概要
仮面ライダー第三作。前作の本放送時後半から、マジンガーZをはじめとしたロボットアニメブームにより視聴率にはかげりが見え始めたことから、この作品は企画初期段階で従来の同一の世界上の物語であること、従来作品でおなじみの立花藤兵衛が続投することも決まっていたものの、同時にいくつもの新しい試みが行われた。
あらすじ
ある日、神敬介は城北大学教授そして父親でもある神啓太郎のもとへ訪れた。そこで敬介は啓太郎から人間工学の研究成果と自分の頭脳を狙ってGOD機関の魔の手が伸びていると警告を受ける。しかし、元から関係が険悪のため敬介は啓太郎の言うことを一向に聞かない。そこに、ついにGOD機関の刺客が二人のもとへ来たのだった。頑なに協力することを拒否する啓太郎の姿に業を煮やしGOD機関は啓太郎を助けに入った敬介もろとも殺害する。だが、瀕死ながらも啓太郎は生きていた。啓太郎は自分の息子でもある敬介を人間工学の知識と技術を用いて改造人間「カイゾーグ」としてよみがえらせると同時に息を引き取った。よみがえった敬介は仮面ライダーXに変身しGODの刺客を蹴散らす。今ここに仮面ライダーXが誕生したのだ。しかし彼の前に父の助手でかつての恋人、水城涼子がGOD機関の一員として現れた・・・・・。
登場人物
本作の主人公。仮面ライダーXに変身してGOD機関と戦う。
仮面ライダーX
主人公・神敬介が変身するライダー。深海開発用改造人間(カイゾーグ)技術によって改造された水中戦を得意とするライダーで、ベルトには変幻自在の固定武装であるライドルが装備されている。
アイテムを用いて変身するスタイルを初めて取り入れたのだが時代を先取りしすぎて受け入れられず、後に仮面ライダーV3によってマーキュリー回路を与えられて以降は従来の変身ポーズによる変身に変更されている。
メカニカルなデザインの風貌だが、これはライバル番組にマジンガーシリーズをはじめとしたロボットアニメがあったためである。
それもあってかモチーフとなった生物は存在せず、配色の関係もあってかビジュアル的には全ライダー中最もスカルマンに近くなっている。
本作における悪の組織。その目的は、力をつけつつある日本を壊滅させることである。従来の秘密結社と違いこの組織は、大国同士が水面下で手を結び設立した。
余談
ロボットアニメの台頭により変身ヒーローブームにかげりが見え始めた頃の作品であるためか、様々な試行錯誤が盛り込まれたことでも有名。神話をモチーフにした造形の怪人・仮面ライダーシリーズ初の本格的ライバルキャラクター、アポロガイストの登場・国家間の政治的理由で組織された悪の軍団など意欲的なアイディアが投入されたのだが、視聴率は振るわず結果的に打ち切りとなってしまった。しかし本作で培われたアイディアはその後のシリーズにも活かされる事になり、仮面ライダーというジャンルを発展させた橋渡しとなったのも事実である。