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ホメオパシーの編集履歴

2020-07-27 02:23:24 バージョン

ホメオパシー

ほめおぱしー

ホメオパシーとは、「その病気や症状を起こしうる薬(や物)を使って、その病気や症状を治すことができる」という原理、および治療法のこと。現代では疑似科学として扱われる。

概要

極度に希釈した成分を投与することによって体の自然治癒力を引き出すという思想に基づいて、ある物質を何十回も水で薄め、砂糖玉にしみ込ませた「レメディ」と呼ばれる錠剤を飲むと自然治癒力が回復し病気が治る、という触れ込みである。

具体的にはAという症状に対し、Aを引き起こす物質Bを希釈した水を染み込ませたレメディを服用することで、Aが回復する、という流れである。


現代医学においてはプラシーボ(偽薬)以外の効果は特にないと定義される。

そもそも原物質が無くなるほどに薄められており、科学的にはどう考えてもただの砂糖玉でしかないのだが、信じている人達は「物質のパターン・波動が水に記憶される為、治療効果がある」と思い込んでいる。いわゆる「オーラ」や「水の記憶」との相性が良く、物質が希釈されればされるほど効果がある、という現代科学とは真っ向から対立する思想を持っている。


歴史

もともとはドイツの医師であるザームエル・クリスティアン・フリードリヒ・ハーネマンが18世紀に考案した。

当時の医療は瀉血といって、「体内の不要物や病気の原因となる物質」を取り出すため、わざわざ血を出して治療する、というほぼ迷信に近い療法が横行していた。

当然この「治療」が逆効果になって死亡する人も多かった。


それに比べば、ただの砂糖玉を与えるだけで実質何もしていないホメオパシーは人間本来の自然治癒力を邪魔することはなく、少なくともマイナスではなかったのである。しかしハーネマン自身は「(患者本人のの自然治癒力により)病気が自然に治った」のをホメオパシーそのものが効いたと思い込んでしまい、この間違った見識に基づいたトンデモ理論を構築して行く事になる。その結果ヨーロッパではすっかり広まってしまい、保険適用される国まで出る様になった。


また実質ただの砂糖玉である故に経費が安く、お金のない発展途上国でも広まってしまった。


しかし、近年の先進国ではその非科学性が広く知られるようになり、ヨーロッパ諸国では既に保険対象から外されている。


問題点

現代の科学からすればまったくの出鱈目でしかないのだが、使っている人の中には、病気が自然に治っただけなのをホメオパシーのおかげと思い込む人が多く、結果的に現代医療を遠ざけるようになる者も少なからずいる。またホメオパシーの団体やホメオパス(ホメオパシーの施術者)の中にも各種陰謀論と結びつき現代医療を受けさせない用客に誘導する者が少なからずいる。これが自分だけならまだしも、信者の親が我が子に受けるべき医療を受けさせず重大な結果を招く例が時々起こっている。

酷い例では医療の専門家がホメオパシーを信じ込んでおり、かつては助産師がホメオパシー信者であったため与えるべきビタミン剤のかわりにレメディを与えたため新生児が死亡して訴訟沙汰になった事件もあった。→山口新生児ビタミンK欠乏性出血症死亡事故


しかし雑誌等でオーガニックブームなどの影響からファッション的に紹介されたり、中には一部の医師看護師などの医療有資格者に信奉する者がいたり、なかには著名人が利用に言及し、結果として業者の広告塔状態になっていることがある。

例として、爆風スランプサンプラザ中野くんなどは、メディア出演の際にホメオパスであることを公表している。


日本は中南米やインド、ヨーロッパ等と比べればもともとホメオパシーの信奉者は少なかったため、社会問題として取り上げられることは少なかったが、鳩山由紀夫政権時には鳩山本人がホメオパシーの信奉者であったため長妻昭とともに予算をつけようと目論んだ。これは各学会で猛烈な反発を呼び、日本学術会議が「ホメオパシーは非科学的な理論であり、治療効果も無いことが証明されている」という趣旨の声明を出す事態となった。日本医師会および日本医学会もこれに賛同する談話を出した。


また、ホメオパシーの派生として「バッチフラワー」(フラワーエッセンス、フラワーレメディ)と呼ばれるものがある。これはホメオパシーの信奉者であった医師のエドワード・バッチが生み出したもので、花を朝日に照らされた水に浮かべたり煮出したりして「花の癒しのエネルギー」を転写すると称したものである。

植物の成分が多少なりとも含まれるアロマテラピーの精油やハーブティーと異なり、科学的にはただの水でしかないのだが、ホメオパシーとセットで売られることも多く、またアロマグッズショップなどでアロマテラピー用品と混同されて売られたり、先述の通り雑誌やインターネットでファッション的に紹介されることも多く、疑似科学にハマる入り口となっている。


「自然派ママ」など、一部インターネット上のコミュニティからも広まることがある。また、その思想から「反現代医医療」や「反ワクチン」との親和性が高く、医療トラブルの原因の一つになっている。がんなどの「代替治療」でもホメオパシーをはじめとする疑似科学/民間療法が取り入れられていることが大半で、悪化の原因となったと推測される事例がいくつも報告されている。



2020年現在、「ホメオパシーはコロナウイルスに効果がある」などといったデマが広まっている。上記の通りホメオパシーに科学的な効果はないので絶対に信じないように。


外部リンク

ホメオパシー - Wikipedia

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