまい、代わりにアクビちゃんが手伝うこともあるが彼女のいたずらで台無しになることも。
他にはブルドッグのブル公も苦手で、彼にしょっちゅうお尻を噛まれることも多い。ただし『2020』ではいつの間にか和解したようで(無印最終回ではブル公も大魔王の事を想っている為、その影響で仲直りしたのかもしれない)、大魔王とブル公が仲良くなっている様子が見られる。
50年後の姿でごじゃる
前述したようにカンちゃんの孫と出会ったときには、時代が長く過ぎ去った為に色々と心身共に変化が起きている。詳しくはハクション大魔王(2020)も参照のこと。
余談でごじゃる
くしゃみにまつわるキャラクター・アレルギー持ちである事から、花粉症やアレルギーの啓蒙パンフレットのキャラクターに採用された事もある。
また、上記のような設定から『アラジンと魔法のランプ』をモチーフとされており、制作段階では筋肉質な大魔王を構想していた模様。