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概要編集

作者は、同じの漫画雑誌『ゲッサン』で『ちろり』を連載していた小山愛子の漫画。

週刊少年サンデー』(小学館)にて2017年5・6号から連載中。既刊25巻(2024年1月現在)。

第65回小学館漫画賞(少年向け部門)受賞作品。


英語版タイトルは"Kiyo in Kyoto:From the Maiko House"(※)。ただし原典タイトルの音読転写である「Maiko-san Chi no Makanai-san」も同時併記される。

(※)あえて直訳すると「京都のキヨちゃん:舞妓さんのおうちから」くらいの意味になる。


2021年2月より冬季アニメとしてNHK WORLD-JAPANにて放映開始。そのからみで『グレーテルのかまど』2021年3月15日放送分にて取り上げられている。取り上げられた料理は7巻収録69話「ごほうびの味」にて登場した青森の郷土料理である「(冷やした)あずきばっと」。


2022年にNetflix(ネットフリックス)で、実写ドラマを全世界配信。


備考編集

花街を舞台とした作品であるが、いわゆる水商売の隠語をイメージさせる表現・単語は避けられており「置屋→屋形」「水揚げ→店出し / 髷替え」など、穏当な言葉や表現に言い換えられている。


モデル編集

アニメ放送開始前に2021年1月末をもって閉店した、宿である『ゲストハウス錺屋』(かざりや)として使われていた京都の町家がモデルである。

舞妓花街を漫画の要素に取り込んでいるためか、大正時代に建てられたこの町家の中にある台所を元に、作中の台所が描写されている。現在では非常に珍しい、タイル張りの台所である。

作者が錺屋に宿泊した際に台所のデザインに惚れて、この漫画を描くきっかけになったようだ。この宿には実際に単行本が置かれ、単行本が発売される頃には小学館からこの宿に届いている。舞妓の名前が書かれた団扇も置かれていた。


あらすじ編集

主人公「キヨ」は16歳。

京都のど真ん中、花街にある舞妓さんたちの家、屋形でまかないさんをやっています。

屋形の舞妓さんたちとキヨの日常を描いた漫画です。


登場人物編集

CVはアニメ版、演はドラマ版。

幼馴染トリオ編集

野月キヨ(CV:花澤香菜/演:森七菜

屋形「市」のまかないさん。本作の主人公。元々は舞妓になるために、青森からやってきた。

前任のおばちゃんからの教えと、青森のおばあちゃんから教えられた家庭料理を武器に「市」の台所を守護する、舞妓さんたちの「食の守護神」。

詳細は項目を参照。


戸来すみれ百はな(CV:M・A・O/演:出口夏希

キヨの幼馴染。キヨからは「すーちゃん」と呼ばれる。

舞妓になるためにキヨと京都にやってきた。キヨとは以心伝心の仲。

今は、舞妓の「百はな」として店出し(舞妓のデビュー)を果たし、日夜頑張っている。

詳細は、同じく項目を参照。


中渡健太(CV:高山みなみ/演:城桧吏

キヨとすーちゃんの幼馴染の少年で、地元青森での仲良しトリオ最後の一角。

地域でも注目されるエースナンバーを背負った野球少年で、キヨもすーちゃんも応援していたが、高校野球地域大会での連投酷使を原因として故障に至り、マウンドに立てなくなってしまった。

リハビリで日常生活を取り戻した後、高校を辞し、キヨたちを追って京都の洋食屋へ就職する。すーちゃん曰くあまり何も言わないように見えていろいろと考えて行動をしているがそれを言わないので唐突な行動をすると思われている。


屋形「市」編集

注)後述もするがアニメ版では、屋形の名前は「松」になっている。そのため本項目での「市」はアニメ版に対して語るにおいては「松」に置き換えられる。


市のおかあさん(CV:片貝薫/演:常盤貴子

キヨの働く屋形「市」の女将さん。本名は「広瀬あずさ」で、現役時の源氏名は「千佳子」。神奈川県出身(240話にて判明)。

花街の「おかあさん」たちの中では一番の若手で立場は弱い。そのためにお裾分け合戦では高確率で負けてしまっている。

屋形を支える気概とプレッシャーから所属の舞妓たちには厳しいが、それでも彼女らを優しく見守ってくれている。キヨには食のピンチをいつも助けて貰っているため、頼もしさを感じ感謝している。

キヨがまかないになるまでは台所に入る事や料理は「匂いがつく」と嫌っていたが、キヨの就任時の騒動から食の重要性を痛感した上で、キヨの常なる台所の清潔さの保持も手伝い、以前よりもよく台所を気にかけるようになった。

後述する百子さん姉さんと共に作中一、二を争う美貌の持ち主で、洋装になると美人度がストップ高になるお人だが、めったにやらないためその自覚は薄い(第14巻・143話)。


