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ロボコップ2号機の編集履歴

2021-03-15 14:27:37 バージョン

ロボコップ2号機

ろぼこっぷつー

映画『ロボコップ2』に登場する敵ロボット。

概要

旧態化して力不足と評価されたロボコップの後継機として、オムニ社により製造された。

制御装置の核として搭載されている脳以外の全てが機械になっているのが特徴。そのフォルムも初代ロボコップとは異なり、人型から逸脱した機械的なものとなっている。

さらに、頭部のハッチの中に内蔵されたディスプレイに、素体となった人間の顔の画像を映すことが可能。


武装・装備

武装面でも初代ロボコップを圧倒している

  • 腕は計四本。
  • 主腕一対。三本指のマニピュレーターで、左腕部にはミニガン及び先端にパンチングアームを装備。
  • 副腕一対。副左腕はハサミ状のマニピュレーター、副右腕にはプラズマトーチを装備。トーチは劇中で、ロボコップのヘルメットを焼き切ろうとするシーンで使用された。
  • 主左腕に7.9ミリガトリング式機関銃(ミニガン)。主武装。弾薬帯は胸部下を通っている。
  • 主左腕先端部にパンチングアーム。
  • 右肩部に二連装小型ロケット砲を装備。最初に披露された会場内でロボコップに対し使用したが、銃口に弾丸を撃ちこまれ破壊される。
  • 両肩および両脇に二基ずつ、計四基の投光器を内蔵。暗所で使用。
  • 装甲フレーム。高所からの落下やガス爆発をものともせず、ロボコップはおろか、装甲車すら持ち上げる強力なパワーを有する。
  • 脚部。可動式ダガーナイフ状の爪が内蔵され、地面に突き刺して、転倒しても素早く復帰。壁面をよじ登る事も可能。

劇中で確認できる武装および装備は上記の通りだが、ノベライズでは上記の装備に加え、下記の武装の描写がある。

これらは初期稿のシナリオや設定・デザインなどに存在するものらしいが、決定稿および映画劇中には存在しない。

  • 背中に予備の小型投光器が一基。
  • 左腕部に22フィートのチューブ(敵に巻き付け、引き寄せる事が可能)。
  • 右肩に二連20ミリ機関砲。
  • 背中に収納式の防弾盾を内蔵(普段は折りたたまれ、使用時には広がって防御する。ケインはこれをとても気に入ったらしい)。
  • 胸部には小型ミサイル発射装置を内蔵。

※WIKIなどで、「ミニガンや機関砲・小型ロケット発射器のほか、救助装備や格闘兵器としても利用可能なパンチングアームやエンジンカッター、プラズマトーチやバーナーなどを装備」という、劇中に登場しない装備の記述も見られるが、これは初期案や没案、本来の用途などと混同したためと思われる。

本来は装備されていたとしても、単に使用しなかっただけかもしれないが、劇中ではミニガン以外の機関砲および小型ロケットの使用シーンは無かった。また、エンジンカッターやバーナーも使用されていない。


警察用途よりも、ED209と同様に軍事転用を目指しての重装備である可能性が極めて高い。

事実、劇中では警察のあらゆる攻撃、果ては装甲車の衝突にもびくともしなかった。むしろ戦場における軍事戦闘用ロボットと言っても過言ではない性能と活躍を、劇中では見せていた。


制御に使われた素体

頭脳として使われているのは、デトロイトで「ヌーク」という麻薬を売りさばいていた密売組織の元締めで、ロボコップとの戦いで重傷を負った凶悪犯罪者・ケインから摘出された脳である。

余談だがこの麻薬、放射能を含有する設定と「Nuke(=Nuclearの略称)」の名が示す通り、小説版では核廃棄物が原料とされている。


治安を守るべきロボコップの頭脳に犯罪者のそれを使った理由は、オムニ社の女性心理学者ジュリエット・ファックスの提案による。


ファックスは

  • 機械の肉体を受け容れるのは警官よりも、むしろ力に憧れる犯罪者
  • 強靭な生存欲求から、肉体を失ってなお正気を保てる
  • 麻薬中毒者であれば褒賞が麻薬で済み、単純で制御し易く従順である

と考えていた。


なお、ファックスはこの事をオールドマンには(おそらく意図的に)伝えていなかった。オールドマン自身はヌークおよび犯罪者に対しては撲滅を考えており、それらを利用する事など全く考えておらず、知られたら反対されるとファックスは考えていたらしい。


