ひとつの頭を斬り落とすと傷口からふたつの頭が再生すると言う驚異の再生能力の持ち主。また、複数ある頭の内、中央のひとつは不死だと言われる。
強力無比な猛毒を持ち、その効力は不死である神々ですら苦悶する程。
女神ヘラによって地上に使わされ、レルネーと言う沼に陣取って付近の人畜に甚大な害をもたらした。
英雄ヘラクレスの「十二の難事」の二つ目の試練にて彼と戦う。「火で焼かれると再生能力を失う」と言う弱点を見抜かれ、頭を切られたそばからヘラクレスの甥によって傷口を焼かれ、再生できずに敗れた。また不死の頭は地中深く埋められ、巨岩を重石に乗せられて封印された。
この試練はヘラクレスの勝利に終わったわけだが、ヒドラ自身は強力な呪いを残していった。
と言うのも、ヒドラは血液もまた強い毒性を持つのだが、それに気づいたヘラクレスは自分の鏃全てにこの血液を塗りつけた。結果、ヘラクレスは強力な毒矢を獲得するが、その矢で誤って師匠のケンタウロス、賢者ケイローンを射てしまう。ケイローンは不死であったために地獄の苦しみを受け、彼は不死を返上して星座となった。また、ヘラクレス自身も妻によって衣服にヒドラの血液を仕込まれ、そうと知らずに服を着たために体が腐食してしまう。彼は自身の体を焼かせて星座となった。
非常に有名な怪物のひとつであり、昨今ではRPGのエネミーとしても頻繁に登場する。