概要
南海電鉄グループに属するバス会社で、本社は和歌山県新宮市に置く。
前身は1943年に設立された熊野交通と1984年に設立された御坊南海バスで、両社が2020年1月に合併して誕生した。
南海グループ統一の社章を用いず、八咫烏をモチーフにした独自の社章を使用している。
路線バスは新宮駅・紀伊勝浦駅を拠点とする旧熊野交通系の路線と御坊市をエリアに持つ旧御坊南海バス系の路線に分かれている。
高速バスは東京と和歌山市駅を結ぶサザンクロス和歌山号を運行している。ちなみに御坊南海バスからの引き継ぎ。
車両
大半が日野自動車製で、少数三菱ふそう・いすゞ・日産ディーゼルも加わる。
独自カラーを纏っているが、南海バスから移籍してきた車両については南海バスカラーのまま南海ロゴを消して社章を取り替えて運用している。
その他
関連会社の熊野観光開発を通じてエリア内にある瀞峡(「どろきょう」と読む)のウォータージェット推進による遊覧船事業を行っていた。
元々は熊野交通の前身の一つだった熊野川飛行艇と言う船会社によるプロペラ推進船運行だったが道路整備によりウォータージェット推進の遊覧船に転換している。更に言えばこうしたいきさつから長らく熊野交通の直営であったが、熊野御坊南海バス成立前に熊野観光開発を設立し、そこに移管したのだった。
ただ、2011年9月の台風12号がもたらした紀伊半島大水害以後は、川底に土砂がたまりやすくなってしまっていたためユンボを使っての川底ざらいを行うことで何とか航路の維持を行ってきたものの、費用や人材確保の点で難しくなっていったことに加え、COVID-19の影響もあり、2020年4月12日の運行をもって運休となった。
そして2020年12月1日、事実上の事業継続を断念、これにより瀞峡の遊覧船は同年12月31日限りで事実上廃止された。
もっとも、熊野観光開発サイドは、「川底ざらいは行政に助けを求めていく。遊覧船事業は再開を引き受けて下さる方を探す」とし、復活に一縷の望みをかけていくとのこと。