北海道新聞
ほっかいどうしんぶん
概要
略称は「道新」。札幌市に本社を置く。1942年に創刊されたが、これは北海道内11の新聞が新聞統制により統合した結果である。
全国的に見るとブロック紙では中日新聞に次ぐ発行部数を誇り、北海道内の新聞購読世帯のシェアの大半を占める。ただし帯広市などの十勝地方は十勝毎日新聞(勝毎)、室蘭市周辺では室蘭民報(室民)、苫小牧市周辺では苫小牧民報(苫民)にそれぞれシェアを譲る。
1997年に函館市で創刊された十勝毎日新聞社傘下の「函館新聞」(函新)に対し、北海道新聞が、時事通信社や系列の放送局と取引しないよう求める妨害行為を行ったとして、独占禁止法違反の疑いで公正取引委員会から排除を受けた。2002年に函館新聞社が損害賠償を求めて提訴、裁判所からの和解勧告で北海道新聞社が2億2200万円の損害賠償を支払うことと函館新聞社が訴訟を取り下げることで、2006年10月24日に和解が成立した。
論調
国内問題、国際問題まで幅広く扱う独自の調査報道には定評があり、全国紙と比べても極東アジア報道、特にロシアに関する報道に強い。一般に地方紙は、中央政府には批判的でも地元の役所や有力者には甘いのが通例である(信濃毎日新聞などが典型)が、北海道新聞は道庁や北海道警の裏金を暴くなど、道政に対する批判的な報道も比較的辞さない傾向にある。北海道警の裏金事件の報道で、北海道新聞は2004年の日本ジャーナリスト会議大賞などを受賞した。
また中日新聞社、西日本新聞社と共にブロック紙3社連合を結成し特派員を世界各地に送り出しており、地方紙であるにもかかわらず共同通信の配信記事にあまり依存していないのも特徴。新聞小説と新聞漫画も中日新聞(東京新聞)・西日本新聞と共通のものを連載している。
ただし、道新の東京志向・札幌志向、全国紙並みに「お高くとまった」編集方針は、「地元志向」の強い一部道民の反発を呼び、地域密着の情報をウリにする勝毎、室民/苫民、函新といった道内地域紙に購読者が流れる理由にもなっている。