アナスタシア(20世紀フォックス)
あなすたしあ
概要
1956年公開の『追想』のリメイクであり、20世紀フォックスが初めてアニメ製作した作品。
アンナ・アンダーソンが、実は17歳でロシア革命で殺害されたはずの皇帝ニコライ2世の末娘のアナスタシア皇女では無いか、という20世紀で最も有名の謎の一つアナスタシア伝説が元になっている。
第70回アカデミー賞の主題歌賞と音楽賞にノミネートされた。
ストーリー
革命から10年ほどが経ったロシア。
悪党や暴徒の手から生き延びたものの記憶喪失の孤児となっていたアーニャことアナスタシアは、微かに残る祖母との記憶が忘れられず旧帝都のサンクトペテルブルクへ向かう。
祖母の待つパリに向かうには偽造パスポートが必要だと知り、街の市民の紹介で知り合った善人な詐欺師のディミトリーとウラジミールと共に国外へ脱出する。
生活苦から亡命も考えていた詐欺師たちは、アーニャを行方不明中の「アナスタシア皇女と思われる人物」として仕立て上げてパリのマリー皇太后の侍女に会わせて紹介料をいただく目的があったが、実はこの2人は元宮殿の職員であり、ディミトリーはアナスタシアと祖母を城外に逃した張本人であった。
そして革命のきっかけを作った魔法使いラスプーチンの呪いが3人を襲う。
登場人物
- アナスタシア皇女/アーニャ
主人公。革命時に祖母と生き別れとなり怪我で記憶喪失となっていた。ほんの僅かな記憶を頼りに、紹介された就職先を蹴ってパリへ向かう。
CV:此島愛子
ニコライ2世の母親でアナスタシアの祖母。革命時はパリに避難できたが、生き別れとなった孫娘を多額の報償金を出してまで探し続けていた。
- ディミトリー(英語版ではドミトリー)
CV:石川禅
詐欺師の青年。少年期は下男として宮殿で働きアナスタシアとも面識があった。道中で徐々にアーニャの正体に気づき始める。
- ウラジミール
詐欺師の中年男性。元宮殿職員として道中でアーニャにダンスや乗馬を教える。アーニャとディミトリーの関係の変化を父親的な立場から見守る。
- プーカ
孤児院を出たばかりのアーニャが拾った子犬。パリへ帯同する事になり特にウラジミールに懐く。
CV:壤晴彦
本作では本物の魔法使いで、皇帝に失脚させられた恨みから革命の発端となる呪いをかける。川で水死したと思われていたが、呪いの代償として皇帝一家を全員抹殺するまで成仏できずこの世とあの世の間に閉じ込められていた。
- バルトーク
CV:中尾隆聖
ラスプーチンの部下で人語を話す白コウモリ。10年近くも主人の遺品を守っていたほど忠誠心はあるが、本人自体は悪人ではない。アーニャの殺害を企む主人を何度も落ち着かせようとする。
- ソフィー
マリー皇太后の歳の離れたいとこで侍女。孫探しを半ば諦めていた皇太后に代わって事務を執り行う。ウラジミールとは旧知の仲でそれなりに良好な関係の様子。
楽曲
どれをとっても作品になじんでいると評価されているがなかでも印象的なのは、作中でアナスタシアが歌う「Once_upon_a_December」だろう。
余談
本作とは全く関係ないが、白コウモリのバルトークはこの後同じ監督のOVA作品『バルトーク_ザ・マジシャン』という作品で主人公となっている。