曖昧さ回避
ルシード(メイプルストーリー)
CV:愛美
暗黒の魔法使いの部下で、悪夢を操る軍団長。夢の都市「レヘルン」の主でもある。
元はヘレナと同じエウレル出身のエルフで、タニカや女王メルセデスとは師弟関係にあった。
ゲーム的にはかなり高レベルのボスキャラクターとなる。
容姿
ややウェーブのかかったボリュームのあるボブカットのピンク髪、マゼンタに近い瞳を持つ。目元には隈が描かれることも。
服装はバラ飾りのミニシルクハット、肩から背中を大きく開いたドレスを合わせたゴスロリを基調とする。
「胡蝶の夢」からか蝶をモチーフとしており、戦闘時には蝶の翅を展開する。
場面によって胸元の縦線や装飾品の有無、ブーツの構造など若干の差異が見られる。
旧デザイン
隠月のクエストに登場していた旧デザイン。ロングヘアで目隠れしている。
能力
メイプルワールドにおいて極めて稀少とされる夢を操る能力。自分や他者の夢を操作するのは無論のこと、夢の延長にある「無意識」すらも彼女の能力の領分とされる。
更に世界を構成するエルダに夢を投影することによって夢を見て触れられる現実のものとすることもでき、この能力を利用して捏造された未来や夢の都市レヘルンを作り出した。
その能力は大変広範囲に及び、未来の扉事件においてはメイプルワールド全域にまでその影響を与えた。
反面、代償も相応にあり、能力の性質上自分の睡眠に悪影響を及ぼし、この特性が仇となって後述の受難を招いてしまう。
また、能力を過度に使えばルシード自身も制御しきれない悪夢に蚕食されてしまい、これはフードを纏ったドクロのような見た目の下僕として顕れる。
総じて、無意識という未知の領域を操るだけあって強力な反面不安定さが目立つ能力である。
人物
幼少期は小心でおとなしい性格。この頃からメルセデスに対して敬愛以上の感情を抱いており、同時に自己評価の低さも相まって依存心や自己顕示欲も強めていく。
軍団長になってからは、基本的に独白以外は敬語で話す。普段は不敵な笑みを浮かべた余裕ある立ち振る舞いが印象的。
その一方で精神面では安定しているとは言い難く、幼少期から現在まで通じてこうと思い込んだことに関して独り善がりで極端な行動に走ってしまう傾向にある。
主である暗黒の魔法使いへは依存にも近い忠誠を向けるが、彼の僕として悪事を重ねることには少なからず罪悪感を感じているらしく、これはレヘルンの中にも無意識のうちに投影されている。
略歴
過去
元はエルフの弓使いとして、敬愛するメルセデスの期待に応えようと努力していたが、弓の才に秀でた同族の者達に引け目を感じており、現実に不満を持ちながら暮らしていた。
理想と現実とのギャップに悩まされるにつれ、夢に見る理想の光景が次第に彼女の中で現実感を帯びていき、その結果、彼女は自分が「夢を操る能力」を得たことに気づく。
その後、暗黒の魔法使い討伐のためのメルセデスの旅立ちの際、ヘレナの見送りのやり取りを垣間見、メルセデスの愛情が永遠に自分のものにならないと感じた彼女は、その後、この「夢を操る能力」を利用してエルフ達の記憶の中から自分の存在を消してしまい、同時に自分の創り出した夢の世界に閉じ籠るようになってしまう。
メルセデスら英雄たちによる暗黒の魔法使い討伐後、その呪いでエウレルのエルフ達は800年超の長い眠りにつくことになるが、しかし彼女の場合は能力の影響で、肉体が動かないまま精神だけが目覚めた状態で封印されてしまう。
悪夢を見続ける苦痛に苛まれていた彼女は、復活した暗黒の魔法使いの精神干渉による誘いを受け、そこで圧倒的な力や知識を得るかわりに、彼の僕として生まれ変わることを選んだのだった。
なお、現在エウレルの宝とされている花のオルゴールは元は彼女が作った物。本人はあくまでメルセデス1人への贈り物としていたため、メルセデスが良かれと思ってオルゴールをエウレルの民に解放したことには不満を抱いていた。
隠月クエスト
メルセデスが修行で留守にしていたエウレルを夢の世界に落として占拠。自身はメルセデスの姿に化けて王の安息所に居座る。
そこにたまたま尋ねてきたメルセデスの旧友の隠月との会話でボロが出てしまい、正体が露見して逃亡する。
未来の扉
作中で初めて「夢を操る軍団長」の存在が言及されたシナリオ。この時は名前も詳細な容姿も不明だった。
