概要
十鬼蛇王馬と瓜二つの顔立ちをしている、『中』出身の青年。光我と同じ年程に思われる。
「拳願仕合に出たい」と拳願会前会長の片原滅堂の下を訪れた後、彼の推薦で山下商事へ行って闘技者となり、そして成島光我とともに山下一夫の家で暮らすことになる。
のんびりした性格なのか、中々軌道の読めない発言をする事がある。その内心は「空っぽ」「良い人間でも悪い人間でもない、何もない」「誰も信じてない」と評される程空虚。みだりに人を殺傷するわけではないが、自分に殺意を向けてくる者への殺人への忌避感や罪悪感と言ったものはまったく無い。
またルールに則った仕合の経験も一切無く、"癖"で相手を殺そうとしてしまうこともある。殺意を少しでも隠そうとする意識も無いため、裏格闘技にある程度のレベルで通じている者なら簡単に感じることができてしまう。
彼が王馬と違うのは、人の名前をカタカナフルネームではなく誰に対してもいきなり下の名前で呼ぶところである。
またキャラ物や動物柄を好むなど、ファッションセンスがとても子供じみており、光我には〝壊滅的〟だと言われる。ワンアクセントに光我が選んでみた伊達メガネをえらく気に入り、それ以来普段から掛ける程好むようになる。
勝手にライバル視してくる光我のことは最初は軽くあしらっていたが、2人で色々なことを経験するうち友達として認識し、殺人衝動の中で光我のことを思い出したり、光我のことで怒るなどの成長を見せている。
使用武術は臥王流。王馬の二虎流の原型となった古武術であり、共通点や原理が同じ技が存在するものの、基本的には武器も遣うことを想定した奇襲・暗殺主体の武術であり、一度タネが割れてしまうと防ぐのが容易になるため、現代的な仕合には向かない点も多い。
時折、つい最近まで共に暮していたという「じーちゃん」の存在を口にする。その正体は明らかになっていないが、臥王流の創始者・臥王鴾角である可能性が推測される。
王馬との接点は武術の流派以外では一切明らかにされていない。山下はDNA鑑定にかけようとしたが『蟲』の襲撃を受けて、できず終いとなっている。