ケンメリ
けんめり
1972年に「ハコスカ」こと3代目スカイライン(C10型)のフルモデルチェンジによって登場した4代目スカイライン「C110型」の渾名。
解説
ケンメリの愛称は、日産自動車の広告キャンペーン「ケンとメリーのスカイライン(ケンとメリー 愛のスカイライン)」から。
テレビCMは若い男女がスカイラインでドライブデートをするという内容で、これは先代で使われた「愛のスカイライン」に続くものであったが、より洗練された内容に進化した。
また、新たに相合傘にKen&Maryと書かれたロゴがデザインされ、ショールームやテレビコマーシャル、新聞や雑誌の広告や販促グッズでアイコンとして用いられた。
フォークバンド「BUZZ(バズ)」の歌うCMソング『愛と風のように』も大ヒット。
Tシャツやステッカーなどの販促グッズが多数制作され、車が持てない中高生も潰した学生鞄にステッカーを貼り付けたという。
また、テレビCMのロケ地であった北海道美瑛町のポプラの木は「ケンとメリーの木」と呼ばれ観光スポットになるなど、当時の日本の若者文化に大きな足跡を残している。
これらのCM効果から、総販売台数は67万台とスカイライン史上最も売れたモデルとなった。
その一方で第一次オイルショックと排ガス規制の影響で、モータースポーツでの活動は不遇であった。
最上級スポーツグレードのGT-Rも生産されたが、レースに参加する事はなくその生産台数はわずか197台であった。
通常のモデルも、あまりにも大量に生産された為に後継車が出てからは急激に人気が衰えた。
この為、新車の下取りに出したり、或いは中古車屋に売りに出しても二束三文で買い叩かれるか、値段がつかない事すらあったという。このため、大多数が解体された。
現在では、現存車の数が少ない為に価値が上がっているという。
後継モデルは「スカイライン ジャパン(C210型)」。