中国の小説『封神演義』に登場する人物。
安納務の原作小説でもひとかどの武将として活躍はするが、本項では藤崎竜の漫画作品封神演義における天祥についての説明。
藤崎版では
🟡区分:天然道士
🟡武器:飛刀
殷および周の最高武官である武成王・黄飛虎の四男で末っ子。
一家の中では父・飛虎と次兄・天化に次いで三人目の仙人骨の持ち主であり、仙人界にスカウトされないまま育ったため父と同じ天然道士となった。
また、黄飛虎の殷王朝離反に伴う逃避行の中で一度、一族丸ごと捕まった際に自分たちを助けてくれた縁で、哪吒に懐いていた。
メンタリティは年相応の子供ではあるが、仮にも武術の達人でもある武成王黄飛虎の末子であり
当人にも才能があったため、ある程度の槍術の心得はある模様。
原典小説では天祥を殺害し城門に吊るし晒し者にしたという丘引(きゅういん。蚯蚓(ミミズ)の妖怪仙人)とのジャンプ漫画版での戦いでは、自分にけしかけられた巨大ミミズの塊を投げ返して押し潰した挙句、あまつさえそれで小さなミミズの姿に戻った丘引を知らずに踏みつぶしてとどめをさすという快挙を成し遂げる。
しかし、一族が殷王朝から離反する発端となった後宮での事件で母の賈氏と叔母の黄貴妃を、仙界大戦で父・黄飛虎を、その後の殷との戦いの終盤で兄弟の中でも特に慕っていた次兄の黄天化を喪い、一時は失意と大事な者を失うことへの怖れから塞ぎこんで荒れていたが、兄貴分として慕っていた哪吒の
「オレは死なん!!!
足がもげても歳をとっても死なんからな、そうだろう?」
という、宝貝人間としてのタフさを前面に押し出しての慰めに快活さを取り戻し、哪吒のもとに身を寄せることに。
また、仙界大戦において父の形見となった剣の妖精飛刀とも、絆を育んでいく事となる。
そして……
仙界伝弐
漫画本編で歴史の道標との戦いが終わり、殷王朝から周王朝へ治世が変わった十数年後を舞台として
ワンダースワンのゲームとして出た続編において、まさかの主人公を勤めることに。
※イラスト内写真左側の金髪ドレッドヘアの青年が、仙界伝弐における成長した天祥。
体の成長ぶりは無論だが、特に服装や髪型が少年時代よりイメチェン著しく、発表当初は原作ファンは困惑したとか。
原作漫画版で全ての戦いが終わった後は周の王都・豊邑で祖父の黄滾と二人で暮らし、
周の武王姫発のもとで周の将軍として、国や人々に仇なす妖怪や悪人を退治し、人助けに忙しく働く日々を送っていたのだが・・・。
戦闘スタイルは槍を使っていた少年時代と違い、相棒にして愛刀である大剣・飛刀を武器にした剣術メインに。
さらに少年時代からよく知っていて可愛がられた崑崙山の兄貴分の仙人・道士たちからも手ほどきを受け、宝貝ではない仙術や気功術の類も交えていくようになる。
また、天然道士の中でも「気」の質が特別なものらしく、雷公鞭以外では彼にしかできない、大地の霊穴の開放や破壊を行うことができる。