つる駒(CV:松田颯水/演:福地桃子

屋形「市」の中堅舞妓で、キヨやすみれの先輩格。

仕事はキッチリこなすが、ややおっちょこちょいなところがあり、私生活はズボラでガサツ。

そのズボラで周囲に迷惑をかけもするが、屋形の妹(=後輩)たちへの面倒見は良く仕事中ではフォローも的確。「自分はいっぱいやらかしたから、妹がどこでやらかすかはだいたいわかる」とは本人の弁。

仕事の時以外は黒縁メガネをかけており、それがトレードマークのめがねさん姉さん

水玉模様とOSK日本歌劇団をこよなく愛するギャグ担当。

ただ、アニメ版ではズボラ枠&ギャグ担当である事が災いして、原作ではつる駒がやってない失敗や関わってないしくじりも、全部つる駒がやったり関わっていた事にされたりと改変されている場合があるので注意。また今日のまかないなどでもコメントをしており食いしん坊キャラにもなっている。

実はハマっ娘(第4巻90ページ)。


理子/駒えみ(演:成海花音

キヨやすみれの一年後輩となる「仕込みさん」(舞妓候補)。第6巻・54話で初登場。

修学旅行で見た舞妓に感銘を受け、体育会系のボーイッシュな外見にもかかわらず、舞妓を志願。母親の反対を押し切って「市」にやって来た。元バスケットボール選手で身長165cm。

内面(精神構造)も体育会系で、先輩・百はなを心底尊敬している。一方でつる駒姉さんに対しては、そのズボラの被害に遭ったせいで辛辣。

ただ、その体育会系気質は悪い意味で「表裏のない素直な性格」を形成しており、感情がすぐ表に出る。一度そのせいで観光客とトラブルを起こしかけ、男衆のお兄さんから苦言を呈された。

登場当初はベリショートであったが、舞妓として髷を結わねばならない必要上、少しずつ髪の毛を伸ばしている。その過程で髪先がハネ易い事が発覚し、その対策に百はなから髪留めを貰う。

他の者より時間はかかったが、翌年7月、217話にて、舞妓「駒えみ」として店出しを果たす。

その時に母親とも和解するが、それにはキヨが一役かった。


京都の人々編集

百子さん姉さん(CV:上田麗奈/演:橋本愛

百はなの義理の姉(芸姉妹)となっている芸妓のお姉さん。第3巻・29話にて初登場。

花街において実力者として注目される芸妓の一人で、登場キャラの中でも、市のおかあさんと一二を争う美女。(ただし清楚系のおかあさんと違い、こちらは妖艶なタイプの美女。)

屋形からは独立して一人暮らしをしており、タニマチ(贔屓客)もそれなりに多い。

見た目に反して性格は飄々とした天然さん。百はな同様の努力家でもあり、その努力家ぶりは、体力作りと称してフルマラソンを笑顔で完走するレベル(第5巻・43話)。

実は「市」の内娘(先代おかあさんの娘ないし孫娘)であり、「市」が実家であったことが240話にて判明している。舞の実力は仕込み時代から突出していた。

ただしマイペースっぷりもまったく同じであり周囲を困惑させてもいた。


男衆のお兄さん(CV:小山力也

屋形「市」に出入りしてくれている男衆(おとこし)の一人。男衆としては仕事の代を息子に譲り半ば隠居の身の上であるが、市のおかあさんをはじめとして未だ経験の浅い屋形「市」の面々を心配して時折、様子を見に来てくれる。


まかないのおばちゃん(CV:加藤まゆ美

キヨの前任者。先代おかあさんの頃から屋形「市」の厨房を支えていた、おばちゃん。名前は幸子(さちこ)。(241話)

仕込みさん時代のキヨの話し相手(実は、おかあさんが「あずさちゃん」だった頃にも彼女の話し相手になっていた)で、マイペースなキヨに呆れながらも彼女を助手のように可愛がっていた。最終的には料理の盛り付けなどの仕上げを任すまでになっており、キヨにとっての実質的な「まかないさんとしての師匠」と言える人物。

キヨの「お止め」と同時期に腰痛が悪化し、引退に至るも、その後を愛弟子であるキヨに託す。キヨが作れない料理が出てきた時などに彼女のサポートを務める事もある。


青森の人々

キヨのおばあちゃん(CV:高谷智子/演:白石加代子

野月家のおばあちゃん。里帰りの際や、回想シーンなどで登場。

キヨが京都に上るまでは彼女とふたりで、キヨが京都に行ってからはひとりで青森にて暮らしている。キヨに料理の基本を教えている。(それ故に京都風(関西)の味付けはキヨは知らないことがある)両親に応援されていなかった百はなの挨拶にも同行している。


