「大丈夫!詐欺じゃないよ!アナタのことはなーんでも知ってるんだから!」
「誰もがみんなごほうびをカジる権利を持っているの!」
「どんなに迷っても私はあなたの味方よ」
概要
日本一ソフトウェアが開発したゲーム『MAD RAT DEAD』に登場するキャラクター。
人間の動物実験の実験台にされ死んだマッドラットの前に現れ、マッドラットのことは全て知っていると話し、「ご褒美」として死んだ最期の一日をやり直させ、マッドラットの夢と心残りを叶えるチャンスを与える。
その後も、マッドラットの夢を叶える味方としてサポートしてくれ、マッドラットが気絶・失神し真っ暗な空間へ飛ばされた時は、マッドラットに助言や提案をしてくれる。
容姿
人型のメスのラットの姿をしている。他のネズミのように、大きい耳と湾曲した長い尻尾があり、尻尾は時々ハートの形になる。
ただし、皮膚や外見はほとんど人間と同じであり、マッドラットとおよそ2倍の身長差がある。腰からは白い天使のような翼が突き出ており、乱雑な髪型をしたライムグリーン色の髪と、マゼンタ色の瞳をしている。笑う時は、歯を見ることができる。
服はワンピースのスーツを着ており、マゼンタ色のベストと長いコートテール、ネクタイの付いた白のレオタードで構成されている。頭には髪色と同じライムグリーン色のリボンが巻き付けられたマゼンタ色のシルクハットを被せ、足には同じくマゼンタ色のハイヒールを履いている。
その姿はとても可愛らしく、マッドラットも「ネズミなんかの神さまがおまえみたいにカワイイわけないだろ」と発言している。
ハットで隠れた頭の頂部には、アホ毛があるとのこと(コンセプトアートから)。
性格
慈悲深く友好的であり、時には陽気な態度を見せる。マッドラットに最後の一日で夢を叶えることができるようにサポートしてくれ、会話面でも質問の返答に対する態度は肯定的、思いやりがありやる気を起こさせてくれるフレーズ等が多い。
作中での活躍
※以下、ステージ5までのネタバレを含んでいます。未プレイの方はご注意ください。
(「」内の台詞は要約を行っています)
天国の迷宮(チュートリアル)
マッドラットに秘められた能力である「耳鳴り」(後にマッドラットが名付ける)のこと、基本的な移動やアクションの仕方、また敵である「悪夢」の存在と倒し方やタイムリミット・ゴールのことを教えてくれる。またタイムリミットが切れた際は、「自分は優しい神さまだから、何度でもやり直させてあげる」と言い、再びカウントが600まで戻る。
ゴール後は、マッドラットの願いや最期の一日の過ごし方について尋ねるも、マッドラットの「自分をケージに閉じ込め実験台として一生を過ごさせた人間(研究者)に復讐すること」という危険な夢を聞いた時には大きく驚き呆れていた。そして、マッドラットに時間の巻き戻しの方法を教え、また時間を巻き戻してもマッドラットの夜になれば死ぬ運命は変わらないことを伝える。
研究所
マッドラットが襲い掛かるモブラット達を全て殺し気絶した後、真っ暗な空間にて再登場する。そこでマッドラットの状況は仮死状態だと教え、また「仲間のラット達を殺した罪悪感はあるか?」「自分は諦めずハッピーエンドを目指せるか?」といった質問をする。そして、研究所内はゾンビのような動物がうようよして危険だと伝え、外へ逃げ出すことを提案する。
下水道の地下水路
ゴーストラットの魔の手から逃げ出した後、マッドラットは再び失神し気絶してしまう。そして真っ暗な空間で再登場し、襲ってきたお化けについて話題を出し、「お化けは自分が殺したネズミの姿をしていたのか?」「同族を殺したことに罪悪感があるのか?」「夢を叶えるために走り走り続ける元気と勇気はあるか?」といった質問をする。
そして、この先お化けのように恐ろしい者たちがマッドラットの行く手を阻むことを伝え、チーズを目印に進めばマッドラットの夢見るゴールへと辿り着けること、マッドラットの目標は確実に近づいていることを教え去っていった。
再び研究所内
マッドラットが人間を殺し夢をやり遂げた後、再びマッドラットの前に現れ、夢を達成したことを祝福する。そして、マッドラットはこのまま最高の気分で死なせてくれと頼み、神さまはチーズを辿りゴールへ目指せば、そこにマッドラットのハッピーエンドが待っていると教え去っていった。
関連楽曲
- MAD RAT, ALIVE?
