概要
本来の意味合いとしては「恨まれるべき者」が逆に恨むことである。
ただし、近年では「本来恨まれる筋合いのない者」が恨まれることを指す場合が多い。
逆恨みの原因は色々と考えられるが、心理的側面から見れば防衛機制の一つ「投射」であると言える。
すなわち、自分が恨まれる状況や都合の悪い状況に陥っている際に、それを他者に置き換えることで精神を安定させようと考えることによって生じるのである。
多くの場合、他者とは悪いことを突き付けた、または恨んだ相手に対して投射されることになる。
当然、多くの場合は自分に非があったり落ち度があったりするため、それを自分の中で納得すれば逆恨みというのは起きにくい。
しかしながらそれらを棚に上げたり、または自覚がなかったりすると逆恨みにつながることになりやすい。
逆恨みの結果として喧嘩や暴力などに発展することもある他、報復行為、最悪の場合は傷害、殺人など刑事事件に発展することもあるため、非常に難しい。
そも社会において正義は主観的なものであり「勝てば官軍」という図式になる。
このような状況では勝負や喧嘩の勝ち負けこそが重視され、結果的にことの可否は顧みられない為、近年では「不道徳な者」に対し、逆恨みを恐れて注意などができないという風潮が強くなっている。
同情の余地が殆どない感情であるため、現実でも創作物でも逆恨みをする者は総じて嫌われる傾向にあり、どうしようもない外道や小物として描かれる事も多い。
逆恨みの一例
- いじめや犯罪、マナー違反などの半社会的行為を犯していたにも関わらず、それを批判・処断した人間に敵意を燃やし攻撃する
- 何らかの不幸があった際、その場に居合わせただけの者や、共通点のある人間全員を、原因という名のはけ口にする
- 他者から受けた親切など好意に基づく行為を、悪意に基づくものと思い込み恨む
- スポーツ観戦や創作物において、自分が携わっていた訳でもないのに、望む成果を出さなかったという理由で当事者へ憎悪を燃やす
- 身勝手な理由で悪事を働いた結果、ある者に成敗され、そのことが自分が周りの人間に嘲笑されたり自分の地位や評判が落ちぶれる原因となったので自分を成敗した者に憎悪を燃やす。