草薙柴舟
くさなぎさいしゅう
「火遊びは危険じゃぞ!!」
プロフィール
人物
KOFシリーズの中心人物「草薙京」の実父。
息子同様、草薙と八神の争いには逆らえず庵の父と拳を交えている。ちなみに、今日に至るまで、その八神庵の父親は名前どころか顔すら出た事が無い。主人公の父という役得ゆえか。
来歴
京が幼いころから厳しく草薙流継承者としての教育を行っていたが、京が15歳の時に負けてしまい継承者としての座を明け渡している。
新声社発行の『'94』の謎本の時点で「(継承者を譲ったあとも)いち早く京に継承者を譲るためにわざと負けたのではないのかと誰もが思うほどの強さを誇っていた」と書かれていたり、後の『XII』の京のバックストーリーでも京本人から「三種の神器の宿命から解放されたかった柴舟が、わざと自分に勝ちを譲ったのではないか」と疑われている。
その後、武者修行の旅に出て姿を消すが『KOF94』の決勝の舞台、つまりルガールの拠点「ブラックノア」でルガールにフルボッコされた姿で京の前に姿を現す。
そのまま息を引き取ったような描写でエンディングでのブラックノアの自爆後も救出されたようなシーンはなく、存在ごと無視されていた。
前述の『'94』の謎本では「KOF優勝者以外でルガールを上着を脱いだ本気状態にすることができた6人の内の1人である」と記述されており、やはり設定上はかなりの実力者であることも覗える。
『'95』では「フッ、ワシはルガール様の手によって蘇った。」と不敵な笑みを浮かべつつ中ボスとして登場。
京も「ば、ばかな!?親父が生きているはずが・・・!」と驚愕していた。
瀕死の柴舟を治療し洗脳したのは当時ルガールの秘書だったバイスで、かなり苦労したらしく彼女の嫌いなものに名指しで挙げられている。
戦闘後はまたしても引き取ったような描写を見せるが、エンディングでは姿を消しており、京は「あの程度で死ぬ訳ないと思っていたが・・。」と呟いていた。
そして柴舟は「どうやらワシもお前も草薙の宿命から逃れられんようじゃな。」と元気な姿で新たな戦いへの覚悟を決めるのだった。
だが『'96』以降の出番は皆無でストーリー上でも一切触れられていない。
決勝戦の背景でそれらしき人物が神楽ちづるの戦いを観戦しているが、ゲーニッツが乱入して会場が暴風で破壊された時には、他の観客と一緒にどこかへ飛んで行ってしまったのか、既にいなくなっている。
結果的には「逃れられないはずの草薙の宿命を息子に押し付けて逃れ切ったトンデモ親父」というのがストーリー上の柴舟の扱いである。
その後ストーリーの無いお祭り作品である『'98』にて、タクマとハイデルンと共に親父チームを組んで登場。
「タクマと柴舟が飲み屋で呑んでいたところ、ハイデルンがひょっこり姿を見せ、意気投合してチーム結成」という経緯が公式で発表されている。ハイデルンが日本の飲み屋に立ち寄る要件は未だに謎。
『2001』の日本チームEDでは、落ち込んでいる真吾を師匠として手ほどきを始めたようだがその後は音沙汰なし。
『KOF NEOWAVE』では、クーラ、真吾で「混合チーム」として出場しているがその経緯は不明である。(そもそもストーリーがない)
『KOFXIV』では、武者修行に戻ってきた京にKOFの招待状を渡し、タンフールーからの頼まれごとを依頼した、今回のKOFはなにかよからぬことがあると告げる。
いさき玲衣ノベライズ「KOF95」では、仮面を被った正体不明の男として京に襲い掛かる。(京は最初は庵だと疑っていたが、仮面の男と庵の炎の色が違ったため後で気づいた。)
嬉野秋彦ノベライズ「KOF98 最大多数の最大幸福」では、いままで草薙の宿命に手助けをせず、ことが終わったらひょっこり戻ってきたことに激怒した京にボコボコされた挙句、ハイデルンとタクマ・サカザキに見捨てられた。
同じくノベライズ「KOF2002」では、正月に夫婦と過ごしていたところ逃走資金もといお年玉をせびろうと帰ってきた京に追い出され締め出されるという始末。
ちなみに京が逃走している間、ネスツが屋敷の周りをうろついている度に追い払っているらしい。
性格
見た目と『'95』でのボイスで渋い親父キャラと思われがちだが、『'98(UM)』での勝利メッセージに『はっはっはっ、熱かったか、すまんすまん』などと一応相手を気遣ったり、勝利画面で『オレたちひょうきん族』に登場する懺悔の神様の真似をする、挑発が耳くそをほじるというやや茶目っ気な性格が本来の彼である。
好物にも息子とは違いがあり、息子の好物が焼き魚とオッサンくさいのに対し、親父はイチゴのシャルロットとカレーうどんと子供が好きそうなものである(異論は認める。)
一方でズボラで気ままでもあり、京が学校をさぼったりするのは親父譲りである。やはり親子の血は争えんな。
外伝作品の「KOF京(ゲーム版)」では最終決戦奥義・無式をユキを救うために独力で体得した京に対し「愛する者を護ろうとする意識が極限まで高めてこそ扱える技なのだ。ワシでさえ「無式」は習得してはおらん」とうっかりこぼし、奥さんの静に「あなたは私の事をそれほど愛してもなく、護ろうともしていない…という事になりますわねえ?」とつつかれて参っている。
夏元雅人のKOF京(漫画)では、原因不明の弱体化により心の隙を付かれた京がオロチの力に取り込まれ闇落ちしたときには、何のために強くなるのかを思い出させ正気に戻した。
性能
無敵対空技と飛び道具が強力で、これら二つでも戦えるほどである。他の必殺技も全体的に高性能で、技バランスに優れており、初心者にも使いやすい。
遠距離からの波動昇龍と、有利フレームをとりやすい通常技と外式・頭椎を駆使した固めが非常に強力。しかし、通常技は真吾とほぼ同様で、立ち攻撃のリーチがどれも短く、性能は決して高くない。空中技の性能も悪く、空中戦では負けやすい。
『NEOWAVE』では通常技の性能が強化されている。特にしゃがみ強キックはなぜか長い無敵時間があり、しかもガードポイントがついているなど、かなり強力である。空中ふっとばし攻撃もカウンターヒットすると2ヒットするなど強力になっている。また、必殺技の性能も向上しており、特に闇払いは発生が遅くなった代わりに隙が少なくなり、ダメージが非常に高くなった。防御力は全キャラクター中最大となっている。
謎の趣味
さて、そんな柴舟のプロフィールでひと際目をひくものがある。
「親父狩り狩り(おやじがりがり)」
これは、1998年当時社会問題となっていた親父狩り(金を持っている中年をターゲットとしたDQN少年たちによる反社会行為)に対し逆に狩ってやるという豪快なもの。
一見痛快な趣味に思われるが、一歩間違えれば過剰防衛で逆に逮捕されかねないので注意。
原作ブレイクな映画
実写映画版KOFでは俳優ヒロ・カナガワが演じている。
「草薙の剣」を守護する草薙の一族の末裔として「KOF」の優勝者に次元の覇者たる三種の神器の力を与える役目を持ち、同時に優れた格闘家として十年前までKOFの王座を守っていた。
十年前、オロチの力に呑まれ暴走した八神庵に瀕死の重傷を受けさらに廃人となってしまう。