テレビアニメ編集

2020年3月31日(サンデー19号)でアニメ化が発表。後にNHKでの放送とも発表された。


2021年2月25日よりNHK WORLD-JAPAN(CS・ネット配信)にて放送開始。10月2日よりEテレでの地上波放送が開始された。


スタッフ編集

原作小山愛子
監督鈴木洋平
シリーズ構成山川進
音楽坂部剛
アニメーション制作J.C.STAFF
制作NHKエンタープライズ
制作・著作NHK

原作との変更点編集

  • アニメ版では主人公たちが所属する屋形の屋号が「市」ではなく「松」になっている。(名が変わっただけで基本的なそれ以外の部分は変わっていないが、それに伴い「市のおかあさん」が「松のおかあさん」になっていたり、細かい部分で変わっている。)

NHK WORLD-JAPAN編集

  • 毎月、第4木曜の9:30より放送。30分番組、月イチ放送。昼、夜、深夜のリピート放送あり。
  • NHK WORLD-JAPANでの放送においては、同チャンネルの京都文化紹介番組である「Core Kyoto」枠コンテンツのひとつとして扱われており、同枠の毎月第4木曜日が放送枠に充てられている。また、ネット配信に関しては放送前日の23時頃に行われている。CS国際放映であるため、この放送・配信ではナレーションが英語であり、登場人物の台詞には英語字幕が付与されている。
  • NHK WORLD-JAPANでは、本編である「舞妓さんちのまかないさん」と、本編の内容にまつわる小ネタコーナーである「今日のまかない」をセットとして約8分1話を、1回につき3話分放送するオムニバス形式の内容となっている。また話の区切り(ジャンクション)には料理や小物をあしらったアイキャッチが入る。さらに「Core Kyoto」枠での放送(CS版)では、物語終了後に舞妓文化を紹介する「Kiyo in Kyoto:3min/3min MAIKO」という3分間のミニ番組が付随している。(サイト配信ではミニ番組は配信されなかったが、のちに別枠での配信となった)
  • オープニングはキヨとすみれを中心に、京都の町並みをそれぞれに歩く二人の姿を中心とし、また二人の出身である青森(幼馴染三人組とキヨのおばあちゃん)をも意識したもの。登場人物のバックボーンとして原作のコマを効果的にちりばめている。オープニングソングは軽快な口頭リズム(ルルル)の入ったインストゥルメンタル
  • 作内における文化風俗の解説役(原作にも同様の解説枠がある)としてナレーター天の声)が用意されている。NHK WORLD-JAPANでの放送では英語ナレーションであり連続テレビ小説花子とアン』にてスコット先生を演じたハンナ・グレースが担当している。
  • 次回予告がある。次回放送3話のタイトルのみを並べた(サザエさんの次回予告におけるタイトルのカットだけを出したみたいな)簡素なものだが、登場人物の顔が出され(しかも毎回表情が変わっており、時に次回の話の内容に合わせてメンバーも変わるという芸の細かさを見せている)、キヨとすみれが声を合わせて「『舞妓さんちのまかないさん』次回もどうぞ、お楽しみに」と視聴者へ呼び掛けるナレーションが付いている。

NHK Eテレ編集

  • 毎週土曜日の9時20分より放送。10分番組、毎週放送。夕方17時25分にリピート放送あり。
  • オープニングとエンディングはEテレ放映版と映像ソフトまたは動画配信(アイキャッチ含む)が改めて作られる。主題歌はつじあやの(京都出身)の『明日きっと』とGirls2『Flutter』が採用され、CS版OPよりもキヨとすみれの関係性や、キヨの屋形での立場を強調する演出がとられている。結果、必然的に健太とおばあちゃんの出番が大幅に削られた。原作のコマは使われていない。
  • ナレーションはCS版のハンナ・グレースに代わり、大原さやかが担当。
  • 内容は「本編」と「今日のまかない」のみで、CS版に付随していた実写ミニ番組である「Kiyo in Kyoto:3min/3min MAIKO」は放送されない。
  • またCS版を分割してOPとEDを付け加えている関係からか、CS版では付随していたアイキャッチやキヨとすみれによる次回予告が無い

ドラマ版編集

2022年1月7日、Netflixにて全9話のシリーズとして実写ドラマ化。

屋形の先代女将、高校生の女将の娘といった原作に登場しない登場人物が登場。

また、歌舞伎役者の坂東彌十郎、脚本家の三谷幸喜が本人役で出演。

総合演出・監督・脚本に是枝裕和、音楽に菅野よう子が参加。


関連タグ編集

少年サンデー

京都 舞妓 まかない


NHKアニメ 2021年冬アニメ 2021年秋アニメ

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