作曲はかめりあが担当。BPMは105。チュートリアル時でプレイするステージ1-1「あの世」の専用BGMである。
関連イラスト
関連タグ
その正体
※この先、本編に関する重大なネタバレを記載しています。ゲームをクリアしてからの閲覧を推奨します。
「アナタの最期の一日はもう時間切れ」
「おとなしくネコに食べられる用意をしてなさい」
「ウフフ…まだ抵抗するの? 仕方ないネズミね」
「ただのネズミが私にかなわないことを教えてあげましょう」
その正体は、マッドラットの脳に寄生するパラサイト(寄生動物)。
また、作中におけるステージ6のボスであり、ラスボスである(名称は「マッドパラサイト」)。
元々ハートは、マッドラットの寿命を延ばす為の心臓移植に使われた別の生物の心臓であり、その移植と同時にパラサイトもマッドラットの体内に入り込み寄生したのである。
その願いと目的は、「全ては生き物として種を残し生き残ること」。それは習性で、生きるためにネズミに寄生し、ネコに食われることは「自分たちの種を残すための方法であり宿命」だと語っている(このことから、トキソプラズマがモチーフであると考えられている)。
マッドラットが見ていた幻覚(モブラット、ゴーストラット、研究所の幻覚、チーズ、気味の悪い満月等)や頭痛も全て彼女が原因であり、つまるところ彼女が全ての「黒幕」である。
彼女はマッドラットの脳に寄生している為、追い出そうにも追い出すことはできず、自在に彼女はマッドラットの意識を操作できる。
本編では
彼女は、夜の街へ進む道中で、マッドラットを幻覚の世界へ引きずり込み、「ネコに食べられて死ぬハッピーエンド」を迎えさせ、最期の一日を終わらせようとする。しかし、途中でマッドラットが耳鳴りでハートの存在を認知し、共に幻覚の世界へ入り込むことに成功する。
そこで彼女は歪な姿をした巨大な月の敵「ファントムムーン」を召喚し、マッドラットとハートに戦わせる。マッドラット達は勝利した後、次は彼女を倒そうとするも、所詮は幻覚で遊んでいたに過ぎず、ネコに食べられる危機に陥る(しかし、そのネコは以前マッドラット達が和解したクロネコだった為、マッドラットは事なきを得た)。
だが、ネコに食われないまま死のうとするマッドラットに、彼女は時間の巻き戻しで最後の一日をまた朝からやり直させることにする。こればかりはマッドラット達もどうすることもできず、時間は巻き戻り、マッドラット達が作った生きた証や行動は全て消えてしまうことに。
しかしそのおかげで真実を知ったマッドラットは、時間を巻き戻し心臓手術をなかったことにしようとするも、それを阻止する為、マッドラットを再び幻覚の歪んだ天国の世界へ引きずり込む。そこでマッドラットを無理にでも服従させようとし、最後は彼女自身がマッドラット達と戦いを挑む。
この時の彼女の姿は、耳・尻尾・翼などに様々な形の穴があり、目も変化し狂気が映し出されている。また最終段階や倒された後では、彼女の核とも言える黄色とマゼンタの細胞のクラスターらしき物体が見れ、まだ会話や表情は写しだすことが可能。
だが、時間を巻き戻すマッドラット達に勝利することはなく、結局本体を攻撃され倒されることとなった。そして「どうせ死ぬのなら私の願いを叶えてくれてもいいじゃない」と嘆き、自分の習性や生きることが罪なのかと問いかけるも、マッドラットからは「自分は運命という回し車に乗り続けるのは止めた」と反論され、パラサイトは黙り切ってしまう。
そして、マッドラット達は時間を最後の一日の朝まで巻き戻すのだった。
能力
上記のことから、彼女はマッドラットの体内に存在し、自身の思惑通りに物事を進める為、成功で説得力のある幻覚を作ることができる。幻覚は、出来事の錯覚(人間の殺害、ゴーストラットとの闘いなど)や風景や舞台(天国の迷宮、チーズまみれの研究所や街、歪んだ地獄のような世界など)、モンスターや攻撃(悪夢等の敵や様々なもの)にまで及び、それほどマッドラットの脳への高度な制御が可能だと思われる。
そして、ハートと同じく時間を巻き戻す能力を持っており、マッドラットが寿命で死のうとした際に自ら時間を巻き戻したが、後にマッドラットが心臓麻痺をなかったことにしようとした際は時間を巻き戻してはいない。また、彼女の時間操作がどの範囲まで及ぶのかは、明確に描かれていない。
本性・願いと目的
このように、上記に記した性格も、自身の目標を達成するための演技でしかない。「寄生したマッドラット(自分自身)をネコに食べさせ、自分たちの種を残し生き残ること」という習性であり宿命が、彼女にとって全てなのである。
寄生虫としては、マッドラットの意識を奪い幻覚を通して、彼と会話することが可能。そこで彼女は、マッドラットをハッピーエンドへと導くという幻覚のチーズを罠にし、ネコの元へ近づかせようとしていた。この方法は、マッドラットが人間を殺せたと思い込ませ、そのまま死なせる方法としておびき寄せていた。
マッドラットがハートの力を借り反撃を始めると、彼女はその本性を明らかにする。彼女にとって、マッドラットが最後の一日をどう過ごしたいかなどどうでもよく、ただネコに食べられるだけで良いという態度を見せる。時間をマッドラットの心臓移植前まで巻き戻し、最後の一日でマッドラット達がやった行動を全て無にしたことも、ただ生き残ることにしか興味がない表れであろう。
関連楽曲
- MAD RAT, DIE
『MAD RAT, ALIVE?』と同じくかめりあが作曲。BPMは150。ステージ6-7「VS マッドパラサイト」の専用BGMである。
余談
マッドラットの心臓移植をマッドラットが死んだと事実を変え、それをマッドラットに教え、共感と援助を偽り信頼を得る点も流石と言えるだろう。また、計算された幻覚やアドバイスも、「マッドラットをネコに食べさせる」という目標においては完璧であった。
ただし、全ては幻覚を見敗れるハートの存在によって全てが狂い、その後の行動も上手くいかなかったのは、ある意味ハートの行動あってである。