登場怪獣:円盤生物ロベルガー2世・硫酸怪獣ホー
概要
『ウルトラマンメビウス』第41話で、ウルトラマン80初の客演回である。2007年1月27日放送。
脚本:川上英幸、監督:佐藤智樹、特技監督:鈴木健二。
「教師編」と呼ばれた序盤編の完結エピソードと呼ばれており、『80』真の最終回との呼び名も高いエピソード。
あらすじ
ある日、地球に以前メビウスが倒した円盤生物ロベルガーの別個体ロベルガーⅡ世が出現した。
ロベルガーⅡ世を追って、ウルトラマン80が26年ぶりに地球に到来する。80はメビウスと協力し、ロベルガーⅡ世に苦戦しつつも、これを撃破する。
80は地球に再びマイナスエネルギーが発生しつつあることをメビウスに伝えた。
マイナスエネルギーとは、ウルトラマン80の時代に怪獣の発生源となっていた人間の恨みや悲しみ、憎しみなどから生まれる特殊なエネルギーのこと。80が地球を去ってからは発生することも無くなり、既に過去のものとなっていたが、それが再び蘇りつつあるというのだ。
80の出現は新聞でも報道され、かつての桜ケ丘中学校の生徒たちの目にも留まった。
かつてウルトラマン80=矢的猛が勤務していた桜ヶ丘中学校が、老朽化と生徒数減少により、閉校することが決まった。
矢的に憧れて教師となった、かつての教え子・塚本は、同級生の落語とスーパーに出会い、クラス会の企画を立てる。
調査のために町を訪れたヒビノ・ミライはクラス会のことを知り、80に伝えるが80は皆に会えないと言い出す。嘗て、激化する怪獣との戦いに専念するために教師を辞めざるを得なかったことを80は今も悔やんでおり、合わせる顔がないと思っていたのだ。
来れないことを謝ってほしいと頼まれたミライだったが、新聞に80が地球に来ていたことが報道され、矢的の正体が80だと思っている塚本達は恩師に会えると期待しており、そんな彼らにとても「矢的は来ない」などと伝えられないままクラス会当日になってしまう。
しかし、桜ヶ丘中学校に集まった塚本達の前に硫酸怪獣ホーが出現。ウルトラマンメビウスが応戦するが、ホーは泣きながら暴れて、メビウスを苦戦させる。
とその時、空から駆けつけたもう一人のウルトラマンが…
「あれは!」「ウルトラマン」「80!」「俺たちの!」「ウルトラマンだ!」
かつての教え子たちが口々に叫ぶ。
塚本は思わず、 「矢的先生…矢的先生ェー!!」 と歓喜する。
80「マイナスエネルギーによって出現した怪獣ならば、私が倒す!」
80はバックルビームでホーを浄化する。ホーは80に抵抗するそぶりを全く見せず、その顔はどことなく満足していた様子だった。
去ろうとする80に、塚本が力のあらん限りに叫ぶ。
「先生に憧れて、僕は教師になりました!」
その言葉を受けて、次々に教え子たちが近況報告をする。
ファッション「私は結婚して、3人の子供のお母さんです!」
落語「僕は、地元の信用金庫に就職しました!」
博士「大学で、研究する日々を送っています!」
スーパー「親父のスーパー継いで、頑張ってるぜ!」
そして、手作りの横断幕を広げる。そこには、「矢的先生 思い出をありがとう」と書かれていた。続いて生徒たちは「仰げば尊し」を合唱する。その合唱を聞いた後、80は空へと飛び去った。
夕暮れ。ミライの元に、矢的が人間の姿で現れる。
矢的「教え子たちに逆に教えられてしまったな。」
「あっ、矢的先生だ!矢的先生ー!!」
矢的が、教え子たちの輪に入っていく。ウルトラマン80ではなく、地球人・矢的猛として、時間の許す限り、教え子たちとの束の間のひと時を楽しんだ。
もしかしたら、ホーは踏ん切りのつかない矢的を教え子に合わせるために桜ヶ丘中学校が生み出したのかもしれない。ミライはふと、そんなことを思った。