『土佐日記』(古くは土左日記と表記)は平安時代前期から中期にかけての貴族紀貫之による紀行文。赴任先の土佐国から京に帰る最中に起きた出来事を虚構を交えて日記風につづったもの。
概説
男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。「男が(漢文で)書くという日記を女(である私も仮名で)書いてみようと思う」という書き出しで始まり、実際には男性貴族である作者(貫之)が女性であるという体で書かれている。その割には明らかに男性が書いたとわかるようないわば下世話な内容もある。
貫之が何を考えてこんなことをやらかしたのかははっきりしないが、「記録」ではなく「創作」としての日記を作り出そうという意図があったことは確かである。よって、日本初の紀行文であり、最初の日記文学とされる。
本作は57首の和歌を含み、平安女流文学の成立に大きな影響を与えたとされる。
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おくのほそ道...本作と並んで有名な紀行文の古典。