しかし、頭脳として使われたケインが倫理意識の欠如した犯罪者であったために、

  • 性格は狡猾かつ凶暴。
  • 薬物依存症で己の快楽のためなら後先を考えず、些細なことがきっかけで暴走を起こしてしまう。
  • 開発の際、ファックスに生命維持装置を切られ人間として死亡したことから、ファックスのことも激しく恨んでいた。

以前からオムニ社は初代と同じく殉職した警官の頭脳を使ったロボコップ2号機の開発を進めていたが、それら試作機は

  • 発狂して暴れた挙句、自らを破壊(自殺)する
  • 始動直後に自殺

といったケースが相次いだ。

明日のデトロイトの平和を守るぞ!

そもそも改造された当人達に許可を得ていたかどうかさえ疑わしく、望まぬ形で殉職した上に勝手にサイボーグにされて蘇らされたら、普通だったら改造した人間を恨んだり、死にたくなるのも当然であろう。

無残な形で死を遂げて改造されたにもかかわらず、正気を保っていられたマーフィー(初代ロボコップ)が、ある種、強靭な精神力の持ち主であったとも言える。


なお、上記の補足として。

マーフィーが改造される際に「警察に入った時に、(警官は)誓約書にサインしているはずだ。法的にはこの男(マーフィー)は死んでいる。われわれの思い通りにやる(改造)することができる」と、オムニ社の人間は言っていた。

このために、警察官が死亡した後には、本人の意思など関係なく、ロボコップ2号試作機の改造素体として用いていた可能性が極めて高い。「マーフィーで成功したのだから、次もうまくいくだろう」と安易に考え、精神面や倫理面を軽視した結果が、ケインを素体に用いた遠因とも言える。

ちなみに、映画の中ではケイン以前の試作機は二種類だったが、ノベライズでは三種類が登場していた。


作中での活躍

デトロイト市の私有化を目論むオムニ社だが、市の借金を肩代わりしようとする者(実はケインの麻薬組織の残党)が現れた。これでは借金返済不可能を理由に市政の実権を握ることが出来なくなってしまう。オールドマン会長はファックスの提案に乗り、ロボコップ2号機を市長とその協力者の抹殺に向かわせる。


市の借金を肩代わりする代わりにヌークの黙認を迫る残党・ホブは「ケインが殺された今、自分達の時代が来た」と喜んでいたが、ロボコップ2号機によってそれも束の間の夢に終わった。

かつてのケインの愛人・アンジーも頭部のディスプレイに映し出されたケインの画像を見て彼の帰還を喜んだ直後、案の定情け容赦なく殺されてしまう。


オールドマンがデトロイトの再開発によるデルタシティ造成と、ロボコップ2号機生産ライン誘致を高らかに宣言したデモンストレーションにて、ヌークの枯渇とロボコップへの復讐心から暴走する。

その際、オールドマンは紹介した時に、実際のヌークが入ったカプセルを「デトロイトの犯罪の原因」として、高々と掲げていた。が、そのカプセルに脳内のケインが反応し取ろうとする。

脳にケインを使用し、その脳がヌークの中毒になっている事を知らないオールドマンは、カプセルを遠くに放る。それに怒ったロボコップ2号機は、ファックスからリモコンを奪って火器の安全装置を解除し、握りつぶしてしまった。


この時、麻薬組織の残党狩りの後に武装解除させていなかった(つまり、テストの後のまま弾を入れっぱなし)。装填された弾丸を用いて、ロボコップ2号機は周囲の記者や警察官達を無差別に虐殺しはじめる。


ロボコップとの再戦は熾烈を極めたが、最期は中枢ユニットから引きずり出されたケインの脳髄を路上に叩きつけられ機能を停止する。


その末路と意外な功績

この大失態で、オムニ社は全責任をファックスに擦り付けて切り捨てるが時すでに遅し。

オムニ社の株価も評判もガタ落ちになり、続編『ロボコップ3』で日系企業「カネミツ」に身売りするハメになってしまった。

ED209という前例があったにもかかわらず同じ失敗を繰り返し、さらに被害を拡大させてしまったのだから当然の末路と言えるだろう。こんな危機管理能力で何故デトロイトの市政運営の権利を求めたのかと疑問ではあるが、もとよりオムニ社は、刑務所や公立病院(一作目時点では、スペースコロニーも含まれる)など、非営利な施設や機関の運営をビジネスとして行い、それが成功していた