時間の神殿にある未来の扉にメイプルワールドが暗黒の魔法使いの手に落ちたという未来を捏造し、これを予知夢という形でメイプルワールド全域に流す。
これによって元々一枚岩とは言い難かったメイプル連合に一時亀裂が入りかけるも、主人公らによる調査で無意識領域に侵入、彼女の過去を垣間見たことで、この事件の元凶が暗黒の魔法使いの新しい軍団長の能力であることが突き止められた。
夢の都市レヘルン
未来の扉事件の後、暗黒の魔法使いが望む世界が暗黒の魔法使い自身すら存在しない完全な無であることを垣間見る。
このことに衝撃を受けたルシードは、彼を思いとどまらせるためにアーケインリバーに満ちるエルダを用いて自分が考える幸福な世界である夢の都市レヘルンを創出。世界中をこれと同じ夢で満たすべく悪夢と一体化し、主人である暗黒の魔法使いの復活を待ち望むことになる。
しかしながら、自分の意思に沿わない「夢から覚めた」レヘルンの住民や、何故か唯一ルシードの能力の影響を受けない「悪夢」こと防毒マスクの存在、能力の暴走によって自分自身が悪夢に蝕まれるなど、計画は順調とはいえない状況であった。
そんな中でチューチューアイランドを越えてレヘルンに流れ着いた主人公を幾度も始末しようとするも、レヘルンの住民や防毒マスクの助けを得た主人公に追い縋られ、時計塔での激闘の末に敗北し、姿を消す。
(プレイヤーがメルセデスだった場合)メルセデスとも再会するが、もはやどうでもいい存在であるとこれを突き放す。一方で「私の女王様」とこぼしたり、英雄集結ムービーではメルセデスとの弾幕戦の中で一瞬ながら悲しげな表情を見せるなど、どこか未練めいた様子も見せるが…
夢の終わり
暗黒の魔法使い消滅後、軍団長ウィルが隠し持っていたコアに憑りつかれたハインズによって、ついに悪夢の蚕食が限界を迎えて最も深い夢の中に沈みゆくところを発見される。
彼の口から、未来の扉の事件は、暗黒の魔法使いの真の目的であった「神々の支配から脱却した世界の再創造」に際して、定められた未来に対する人々の怒りを呼び起こすための一種の備えであったことが語られる。
ついぞ主の真意を知りえなかった絶望とともに悪夢に沈みゆく中、誰にともなく助けを求める。
その声に応えたのは、ルシードの抑止と救済への願いが無意識のうちに創り出した存在、防毒マスクだった…
露になった防毒マスクに投影されていた姿は、他ならぬメルセデスのものだった。
それは幾星霜の時と断絶を経てなお、メルセデスへの思慕を捨て去れなかったことを意味していた。
こうして保護されたルシードの身柄は、一度はウィルと同様にエレヴで収監されるはずだったが、真相を知ったメルセデス自身の「ルシードの罪は認めるが、女王ではなく友人としてこれ以上傷つけたくない」という強い要望によって、故郷であるエウレルへと送還されることとなる。今からでも、幸せな夢を見れるようにと願いを込めて。
ボスとして
レベル220以上、夢の都市レヘルン地域のストーリーを「決戦」まで進めることで挑戦可能。
要求アーケインフォースはストーリー(ベリーイージー)で250、イージー以上で360。
ノーマルまでは固定ダメージの雑魚モンスター、背景の蝶とラッパなど、独自のギミックが存在する。
HPゲージが段階ごとに10本あり、これを全て削り切ると勝利となる。
全2(3)段階。第3段階は40秒以内に削り切らなければならない。
個人デスカウント10。
余談
- ヴァンレオンと同様に、暗黒の魔法使いの軍団長でありながら同時に暗黒の魔法使いの被害者としての一面も持つ。ルシードの最大の受難の元凶でありながらその元凶に忠誠を誓うというマッチポンプ状態となっているが、これをルシード自身が知り得ているかは不明。彼女自身が今なおその受難を肯定的に捉えていないことを考えると、知らずのうちに暗黒の魔法使いに従っている、ということも考えられる。そういった経緯があるためか、悲惨な運命を辿った者が多い軍団長たちの中では比較的救いのある結末を迎えている。
客演
- 『テイルズウィーバー』でのメイプルストーリーとのコラボイベントで登場。ピンクビーンの次元移動遊びにオルカ、ヒルラ共々巻き込まれたという体でテイルズウィーバーの世界に来訪。元の世界に帰る方法を探しているためか友好的で、夢の世界でモグラ叩きならぬモンスター叩きを遊ばせてくれる。