概要
全身に刺青を入れた、コンゴ出身の巨漢の黒人。洪小虎を超える闘技者を求めた東郷とまりが遂に探し当てた伝説の傭兵。全身に彫られた禍々しい入れ墨がトレードマークである。
トーナメントのことを「戦い」ではなく、一方的な「人間狩り(マンハント)」と称し、自身を人類最強と称して憚らない。依頼と報酬さえあらば躊躇無く人を殺す殺人者である。
軍隊格闘術(サイレントキリング)の達人であり、シエラレオネでクーデターが起きた際に鎮圧のため政府から雇われ、その際完全武装した反乱軍を単身・素手で一発の銃弾に当たることなく皆殺しにするという離れ業をやってのけた怪物。地元アフリカでは「コンゴの死神」「伝説の殺戮傭兵」など様々な異名でその名を轟かせており、最新鋭の銃火器で武装したソマリア沖の海賊たちですら震え上がるほど。
実は盲目であり視力を他の感覚で補って(主に聴覚)いる。
また大変な性豪であり、トーナメント開催地に向かう拳願号の船室内では、東郷とまりにあてがわれた女たちを食い散らかしており、仕合の入場前にもつまみ食いとして女たちを食い散らかしていた。
このように傲岸不遜な性格の持ち主に見えるが、一方で金銭関係に厳しく分不相応な生き方を否定するなど、修羅場を潜り続けた猛者らしい現実味のある人生観の持ち主でもある。
以下ネタバレ注意
ムテバの人気が沸騰するようになったのは関林ジュン戦。プロレスラーとしての闘技者の誇りを知り敬意を覚えるようになったため、プロレスの流儀であえて3カウントを取って勝ったり、耳を再生可能な程度に手加減してもらったお返しに命までは取らなかったり、「金にならない仕事に興味は無い」と言っていたはずなのに金にならないクーデター鎮圧に「プロレスを教えてもらった授業料を払ってなかった」と無理やり理由をつけて協力するような義理堅さ・誇り高さを見せた。
元々ムテバ本人は殺人にエクスタシーや生きがいを見いだす快楽殺人者では無く、あくまで傭兵として依頼の中で行っているだけである。
仕事となれば容赦はしないが、プライベートでは面倒見のいい気さくな人物と言える。
あと趣味としているだけあってファッションもカッコいい。
その活躍や性格からファンも多く、「ムテバさん」と呼ばれることも多い。
活躍
ネタバレ注意!
トーナメント1回戦では目黒正樹と対戦。
当初は油断していたのか開始早々投げられ、いきなりマウントポジションを取られ、攻防の果てに目黒の右目と三半規管を潰すが、自身は両目を潰されてしまう。万事休すかと思われたが、目黒に金的攻撃を行いマウントポジションから離脱し、また目黒に攻撃を仕掛けられるもまるで目が見えているかのようにかわした上でカウンターを仕掛け、この際もともと全盲であることが発覚した。
その後本気を出し首をへし折り、潰した右目から脳に到達する二本貫手で目黒を殺害し勝利する。
続く2回戦目では関ば···ではなく関林ジュンが呼び寄せたマーヴェラス・セキと対戦。
試合開始直後に目潰しを行うも、相手がプロレスラーだったため対処され鼓膜を破られてしまう。
その後も自分と対等に戦う彼に対し、「久々に『戦士』として戦いたい」と感じ、相手の鼓膜を破ったあとに心臓突きを食らわせ戦闘不能にする。
しかしそれでも立ち上がる彼に敬意を示し最後は裏投げの後にカウントを取ってプロレスの勝ち方で勝利する。
東電のクーデターの際には怪我人が多く襲撃者に苦戦していた医務室に駆けつけ「プロレスの授業料」という名目で鎮圧に協力した。
3回戦は若槻武士と対戦。
2回戦での鼓膜へのダメージが治りきっていない状態のものの嗅覚で補い、組み技に持ち込もうとする若槻の経穴を突くことで回避し彼の圧倒的なパワーを警戒しながらも優位に立つものの、鼻を攻撃され嗅覚を奪われてしまう。
完全に「視えない」状態に追い込まれたムテバを若槻が倒して試合終了――
と、なったはずだった。
しかし、実際はムテバの貫手が若槻の首筋に刺さっており、逆に攻めた若槻の方が重症を負うことになった。
実は2回戦以降ムテバは岩美重工から振動感知、赤外線感知などの機能が備わった特殊な義眼を提供されており、試合で性能のモニタリングも行っていた。
若槻が自らの嗅覚を封じようとしているのを気づいたムテバはあえて攻撃を受けることで若槻を油断させ、その隙をついて一撃を決めたのだった。
しかし若槻の方にムテバの視線の動きから目が見えていることを悟られており、貫手を筋肉で止められ警戒していた「爆芯」を食らってしまう。
致命傷は免れたものの右手が破壊される重症を負ったムテバ。
貫手は防いだものの傷は決して浅くない若槻。
両者が満身創痍の中ムテバが次に取った行動は――
「俺は棄権する」
まさかの棄権宣言。これにより準決勝には若槻が進出し、ムテバは3回戦で敗退となった。
当然優勝を狙っていたとまりは激怒したものの、関林によれば、「闘技者は勝ちを第一に考えるが、傭兵は生き延びることが第一と考える」と説明。つまるところこれ以上戦えば今後の仕事に支障が出るので棄権したということである。
だがとまりは納得せずこれ以上の追求を避けるために「一回だけ無料で仕事を請け負う」と契約を結んで会場を去った。
ケンガンオメガ
とまりと共に煉獄との対抗戦を観戦している。