加えて、劇中では元よりアメリカの各州政府が予算不足で「民間に警察など公的機関の運営権を譲与」という事が各所で行われていた。

それゆえに、非営利機関の運営ビジネスで成功し、潤沢な資金を擁していたオムニ社は、「デトロイト市そのものを、オムニ社が手に入れ運営する」という目論見を有していたと考えられる。


しかし実際には、1作目の時点で、オムニ社による警察の運営はうまくいっておらず、デトロイトの治安維持は、奔走していたデトロイト市警察による功績が大きかった。

劇中では、市警はオムニ社により運営されていたが、デトロイト市の治安は悪化。更に前作ではED-209の売り込みの為、クラレンス一味による警察官殺しがオムニ社の幹部により行うという、あえて治安を悪化させる事を実行していた。

クラレンス一味と黒幕のジョーンズは倒されたが、治安の悪化と市警察のオムニ社への信頼失墜は改善されず、事態はより混迷してしまう。


治安の悪化は、第1作『ロボコップ』では、汎用機関銃であるM60を携行する警官もいたくらいで、『ロボコップ2』に至っては町の銃砲店でさえロケットランチャーだのフルオート射撃の出来るバトルライフルだの、アメリカの連邦法でさえ販売を禁止している品目を置くほどになっていた。

そして、これらを購入したり奪取したりした犯罪者たちにより使用され、もはや治安云々を通り越して内戦状態になっていた。ゆえに、警察の重武装化は止むを得ないとも思える。


このような状況下でのデトロイト私有化計画に、一体こんな状況から何を得ようとしたのか、せいぜい新しい兵器の実験場になるくらいで採算の取れる計画ではないような気もする……と疑問が生じる向きもあるが、この狙いは、

市をオムニ社の所有とする事で、金と権力をより多くモノにする」という意図と、もう一つ。

無能な現市政関係者たちを一掃し、警察を擁する自分たちの手で、デトロイトから犯罪を一掃する」という思惑も関係している。

実際、ニュークのために治安状況は最悪になり、市政はそれに対して何の手も打っていなかった。

ここから、

:借金を理由にオムニ社に市政の実権を譲与させ、ロボコップ2号機を用いて犯罪者たちを一掃

:そうしたうえで、「デトロイトから犯罪を一掃したロボコップ2号機」を量産し、新商品として他国や他社にアピール

:オムニ社は、ここから得た利益でデトロイトを再建し、デルタ・シティ建造の礎にする。

という腹積もりだったものと思われる。

事実、ED-209も元々は、デトロイト市内の治安維持と犯罪抑制のため配備し、それがうまくいったらその実績を以て外部に宣伝。世界各国の軍や紛争地帯などに新製品として輸出し、莫大な利益を得るという予定だった

つまりは、当初から色々と考えはあっての行動で、計画通りに事が運べば採算は十分に取れたのだ

(さらに言えば、オールドマンはロボコップ2号機に関し「犯罪者の脳とヌークを用いて制御する」という事も知らされていなかった。彼自身はあくまでもヌークと犯罪者は撲滅を考えており、それらを利用する事などは全く考えもしていなかった


無論、見通しが甘かった故に、これらの企みはうまくいかず、カネミツに身売りする事になったわけだが。


このような見通しの甘さに、オムニ社を「まともな危機管理ができない会社は潰れてしまった方が社会のためだろう」と思う向きもあるが、潰れてしまったらデトロイト市そのものが壊滅してしまうため、かえって社会が混乱する

オムニ社が倒産したら、現在オムニ社に運営権が譲与されている様々な公的機関の運営が全て停止し、更には資金も出せなくなり、物理的・経済的に破綻してしまう。

州政府からの資金提供ができない状況下、かなり問題のある民間企業であったとしても、それが消えてしまったら、立て直しがより困難になる事は火を見るより明らかだろう。


危機管理ができてないと言うより、目先の儲けを優先し、長期的計画の見通しが出来なかった事、なによりマーフィー=ロボコップの成功した理由を理解しなかった事が、オムニ社の失敗の原因と言えるだろう。根本的な改善は必要不可欠だが、現時点ではオムニ社以外にデトロイト市を支えられる組織が無いのも事実である(カネミツは他国の企業であるため、地域に寄り添った立て直しができるかは不明。オムニ社以外のアメリカ国内の企業が肩代わりしても、オムニ社の二の舞にならないという保証はない)。


ケインことロボコップ2号機は自身の体と多数の人々の流血を以て、その教訓を残したと言える。


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ロボコップ ED209 超兵器 麻薬

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