「みんなに今日も元気に"舞妓さん"でいてもらうこと。それがわたしのお仕事です」
『舞妓さんちのまかないさん』(小山愛子)の主人公。
CV:花澤香菜
フルネームや名字で呼ばれる事は少なく、たいていは下の名前で呼ばれる事が多い。(例えば「キヨさん」「キヨちゃん」など)また目上の人(勤務先である屋形のおかあさん、舞妓芸のお師匠さん、男衆のお兄さんなど)からは呼び捨てで呼ばれる。
人物
作品の主人公である「舞妓さんちのまかないさん」その人。青森県出身。
物語開始時、若干16歳ながら、屋形「市」の台所の現業を引き受け、所属する舞妓さんたちの食事の面倒を一手に見るまかないさん。
多少(というか、かなり)マイペースで、時折、後先考えずに自分の世界に没頭してしまう癖はあるものの、まかないさんとしての腕は確か。舞妓さんたちが必要とする「おうちの普通のごはん」を作り、彼女らの心身の安定に貢献している。
自身の職場にある鍋や食器を擬人化させてアフレコする一人芝居が、ささやかな趣味。
元は幼馴染の百はな(すーちゃん。戸来すみれ)と共に、舞妓候補(仕込みさん)として「市」にやって来た、彼女の幼馴染。頭の赤いリボンは、舞妓さんを志したすーちゃんとのお揃いで仕立てたものであり、志を同じくする者としての証でもある。
しかし、すーちゃんの応援を優先して自身の精進が疎かになったり、呑気が過ぎる性格で競うことに対する危機感を持つことができなかったり、身だしなみに無頓着で不器用だったりと、色々と舞妓に向いていなかったため、芸のお師匠さんと屋形のおかあさんから「お止め」(辞職勧告)を言い渡される。
しかし「お止め」のタイミングと前後して屋形に来てくれていたまかないのおばちゃんが倒れてしまい、屋形「市」は「舞妓さんたちが食べる料理が用意できない」という非常事態に放り込まれる。折あしく、屋形に入れる他のまかないさんたちの手も塞がっており、市のおかあさんは屋形に入ってくれるまかないさんの手配に東奔西走する事となり、それが解決するまでキヨの帰郷は棚上げとなった。
その間「市」は店屋物(出前)や買い置きのコンビニ弁当で食を凌いでいたが、その期間が長くなるにつれ屋形の内部では(時間に不規則なため食いっぱぐれが出たり、食ローテーションのバリエーションに限界を来したりなどで)ストレスフルな状況が発生。やがて店屋物もコンビニ弁当も食べられなくなる子が続出し、最後には芸ばかりで料理をしたことのないお姉さん舞妓が状況に耐えかねて料理に挑みボヤ騒ぎを起こすまでとなってしまう。
それを見かねたキヨが「わたし、ごはん作っていい?」と手を挙げた事が、おばちゃんの後任として「まかないさん」へと就任したきっかけとなった。
仕込みさんだったころから台所が大好きであり、暇さえあれば入り浸り、前任であるまかないのおばちゃんからは「仕込みさんなのだから他の子に感心せずに、自身も芸の精進をしないと」と苦言を呈されつつも、いつしか「お手伝いをしてくれる子(事実上の助手であり弟子)」として可愛がられるようになっていた。前任のおばちゃんの腰痛が末期状態になる頃には料理の仕上げも任されるようになる。そのために「屋形に出される料理」の作法(注意点)は一通り身についていた(屋形に出される料理は、普通の家庭料理がベースではあるものの、舞妓さんの業務の支障にならないようにするための留意点が複数存在し、中にはカレーや刺激が強いものなど「作ってはいけないメニュー」も一定数存在する)事も、後任就任への決定打であった。
かくてキヨは、おばちゃんの教えと青森のおばあちゃんから習った料理を武器に、屋形の舞妓さんたちを支える事になった。
なお、仕込みさんとしての経験があるため、屋形の仕込みさんの手が空いていない(あるいは時期的に仕込みさんがいない)時などには、仕込みさんの業務(掃除洗濯や各種小物の整理など料理以外の屋形の家事、舞妓さんの荷物持ちや忘れ物のお届け、など)を臨時に代行している時がある。